[コラム:Spencer
F. Katt]
Windowsの欠陥、Linuxコミュニティの反発
2006/10/11
「小ネタでもなんでも、情報はできるだけ多く収集することが大切だ」と、吾輩は巧妙に自己正当化しながら、機関投資家向け総合リサーチシステム「Monitor110」に注目が集まっているという話題に飛びついた。なんでも個人のブログから高度な調査研究まで、あらゆる情報を投資判断の材料として提供するのだそうだ。Monitor110.comのWebサイトをチェックすると、このシステムは「ニュースになる前のユニークな情報を提供する」とある。同社によると、4000万件以上のオンラインソースから投資関連情報を提供するという。
吾輩の場合、10人ほどの仲間に一杯おごれば、十分役に立ってくれるけどね。とはいえ、要所要所に潜む有能な探偵たちも、リバーベッド・テクノロジのIPOがどれほどホットな出来事か、誰1人つかむことはできなかった。巷間ささやかれるところによると、リバーベッドを5億ドルで買収したいと提案してきた会社が2社あるらしい。しかし、リバーベッドはいずれも拒否した。1年以内に自分たちの市場価値は10億ドルになる、というのがその理由だ。ふむ。吾輩もポケモン・カードがいっぱい詰まった靴箱を持っているのだが、それだっていつか10億ドルの価値を持つようになるかもしれない。
そんな夢想を打ち砕いたのは、キャットフォンの呼び出し音だった。電話をかけてきたペンギン系の友人によると、GNU GPLv3(一般公衆利用許諾契約書バージョン3)にLinuxコミュニティから反対する声が出ているという。リーヌス・トーバルズを筆頭とするLinuxプログラマたちは、「GPLv3はもはやDOA(到着時死亡)状態と見るべき」と主張し、LKML.orgで議論されているDRMの乱用や、複数のバージョンを持つソフトウェアパッケージにGPLv2とGPLv3の両方を適用しなければならなくなる可能性などを危惧している。まぁ、“Windowsに欠陥見つかる”と“Linuxコミュニティが反発”という見出しは、いつものことだけど。
またペンギンマニアによると、IBMは自社の特許申請をすべてオンラインで公開する計画であるらしい。もし本当だとすれば、申請中の特許に関するこれまでの徹底した秘密主義から180度の大転換だ。ビッグブルーは、オープンソース・コミュニティ・ライクなコラボレーションを期待しているらしい。とりあえず法的な問題の解決は、後回しにしようというわけだ。そういえば、同社の「Global Innovation Outlook」のレポートが、www.ibm.com/gio/ipで公開されている。
電話を切ったあと、吾輩は非合法になる前にトランス脂肪酸をしこたま食っておこうと、同僚を誘って近くのフライ料理店に向かった。「そのうちドーナッツやオニオンリングが気楽に食べられなくなるかもしれない」と吾輩は肩をすぼめた。というのも、ニューヨーク市では今後、トランス脂肪酸を過剰に含んだ料理が規制されるらしいのだ。
「いずれコカインの売人は忘れ去られ、モッツァレラ・スティックの密輸業者が麻薬取締局の頭痛のタネになるだろうね」と、2人で苦笑いながら山盛りのフライドチキンをむさぼっていると、食通の同僚が教えてくれた。米国で11月に先行発売される任天堂の新しいゲーム機「Wii」は、2007年6月までWebブラウザの「Opera」が無料で利用できるらしい。ま、それまでにゲームのやりすぎは健康に良くないから、とかで規制の対象にならなきゃいいけど。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Bull, Bear and Katt Markets
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