[コラム:Spencer
F. Katt]
ビンテージ・ロックとオンライン・ミュージック
2006/10/17
“マ、マ、マ、マイシャローナ”のザ・ナックが、ヤフー、アップル、アマゾン、ナップスター、そしてリアルネットワークスを相手取り、1978年にヒットした「My Sharona」を違法にサンプリングした楽曲を配信しているとして訴訟を起こした。彼らはまた、ランDMCに対しても、同グループの「It's Tricky」が自分たちの曲を無許可でサンプリングしていると裁判所に訴えた。
が、ザ・ナックのメンバーたちは、どうも1986年にヒットしたランDMCの曲を聴いたことがないらしい。きっと長い間、暗い穴の中で仮死状態だったのだろう。この訴訟で唯一注目すべき点は、長い冬眠から目覚めたばかりだというのに、彼らがしっかりオンライン・ディストリビュータに照準を合わせたことだ。もし裁判に勝ったら、巻き上げた金でトランジスタ・ラジオと音楽雑誌を買って、いまどきの“キッズ”がどんな音楽を聴いているか、ちゃんと理解すべきだね。
そのときキャットフォンからペーパー・レースの「The Night Chicago Died」が流れてきた。シカゴ在住の友人からの電話だ。なんでも飛行機を頻繁に利用する多くの人々と同様、彼もまた、オヘア国際空港の1日6.95ドルの信頼性の低いWiFiサービスには辟易(へきえき)しているという。その理由の1つは、オヘア空港がボインゴ・ワイヤレス傘下のコンコース・コミュニケーションズが手がけるベータ・サイトであることだ。確かにオヘアはカメより遅い、と吾輩も思う。とりあえず彼に、無料のWiFiサービスを提供する空港のリスト(www.wififreespot.com/airport.html)があることを教えてやった。
電話を切ったあと、久しぶりに会う女性とランチを楽しむため、吾輩は早足で近所のイタリアン・レストラン「ポルカリーズ」へ向かった。キャンティの栓を抜くと、彼女はマイケル・カペラスが技術系投資会社、シルバー・レイク・パートナーに上級アドバイザーとして迎えられたことを話題にした。「コンパックやワールドコム/MCIでの実績を考えると、おそらく彼がシルバー・レイクで最初に実行する2つのアクションは、どこかの会社との合併と社名変更だな」と吾輩は予測した。
するとランチの相手はカラマリを口に運びながら、ソーシャル・ネットワーク・サービス「MySpace」のクローン、ウォルマートの「School Your Way」がオペレーションを停止したと教えてくれた。残念なことに、このWebサイトは消費者のふりをしてウォルマート製品のちょうちん記事を書くカタログ・モデルで溢れていた。アウトレットモールの駐車場でキャンプしているRVファミリーを呼び込むことができれば、もっと成功していたかもしれない。
また、彼女の話によると、ビッグブルーが「IBM Community Tools」と呼ぶソーシャル・ネットワーキング・ツールをNotesやSametimeなどの製品に組み込むらしい。それらは、友達のいない孤独な若者を引っ掛けるためのものではなく、エンタープライズ・コラボレーションを推進するためのツールだという。
アマレットを傾けながら彼女が話したところによると、インテル会長のグレイグ・バレットはワシントンD.C.で開催されたイーヘルス・イニシアティブの「医療ITサミット」で、「米国の医療制度は経済的に持続不可能で、米国の国際競争力に大きな影を落としている」と指摘したそうだ。このまま医療コストの増加を抑制できなければ、雇用の海外移転が加速するらしい。それなら医療制度そのものを海外に移転すればどう? バンガロールからWebカメラで健康診断してもらうってのも、悪くないような気がする。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Katt Uncorks Vintage Pop
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