Spencer F. Katt

PCが停止した日

2007/03/26


 “Tach it up, tach it up, buddy gonna shut you down……”。そのニュースを耳にしたとき、吾輩は思わず、あのビーチボーイズの名曲を口ずさんだ。なんでも、shutdownday.orgという団体が今年3月24日を「シャットダウン・デー」に指定し、その日1日、人々がコンピュータを使わずに過ごすことができるかどうか、世界的な実験を行うことを呼びかけているそうだ。でもまた、なんで土曜日に? どうせなら仕事のある平日に実験すればいいのに?

 などと考えていると、キャットフォンからビーチボーイズの「Do It Again」のメロディが流れてきた。電話をかけてきた友人によると、ノーテルの旧経営陣が同社の不正経理疑惑にからみ、2つの国で訴追されるらしい。米証券取引委員会(SEC))とカナダ・オンタリオ証券委員会は、ノーテルの元最高経営責任者(CEO)フランク・ダン、元最高財務責任者(CFO)ダグラス・ビーティ、元経理担当役員マイケル・ゴログリー、そして元経理担当補佐メアリアン・パハピルの4人を、同社の決算内容を偽ったとして告発したという。彼らは2000年から2004年にかけて、膨大な額のボーナスを手にしている。SECは今回の嫌疑に為替レートを反映させているのかな。つまり、彼らの不正な報酬はカナダドルに換算した場合、1ドルあたり18セント増えるはずで……。

 つまらんコメントに電話の相手が反応しないことに気づいた吾輩は、早々に話を切り上げ、インテル社内情報筋の友人とランチに出かけた。「クロエ」という名前のビストロで、カンパリとアルサティアン・スタイルのピザを注文したあと、吾輩は友人に「インテルがCentrino Pro(コード名:Santa Rosa)プラットフォームを5月初旬にリリースするという噂は本当かい?」と話しかけた。すると友人はニヤリと笑って、「もうすぐかなり大規模な広告キャンペーンが始まるよ。それがヒントになるんじゃないか」と答えた。

 吾輩は「ビクトル・ユゴー」ワインのボトルを追加注文し、さらに質問を続けた。「じゃ、インテルのクアッドコア・プロセッサをデュアルで実行する8コアMac Proが近々発表される、というのはどうなんだい?」。それに対しては、「Macジーニアスにでも聞けよ」とつれない返事だった。「それなら」と吾輩は笑ってたたみかけた。「バレットとオッテリーニの電子メールの記録がなくなったらしいけど、どこに行っちゃったか知っているか?」

 もちろん、それはジョークだ。ライバルのAMDが起こした反トラスト法訴訟で、インテル会長のクレイグ・バレット、社長のポール・オッテリーニ、その他の役員たちが、きわめて重要な証拠となるはずの電子メールのバックアップや保存に失敗したと主張しているからだ。

 友人は不都合な事実については言葉を濁し、5月12日にマサチューセッツ州ケンブリッジのハイアット・リージェンシーで開催されるロータス創立25周年パーティに出席するか、吾輩に聞いた。「いや。以前、あそこのパーティでひどい二日酔いになってね。その酒がまだ残っているんだ」と、吾輩はロータス華やかりし頃の思い出にふけりながら答えた。

 デザートに進んだころ、最近ふたたび浮上したパームの身売り説に話が及んだ。「いま悩めるハンドヘルド会社を救える企業といえば、やはりデルしかないんじゃないか」と吾輩が指摘すると、「じゃ、グーグルはシンクフリーを買収すべきだと思うかい?」と友人は問いかけてきた。

 シンクフリーはMicrosoft Officeと同等の機能をオンラインで提供する会社だ。「さあ、どうかな」と少し考えたあと、吾輩は続けた。「確かにホストサービスからiPod互換バージョンまで、さまざまなエディションを持っていることは、グーグルにとっても魅力だろう。いずれにしても、スティーブ・バルマーの頭が爆発するところは、ぜひ見てみたいけどね」

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