Spencer F. Katt
告発されたパワーカップルのピロートーク
2007/06/04
“Time can never mend the careless whispers of a good friend”と、ジョージ・マイケル似の吾輩が歌い出したのは、米証券取引委員会(SEC)が、ラリー・エリソンの役員秘書を務める妻からのインサイダー情報で不正に利益を得たとして、前オラクル副社長のクリストファー・バルケンホールを告発したと聞いたからだ。
伝えられるところによると、バルケンホールは配偶者のキャロラインから、リテックとシーベル・システムズがオラクルの買収候補リストに載っているという話を聞いて、両社に投資したという。SECは、ミセス・バルケンホールについては不問に付し、亭主のバルケンホールに19万8000ドルの罰金を支払わせることで和解した。パワーカップルのピロートークは、決して割に合わないってことだな。
吾輩はその後、2人の友人に会うため、ボストンのルース・クリス・ステーキハウスへ向かった。両人とも技術系ではあるが、1人はロビイスト、もう1人はホビイストだ。3人でテーブルに腰を下ろし、ポメグラネート・マティーニとアヒ・ツナを注文すると、一方の友人が「アリゾナ州グレンデールにデルが地域本社を置くらしい」と教えてくれた。
そして友人が、そんなデルの計画やグレンデールのことで何か知っているかと聞いてきたので、「グレンデールといえば、『アメリカン・アイドル』(オーディション番組)で優勝したジョーディン・スパークスが、グレンデール出身だよ」と吾輩が答えると、テーブルは静まり返った。リカバリーショットを放つべく、吾輩はすぐさま、HPの前CEOカーリー・フィオリーナがまもなく、台湾セミコンダクタ・マニュファクチャリング(TSMC)の重要なポジションに就任するという観測があることを話した。
彼女はすでにTSMC取締役会のメンバーではあるけど、まぁ、将来のポジションがどうあれ、まだまだフォオリーナは健在なりってわけだな。デザートに出されたブレッドプリンのウイスキーソースがけを胃袋に流し込んでいると、友人の1人が吾輩に「Truemors.com」をチェックしたかと聞いた。ガイ・カワサキという起業家で技術エバンジェリストの開設した新しいソーシャル・ネットワーキング型ゴシップサイトだ。
サイトの参加者は、テキストメッセージや電話、電子メールで、あらゆるジャンルの噂話や裏話をタレ込むことができるほか、サイトの掲示板に直接書き込むことも可能だ。もちろん、吾輩はすでにそのサイトをチェックしていた。宣伝文自動生成システムと、フィルターがかけられていないコメントスパムのクロスオーバーという感じだろうか。
一方、ロビイストの友人によると、元ロータスCEOのジム・マンジが生命科学会社のサーモ・フィッシャー・サイエンティフィックの会長に指名されたそうだ。
吾輩は25年もののマッカラン・シングルモルト・スコッチをなめながら、マサチューセッツ州に出現した新手の強盗について言及した。その手口は、まったく無関係な18歳の少女の写真とMySpace.comの偽IDを使って、不謹慎な男たちを人里離れた場所におびき出し、拳銃を突きつけて金品を強奪するというもの。もうなんというか、非社交的ネットワーキングだな。
そろそろ誰が勘定書を取り上げるか、静かなにらみ合いが始まったころ、友人の1人がモトローラの取得した特許(米国特許番号7200363)について話し出した。なんでも、「香りを出す機能の付いた通信機器」なのだそうだ。デバイス内部の芳香剤が熱せられて香りを出す仕組みらしい。
特許を取ったのがモトローラでよかったかもしれない。アップルからiReek(私はくさい)なんて名前で出たら誰も買わないだろう。
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