Spencer F. Katt
信頼で成り立つP2Pオンライン・ギャンブルサイト
2007/07/02
“Luck be a lady tonight……”と大声で歌いながら、吾輩は幼なじみの古い友人とポケットいっぱいの小銭とともに、コネチカット州のモヘガン・サン・リゾートに足を踏み入れた。そしてスロットマシンのテーマ曲が“トップガン”だということに気づき、吾輩は苦笑した。残念ながら、その夜の空にはリミットがあったからだ。
聞くところによると、ここのカジノのスロットマシンの売り上げは、前年比で大きくマイナスになったそうだ。もしかしてインターネットのギャンブルサイトの影響か? と思って友人に聞いてみると、どうやらニューヨークやロードアイランドにできた新しいカジノに客を奪われたのが真相らしい。
「オンライン・ギャンブルといえば」と友人が続けた。「米国がインターネット・ギャンブルを禁止したことに対して、欧州連合(EU)が米政府から補償を得ようとする動きがあるのを知っているか?」と友人が聞いた。そのことは吾輩も知っていた。「そうらしいな。だが、禁止されたにもかかわらず、Betcha.comなんていう新しいギャンブルサイトが米国内で開設されたぞ」
そのWebサイトは、賭けに負けても、その気になれば約束を反故にできる信義ベースのオープンなピアツーピア方式であるため、インターネット・ギャンブル禁止法に抵触しないとそうだ。もちろん賭けに負けたのに知らんぷりすれば、ユーザー・プロファイルにその事実が“記録”され、その後、他の“仲間”から信頼できるギャンブラーとはみなされなくなるのだが。
友人によると、オンラインゲームサイトの内実を知るには、ボドッグ・エンターテインメントの創立者でオフショア・ギャンブルの大御所、カルビン・エアーのブログ、Calvinayre.comをチェックすればよいという。「アンティグア・バーブーダの政府関係者をボドッグ本社に呼び寄せたエアーの画像や、パリス・ヒルトンと歓談しているときの画像は、オンライン・ギャンブリングの世界がどのようなものかを雄弁に物語っている」と友人は笑った。
ポーカーゲームの変種「レット・イット・ライド」で全財産を失う羽目にならずにすんだのは、キャットフォンが知人からの着信を知らせてくれたおかげだった。電話をかけてきたアップル・ウォッチャーの話によると、アップルの前CTO、エレン・ハンコックがジャズ・テクノロジーズ社長を辞任したという。ハンコックは、他の2人の元アップル・エグゼクティブ、ギル・アメリオとスティーブ・ウォズニアックとともに、自分たちの“白紙小切手”プライベート・エクイティ投資会社であるアクイカーを使って同社を買収した。
電話の相手はまた、アップルがメルセデスベンツ用のGPSナビゲーションツールとサウンドシステムを開発するかもしれない、とドイツのタブロイド紙が報じたことが、いまアップル・マニアの間で話題になっているという。まぁ、話半分に聞いておくべきニュースだな。
モヘガンのカジノを出た2人は、ウルフ・デンと呼ばれる入場無料の音楽会場へ向かった。そこでわれわれは、エモ・ルシアーノ楽団が奏でるラテンのリズムに身をゆだねながら、金融業界で働く若い女性と親しくなった。彼女の話によると、デルの不正会計問題に関する社内調査では、米証券取引所の指摘と同様の結論が導き出されたもようだ。
すっかり打ち解けたその女性が猫好きであることを、吾輩はすぐに察知した。彼女自身はMySpaceの会員らしいが、それとは別に、自宅で飼っている猫のためにも、Unitedcats.comとCatster.comに似たようなWebサイトを開設しているという。
「で、あなたのWebサイトと猫ちゃんのWebサイトは、どっちが人気ありますか?」と無邪気に聞いたとき、彼女は吾輩の頭の上にドリンクをぶちまけ、ものすごい剣幕で席を離れていった。彼女がなぜ怒ったのか理解できず、びしょぬれになった吾輩は途方に暮れるばかりだった。
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