Spencer F. Katt

iMacか、ボンデージか?

2007/08/20


 “Come fly with me, let's fly, let's fly away”と、吾輩が思い入れたっぷりに歌ったのは、次期連邦航空局(FAA)長官の有力候補としてバーバラ・バレットの名前が挙がっていると聞いたからだ。レーガン時代にFAA副長官を務め、民間航空委員会のメンバーでもあったバレットがブッシュ政権に見込まれ、今年9月に現長官が退任するのにともない、FAAのトップに就任する。

 彼女のFAA長官就任は、旦那すなわちインテル会長のクレイグ・バレットが9月にインドへ向かうとき、空港警備で靴の中まで調べる必要はないと特別に指示を出すタイミングとしてはベストかもしれない。

 伝えられるところによると、バレットのニューデリー訪問は、発展途上国向けにIT技術の普及促進を図る「インテル・ワールド・アヘッド・プログラム」のプロモーションが目的だという。まぁ、どうでもいいが、この夏のボストンの暑さは、ニューイングランドじゃなくて、まるでニューデリーにいるんじゃないかって錯覚するほどだけどね。

 日差しがあまりにも強いので、自宅にこもってテレビでも観ていようと思ったのだが、どのチャンネルを回してもソープオペラか「ジャッジ・ジュディ」(摸擬裁判番組)しかやってなくてがっかりしていると、突然キャットフォンが鳴った。電話をかけてきたのは、いつもの友人だった。彼は、吾輩ががっかりした2つのアイテムをマッシュアップして得意げに話しはじめた。

 「“アズ・ザ・CA・ターンズ”の新エピソードへようこそ」と、友人は人気の昼ドラ番組「アズ・ザ・ワールド・ターンズ」のタイトルをもじって笑った。彼の話によると、アイランディアのソフトウェア会社から金品を巻き上げようとしたサム・ワイリーとレンジャー・ガバナンス・グループの企てに、連邦地裁判事がトドメを刺したらしい。CAに1億4000万ドル以上の価値があるとした2003年の株主合意を否定するワイリーのキャンペーンや、過去および現在のCA役員に対する訴訟について、連邦判事は根拠がないと一蹴したそうだ。最近発見されたCAの不正行為の証拠とされる23箱分の新資料をベースに、ワイリーは10億ドルの損害賠償請求を目論んでいたらしい。

 だが、ミステリアスな箱に隠されていたさまざまな新事実は、この事件に対する判事のインスピレーションを喚起するものとはならなかったようだ。ワイリーの弁護士チームは、ホーウィ・マンデルのゲームショー「ディール・オア・ノーディール」をもっと研究すべきだったな。吾輩なら23人の美女モデルを雇って、それぞれにベールに隠した箱を持たせて、どの箱に証拠が入っているか判事に推理させたりするけどね。

 友人は電話を切る前、元CA上級副社長のヨゲッシュ・グプタがFatWire SoftwareのCEOに指名されたことを話題にした。一方、吾輩は電話を切ったあと、HPが新しいiPaqブランドのハンドヘルドを年内に発表するという噂について調べることにした。途中、アップルの新型iMacの記事を見つけたので、同社サイトのiMacセクションにアクセスすると、 “Nothing peripheral about it”という見出しの上の5番目の画像で、スタイリッシュな新しいiMacと、まるでエベレストに挑む登山家のようにゴチャゴチャのロープを背負った無骨なDell XPS 410の外観が比較されていた。なるほど、iMacは確かにすっきりしている。しかしアップルは、PCの行き着く先がボンデージだということを得意げに教えたいのだろうか?

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