Spencer F. Katt
データセンターを発電所に!
2007/10/22
最近流行のグリーンムーブメントに乗り遅れないために、エコフレンドリーな吾輩も、自分なりにCO2の排出を削減するにはどうすればいいか、週末をつぶして研究しようと考えた。とりあえず手始めに、問題認識を高める3本の定番ビデオ、「不都合な真実」「電気自動車はなぜ消えた?」、そしてウェス・クレイヴンの「怪人スワンプシング」をチェックすることにした。
が、情けないことに、カレッジフットボール、メジャーリーグベースボールのプレーオフ、プロフットボールの好カードが、42インチ・プラズマディスプレイのマルチ画面を占拠し、声をからして枕を投げ飛ばしているうちに、3本のビデオの存在は吾輩の脳裏からすっかり消えうせてしまったのであった。
しかし月曜日、吾輩はいつものハイパーモードに戻り、すぐさまコネチカット州ブリストルのESPN本社を訪問、同社の省エネ化への取り組みを取材した。この24時間スポーツ専門ネットワークはいま、シリコンバレーのハイテクベンダと組んで、最新の省エネデータセンターを構築中なのだ。ESPNの上級副社長兼最高技術責任者のチャック・バガーノ氏によると、同社のITチームは最先端のシステムと省エネをバランスさせようと目論んでいるのだという。
「新しいデータセンターは電力調整が可能な無停電電源装置を装備し、数段階上のレベルの堅牢性を実現した」とパガーノ氏は言う。消費電力を低減するため、ESPNはマルチステージ型ヒーティング、ベンチレーション、エアコンディショニングシステムを採用、「効率的な冷暖房が可能になった」(同氏)そうだ。
一方、シリコンバレーの情報筋によると、AMDは早ければ11月にも、旧タイプのデスクトッププロセッサを値下げし、ハイエンドプロセッサ向けに開発した省エネ型AthlonおよびSempronプロセッサを発表するらしい。また“Barcelona”サーバプロセッサの発表は9月にずれ込んだが、AMDはゲーマーやハイエンドビジネスユーザー向けのクワッドコアPhenomデスクトップチップを近く発表する予定だ。同社は、インテルが11月12日にリリースするPenrynの対抗製品も用意しているという。
それはそうと、アプライド・メソドロジーズと同社研究部門のAMラボが、グリーンエネルギー消費標準をクリアするだけでなく、エネルギーそのものを発生させるサーバを開発中だという。詳細は明らかにされていないが、どうやらハードウェアから発生する熱を利用して電気を生成するサーバを開発している模様だ。AMラボによると、このサーバは、データセンターを一方で発電所に変えてしまう可能性があるという。
「まさにコストセンターをプロフィットセンターにしてしまう有力な方法だな」と吾輩はうなった。AMラボはまた、同じような発電機能を備えたルータとスイッチング機器も開発しているとか。まさにブレークスルーと呼べる技術ではある。そういえば昔、常温核融合なんてのもブームになったけどねぇ……。
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