Spencer F. Katt
不満の原因を突き止めた帯域最適化システム
2008/04/07
吾輩が業界のゴシップ情報を好んで追いかける大きな理由は、毎週その内容がどう変化していくか観察するためである。
最近、業界関係者の間では、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が買収のターゲットになっているという話で持ちきりだ。その理由は、同社が新製品の市場投入でライバルのインテルに遅れを取って、市場シェアを失いつつあるからに他ならない。
で、ここ数カ月、AMDをめぐるホットなうわさは、エヌビディア(NVIDIA)がグラフィックプロセッサ市場でのシェア拡大をねらって、AMDに興味を示しているというものだった。この話はなかなか重要だ。もしインテルが、予想されるようにCPUの一部として同じシリコンチップ上にグラフィックプロセッサを搭載すれば、グラフィクス市場におけるエヌビディアの栄華は終焉を迎えるだろう。
しかしここにきて、エヌビディアはAMDの買収にそれほど興味を持っていないようだ、という見方が強くなってきた。むしろ同社は、低消費電力型x86プロセッサを製造する台湾の小さなチップメーカー、ヴィア(VIA)の買収を検討しているという。実現すれば、エヌビディアは今後、インテルとの競争を戦いながら、グラフィックス以外の分野へ事業展開を図ることが可能になる。AMDと比較すれば、ヴィアは企業規模的にもはるかに小さく、エヌビディアにとって買収しやすいターゲットであることは違いないね。
吾輩は先日、「The Big Switch: Rewiring the World, from Edison to Google」の著者、ニコラス・カーにインタビューするため、高速鉄道に乗って悪天候のニューヨークへ入った。同地で開催されたイベント「サーチエンジン・ストラテジーズ」で、彼がスピーチに立つと聞いたからだ。カーといえば、2001年にドットコムバブルがはじけたとき、サン・マイクロシステムズの将来を悲観するコメントを発表したことを思い出す。
サンのCEO、ジョナサン・シュワルツは、ドットコムバブルがはじけて、ウォール街が同社の株価や事業計画に厳しい評価を下したことを素直に認めるはずだ。事実、サンは過去7年間、コアサーバ市場においてヒューレット・パッカードやデル、IBMといったタフな競争相手の脅威にさらされながら、自社のビジネスを必死に再定義してきた。
しかし、いまや「クラウド・コンピューティングによって活性化したハイテク市場がサンの“ネットワークこそコンピュータ”というスローガンを徐々に具現化しつつある」とカーは指摘する。「サン・マイクロシステムズの場合、これまでたびたびそうであったように、ユーザーがサンの目指す方向を明確に理解できないほど、市場を先行している」というのが、彼の最新の論調だった。
まぁ、たしかに、ユーティリティ・ドリブンやオープンソース、高度仮想化コンピューティング市場といったカーの将来ビジョンが実現すれば、最後に笑うのはサンかもしれない。
ボストンのオフィスに戻った吾輩に、パケッティアの顧客から面白い話が寄せられた。なんでも、パケッティアのWAN最適化システム「PacketShaper」を導入すれば、貴重な帯域を浪費する不良ユーザーをあぶりだすことができるそうだ。
その顧客の会社では、「ネットワークのパフォーマンスが十分でないため、業務上不可欠なアプリケーションを円滑に利用できない」と、多くのユーザーが不満の声をあげていた。しかし会社がPacketShaperを導入したところ、最も不満の声が大きかったユーザーは、YouTuubeの映像やその他のリッチWebメディアで自らネットワークのパフォーマンスを落としている人々であることが判明した。IT部門では直ちにそれらの規律違反者たちへ、「あなたが原因です!」という厳しい警告メールを送ったそうだ。
[英文タイトル] Packeteer customers unmask bandwidth hogs
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