Spencer F. Katt
ストレージの優良企業を狙うビッグブルー
2008/06/16
仕事のない週末は、たいていベッドで丸くなり、好きな本を読んで過ごす吾輩だが、今年のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)は、地元のシネコンプレックスへ向う人々の流れに加わった。もちろん「インディ・ジョーンズ」の最新作を観るためだ。
ポップコーンとチェリー・コークを抱えてシートに身を沈めようとしたとき、薄暗い場内のあちこちで携帯電話やラップトップの液晶表示画面が光っているのに気づいた。いまの時代、人々がどこでモバイルテクノロジーを利用しようと、それほど驚きはしない。だが、ケイト・ブランシェットとハリソン・フォードの冒険活劇を、携帯やラップトップの光公害の中で楽しまなきゃならないかと思うと、暗澹たる気持ちになった。
もっとも幸いなことに、次回上映作品の予告編が終わるころには、最後まで光っていたラップトップも電源が落とされた。吾輩はいまだ多くの人々が良識を持ち、公共のマナーをわきまえていることに安堵した。
とはいえ、まわりに迷惑をかける不埒な客にわずらされるよりも、家の中に引きこもって好きな本やDVDプレーヤーを傍らに置き、気になる映画がリリースされるのを待ち構えているほうが、吾輩には性に合ってるような気がするね。
で、本といえば、複数の情報筋から聞いた話だけど、マイクロソフトのLive Search BooksとLive Search Academicのプロジェクト終了を受けて、グーグルがBook Searchへの取り組みをを強化する構えを見せているという。グーグルは昨秋、ニューヨーク公共図書館などでBook Search関連のイベントを計画していたが、日程上の問題から土壇場でキャンセルした。
その後、イベント開催の新しい日取りは発表されていない。だが、マイクロソフトが新たな「金のなる木」を育てようと取り組んだ野心的な書籍検索プロジェクトが徒労に終わったいまこそ、タイミング的にはベストではないだろうか?
現在、グーグルがBook Searchプロジェクトで提携する出版パートナーは1万社以上という。その中には、マグロウヒルやランダムハウス、ハイペリオン・ブックス、ハーパーコリンズ、ペンギン・グループなどの大手出版社も含まれ、全米28カ所の図書館とも共同作業を進めている。
グーグルがBook Searchを強化したいのであれば、もっとソーシャルなものにすればよい。同社は2008年2月、ユーザーが自由にカスタマイズできるオンライン・ライブラリ「My Library」を開始した。このライブラリは、いったん作成すれば、リンクやiGoogleガジェットを使って他のユーザーに提供できるようになっている。同社は、ソーシャルニュースサイトのDiggやソーシャルブックマークのdel.cio.usと同じような機能を開発しているのかな?
それはさておき、このところ吾輩のキャットフォンは、IBM関連の裏情報で鳴りっぱなしだ。同社は現在、旧製品に代わる次世代ストレージとデータ復旧ソフトを提供する必要に迫られており、買収を視野に、その分野で優れた業績を上げる企業数社に熱い視線を注いでいるという。
昨年12月、アーセナル・デジタル・ソリューションズを買収してオンライン・バックアップ業界に足場を築いたビッグブルーだが、以前からネットアップの買収に興味を示していると噂されていた。しかし、「その可能性は低い」と業界関係者は話す。ネットアップの業績は好調に推移しており、株主たちもCEOダン・ウォーメンホーヴェンの経営手腕に満足しているからだ。
そうなるとIBMにとって次善の策は、優れた技術力で大手競合と対峙し、顧客の信頼を背に躍進する新興ストレージベンダを取り込む以外にない。そのベンダーは、ミネソタ州の2社 ― コンペレントか、ジオテックではないだろうか?
「その2社は、いずれも有力な候補だ」と業界関係者はうなずく。しかし、最終的には、コンペレントが選ばれるだろうという。どうやら近いうちに具体的な動きが見られそうだ。
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