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検索効率の低下や漏えいリスクが高まっている
情報の爆発的増加が止まらない。
ハードディスクやメモリの単価が急激に下落していることも影響し、企業内の取り扱うデータ量が毎年2倍近い勢いで増加し続けているというデータもある。IDCの予測によると、全世界のデジタルデータの総量は2007年の281エクサバイトに対して、2011年には1800エクサバイトにまで拡大するとしている。
この結果として、業務効率が低下し、不適切な場所にデータがあれば情報漏えいのリスクにつながることは、容易に想像できるだろう。
日々蓄積されていく情報は、整理・分類や標準化の手順を経ていないことが多いために、情報の多さと相まって必要な情報にたどり着けない事態を引き起こしている。
また、「コールセンターのオペレータなどのインフォメーションワーカーが、業務時間の約4割を情報の収集や検索に費やしている」というデータからも分かるとおり、検索効率の低下は業務効率にも大きな影響を与えるのだ。
検索効率が低下する要因には、前述の“データ増加による検索性の低下”のほかに、組織・企業内にも情報にたどり着きにくくなっている原因が存在する。多くの企業に存在する「組織間」の壁と「職位階層」の壁だ。
組織間の壁とは、いわゆる縦割り組織間の壁で、「部門ごとに用語が違うため、必要な情報を見付けにくい」や「共通業務があるにもかかわらず、隣の部署のファイルサーバにアクセスできない」など、効率的な情報流通を阻む要因となっている。また、職位階層の壁とは職務権限の問題で、部長、課長といった肩書に応じて一律に権限を決めてしまうと、必要な情報が適切な部門や担当者に、もれなく速やかに伝達することを難しくさせるのだ。
このようにデータの増加や組織間・職位階層の壁が問題となり、情報流通を妨げ、業務効率を低下させる事態を引き起こしている。そこで、これらの状況の改善に必要なのが、情報の流れをきちんと統制し、ビジネスプロセスのフローに沿って情報管理をすることだ。
情報をきちんと活用し、流通させるためには、まず社内に散在している情報を集める必要がある。有益な情報を収集し、それを共有化することが重要だ。その際には、文書管理システムや検索システムで情報をきちんと統制する点がポイントとなる。
情報流通をする際の課題(クリックで拡大) |
そして、もう1つ忘れてはいけないのが、検索・収集したデータを“使い終わった後に適切に捨てる”ことだ。
情報量の増加は、ストレージの低価格化だけではなく、不要ファイルの削除ポリシーがほとんどの企業や組織で規定されていないことにも拠る。ポリシーがないため、「消してよいのか分からないので、念のために取っておく」というユーザー心理も働き、組織内で複数の同一ファイルが保存されたり、数年間一度も閲覧されていないファイルが数え切れないほど保存され、データ量の増加を助長させている。
実際、NECが同社の顧客十数社の文書管理システムを調査したところ、保管されている文書のうち、約75%が半年以上参照されていなかったという。多くの場合、このデータの保持そのものが、「データ増加による管理・運用コストの増加」「不要ファイルが多すぎて、真に必要な情報を見付けにくい」「不要に保存しておくことによる情報漏えい」などのデメリットやリスクを生じさせている。
では、実際にどのようにして、情報を適切に「集め」、容易に「探す」ことができるようにし、そして適切に「捨てる」ためのポリシーを策定すればよいのか。この3点に注目し、それぞれに対して適切なツール群やソリューションを用意しているのが、「NEC Document Solution Center」だ。
これまで紹介した中で、情報を適切に管理しつつ、流通させるには特に「集める」「探す」「捨てる」の3点が重要だということが、理解して頂けただろう。
しかし、現実として企業が置かれている状況を考えると、それぞれ置かれている環境は大きく異なり、弱点も違う。多くのベンダ営業は、こういったユーザー企業の現状を調査して要望を聞き、「最適解は何か?」を考えて提案するが、現実にはこの問題を営業担当者だけでクリアするのはなかなか難しい。
そこでNECでは、この問題を解決するために情報管理分野の各ソリューションのプロを集めた全社横断的な組織「NEC Document Solution Center」を立ち上げ、情報を「集める」「探す」「捨てる」というこれらの課題に対し、それぞれのお客さまに最適な解決策を提示している。
例えば、“集める”際の課題となる「企業に散在するさまざまなデータをどう一元管理するか?」といった問題には、各種業務アプリケーションとの連携やWebコンテンツの一元管理ソリューションを提供。また、紙文書をスキャナで取り込み、画像データとして保管、検索・効率化させるソリューションもある。そのほか、レガシーシステムからの古い資産を生かすために、既存データ移行サービスも用意している。
では、“探す”際の課題である「企業内データをいかに組織横断的に検索するか?」という問題に対しては、どのような解決策があるのだろうか。
前述のように企業内のデータは増加しているうえに、部署間や権限の壁が存在する。そこでNECが提供するのが、企業内横断検索「InfoFrame Enterprise Search」だ。Webサイトや業務データベースなど各種の社内情報を横断的に検索できるうえに、権限に応じたセキュアな検索にも対応している。文書管理システムや業務システムと連結させることで、最適な担当者を探し出し、新着情報を検索時に表示することも可能だ。
NEC Document Solution Center センター長 米増豊氏 |
NEC自身も関係会社を含めた社員15万人を対象に、「InfoFrame Enterprise Search」を社内横断的な検索システム「探し隊」として導入している。この「探し隊」では、社内のさまざまなシステムやWebサイトに掲載されている情報の横断検索が可能。その際には、システムの閲覧権限情報と連携して自動的に権限を付与し、「閲覧範囲の明確化」と「権限のない者への開示制限」も行っているため、セキュリティも担保できているという。さらに社内の電子電話帳とナレッジシステムを連携した「Know Who検索」や、社内RSSを蓄積した「What's new検索」なども提供している。
その結果、「人づてで情報入手していたが、まず検索するようになった」や「仕事がやりやすくなった、提案の質向上に時間を使えるようになった」といった喜びの声が多く挙がっているという。NEC Document Solution Center センター長 米増豊氏は「このシステムのおかげで、ナレッジシステムの利用者が10%増えた。利用者数は1日6000人、検索回数は1日2万3000回にまで増えている。その結果、年間9000万円のコスト削減効果が見込める」と説明し、メリットの大きさに驚いたという。
情報を「集める」や「探す」と同様に、情報管理の重要な鍵を握る、“捨てる”際の課題について、米増氏は最も重要なポイントを「きちんとデータ削除ポリシーを設定すること」と説く。
重要ファイルと不要ファイルを区別するために、一定期間参照された回数を「活用度」、個人情報や機密などから判別する「重要度」、保管期間内か期限切れなのかを判断する「保管期限」という3種類の要素をパラメータとして設定。これらのパラメータから利用頻度を明確化し、不要ファイルの自動削除ルールを策定して運用するという。NECでは、そのポリシー策定や削除を手助けするツール「InfoFrame PROCENTER/C」も用意している。
米増氏は、「捨てるとなると、保守的になる企業も多いが、NEC社内での事例を紹介すると納得されるお客さまも多い。例えばNEC社内においても、開発部門ではメンテナンスが不要となった製品のソースコードや、部署内の個別フォルダなどに不要ファイルが多く、精査した後に削除している。また、営業部門では、提案書や見積書を何度も作り直すので複数バージョン存在していることが非常に多い。それらを削除しただけで、データ量を5分の1に削減できたケースもある」と説明し、捨てるメリットを強調した。
このように、NECはコンテンツの作成から破棄に至るライフサイクルをより高度な情報管理基盤ソリューションや、ユーザー企業各社の「集める」「捨てる」部分を無料で査定するサービス「ファイルサーバアセスメント」も提供している。これは、組織内データの「現状分析」「重複傾向」「活用傾向」「増加傾向」の4つを重点的に分析し、その企業における現在の課題を明確化するサービスだ。
米増氏は過去事例を例示し、ポイントとなるのが、「1つの課題に対応すると、『情報漏えい対策』『情報統制』『コスト削減』という3つの課題をまとめて解決できる点だ」という。
各課題に対して、NECが提供するソリューションの対応状況。これにより、「情報漏えい対策」「情報統制」「コスト削減」の3つも実現できるという(クリックで拡大) |
先述のNECが「探し隊」を導入した当初の目的は、コスト削減と情報漏えい対策だったが、この2点を強化したことで、社内システムにおける情報源を一元化でき、結果的に情報統制効果も見込めたというのだ。
そのほか、ある製造業者の場合には、情報統制目的のツール導入により、コスト削減と情報漏えい対策も実現できたとする。米増氏は、「『情報漏えい対策』『情報統制』『コスト削減』の3点は密接に関係しており、逆にどれか1つを切り離してそれだけに取り組むのは難しい。つまり、情報流通対策というのは、どれか1点に取り組めば、そのほかも自動的に行える“一石三鳥”を実現できる分野なのだ」と説明した。
このように、ドキュメント流通分野においては、「集める」「探す」「捨てる」の3点がポイントとなり、NECではそれに対応するソリューションを顧客視点で対応可能だ。情報爆発に悩み、コスト削減や情報漏えい対策、情報統制に課題を抱えている企業は、一石三鳥を目指してぜひ、参考にしてほしい。
また、多くのユーザー事例もWebサイトで公開している。具体的な事例を知りたい方はこちらも参照してほしい。
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提供:日本電気株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2010年1月31日
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