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@IT > SPSS Clementine 6.0が登場 |
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最近のECサイト運営企業では、アクセスログツールを使って購入履歴、サイト内の導線などのデータをかなりのコストと工数を割いて収集している例も多いようだ。だが、そのデータは果たして有効に生かされているだろうか?
本記事で紹介しているエス・ピー・エス・エス株式会社のClementineは、海外ではブリティッシュテレコム、国内ではソフマップなどをはじめとして、全世界で使われているデータマイニング・ツールだ。 このClementineの最新版が登場した。 一見して無意味ででたらめのように並ぶデータの山から、企業活動にとって意味のある有意義なデータを発掘するための強力なツールとなるはずだ。 ECサイトはもちろん、リアルな小売業や金融、通信や製造などの分野で、すでに抜群の実績を持つClementineの新バージョンということで、さまざまな分野からの注目を集めている。今回は、新たに登場した「Clementine
6.0」の新機能をレポートしよう。
Clementineの大きな特長が、マウス操作で高度なデータ分析ができるという点だ。顧客の年齢でソートして、その年齢層が何を買ったかを分類して、商品の種類を分析……といった一連の解析の流れをアイコンで指定するだけで分析が可能になる。このClementineの特長は新バージョンになっても受け継がれ、さらに進化している。 データマイニング・ソフトを使って分析結果を導き出すためには、操作が簡単だとはいえ、それなりの統計知識が必要だった。しかし、Clementine 6.0には「ソリューション・テンプレート・ライブラリー」と呼ばれる機能が新たに用意されている。 これは、例えばWebのアクセスログなどを解析する「ウェブマイニング」を実行する場合に、解析方法をあらかじめテンプレート化されたものから選ぶことで簡単にデータを分析できるというものだ。データから分析を導き出すまでのステップには日本語の説明が表示されるので、データマイニングを学習するうえでも役に立つ。このソリューション・テンプレートには、現在はウェブマイニング用と通信業者のCRM向けの2種類が用意されている。今後は、ニーズに合わせたテンプレートが提供されるという。 今回のバージョンから搭載された「ウェブマイニング・テンプレート」の操作性は、特筆すべきものだ。顧客がWebサイト上のどの部分にアクセスし、どんな商品を買い、そして次にどのページに移っていったのかというような顧客の動きを分析することも、簡単に行うことができる。これまでアクセスログツールで単純にサイト訪問者のデータを集計していたのに比べて、Clementine 6.0のウェブマイニング・テンプレートははるかに強力かつ簡単なのは明白だろう。単なるデータ集計ではない、サイト訪問者の実像を浮き彫りにし、ユーザー個別に対する積極的な戦略を作ることができるのだ。
今回のバージョンアップの核となるのが、統計アルゴリズムの大幅な拡充だ。AnswerTree C&RT、因子/主成分分析、線形回帰、ロジスティック回帰などの統計アルゴリズムが追加された。そのアルゴリズム部分にフォーカスしてみよう。 ■ロジスティック回帰: ■AnswerTree C&RT: とりわけ顧客の動きを分析できるという点で、この2つの統計アルゴリズムがサポートされたのは、意義深い。顧客データベースをすでに構築しており、データを蓄積しているのであれば、すぐにでもこのような高度な予測モデルを使ったマーケティングが可能になる。こうした高度な統計アルゴリズムが、優れた操作性により、特別の訓練なしに利用できる点こそ、Clementine
6.0の威力なのだといえる。
分析データをさまざまな形式にして出力するのが、「ソリューションパブリッシャー」という機能だ。これは、データ分析手法をClementine 6.0でスクリプト化したファイルを生成し、実行ファイル(Clementime Runtime)でその分析プロセスを実行する。収集したデータをそのスクリプトを通じて分析して、これを自由に各種形式でエクスポートするというもの。出力されたデータは、データベースに渡されてダイナミックに利用することができる。 例えば、Web上でアンケートを取ってデータを収集・分析し、分析結果から得られた場合、これを利用してもっと効果的にパーソナライズされたページを、サイト訪問者側に提示できるのだ。One to OneマーケティングによるWebサイトを、より高度な分析手法を用いたうえで構築することが可能になるはずだ。 アクティブに顧客の心理をそそるリコメンデーションが可能になるWebサイトやサイトへの訪問者ごとに、最も最適化されたユーザビリティを持つマイページなど、これからのWebサイト構築には必須の機能だといえる。 また、Clementine 6.0は非常にオープンなアーキテクチャになっているのも特長だ。新バージョンの機能では、SASのデータをインポート&エクスポートする機能がサポートされた。既存のSASデータをClementine 6.0で分析して、その分析結果のデータをSASシステムに対してエクスポートするという使い方もできるようになった。 SASシステムユーザーも、既存の資産を生かして、データマイニング・ツールClementine 6.0を導入できるのだ。
このようなさまざまな新機能を備えたClementine 6.0。顧客との新しい関係を築くことこそが、新しい利益を生み出すということが明白になっているこの時代には必須のツールではないだろうか。 データ収集技術の高度化と簡易化に伴い、企業が収集できるデータは莫大なものとなっている。そして、顧客の声をキャッチできるサービスやプロダクトでなければ売れない時代。この2つの状況を"分析"すれば、大量のデータから顧客の姿を分析できるデータマイニングツールが必要なのだという結論が出るはずだ。 そんな時代に登場したClementine 6.0は、新たなビジネスの鉱脈を発掘するための強力な探知機になってくれるだろう。
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