Symantec Enterprise Vault 8.0 効率的なストレージ利用を実現し、 コスト削減に絶大な効果 優れた実績を誇るアーカイブ製品がさらに進化 |
シマンテックのEnterprise Vaultは、電子メールやファイルサーバ上のファイルなど、さまざまな非定型データを効率的に格納する、ソフトウェアベースのアーカイブプラットフォームだ。特定のストレージベンダの製品に限定されず、既存資産を含めた幅広いストレージシステムを効率的に活用できるだけでなく、情報の有効活用も推進する。新バージョンではその機能がいっそう強化された。 |
証拠保全だけではない ストレージ使用効率を高めるアーカイブの役割 |
「Symantec Enterprise Vault」は、非構造化データを対象としたアーカイブプラットフォームだ。アーカイブとはすなわち、データを効率的に保管することであり、さまざまな先進的な技術を駆使してストレージ容量を削減しつつ、ユーザーには使いやすいデータアクセスを提供する。
電子メールに関しては、送受信されるメールデータの完全な記録を残し、必要に応じて後からさまざまな条件で抽出できる。このためコンプライアンスの観点から、電子メールを公的な証拠として役立てるためのソリューションとしてEnterprise Vaultに注目が集まったこともある。このように証拠保全のためにも利用可能なのはもちろんだが、Enterprise Vaultの機能はそれ以上に、日々のITシステム運用に関して直接的なメリットをもたらす。
アーカイブの考え方の基本は、階層化ストレージシステムを自動的に実現/運用する点にある。ストレージハードウェアは、データ転送速度が高速なものほど価格は高く、かつ消費電力も大きくなる傾向がある。更新が頻繁に発生する業務アプリケーションのデータベースなどはこうした高速なストレージに置く必要があるが、アクセス頻度が低下してきたデータや、保存用でときどき参照されるだけのデータまで置くのは非効率だ。
Enterprise Vaultは、データの特性に応じたストレージデバイスへの再配置を行う。同時に、ユーザーに対しては移動前と同じアクセスを可能にするなど、ユーザーの使用感を損なわない形でストレージ利用の効率化を実現する。
マルチレベルの重複排除で ストレージ使用効率を大幅向上 |
単に高価で高速なストレージから安価なストレージにデータを移動するだけなら、インテリジェントなコピーツールといった趣だ。だがEnterprise Vaultはアーカイブプラットフォームであり、単なる移動だけにとどまらないさまざまな効率化手法を実装している。
最新バージョンとなるEnterprise Vault 8.0では、新たに「Optimized Single Instance Storage」(OSIS)という考え方が導入された。
Enterprise Vaultではさまざまな形式の非構造化データのアーカイブに対応し、4種類のアーカイブ形式をサポートしている。電子メールを時系列に沿って完全保存することを意図した「ジャーナルアーカイブ」、個々のユーザーごとのメールボックス運用管理を容易にする「メールボックスアーカイブ」、一般ファイルのアーカイブである「ファイルシステムアーカイブ」、Microsoft SharePoint Server向けの「SharePointアーカイブ」の4種である。従来、この4種のアーカイブはそれぞれ独立して扱われ、効率化手法もそれぞれ個別に適用されていた。しかし、8.0で導入されたOSISでは、この4種のアーカイブを横断的に扱うことが可能になり、効率化がさらに有効に働くようになっている。
例えば、アーカイブの際にストレージ容量を削減する手法の1つに「重複排除」がある。Enterprise Vault 8.0では、電子メールおよび添付ファイルなどの「アイテムレベル」の共有による重複排除を提供する。さらにストレージが提供するブロックレベルの重複排除と組み合わせて使用することにより、さらに効果的なストレージ運用が可能になる。
一例を挙げると、同報メールに添付ファイルが伴っていた場合、従来なら受信者全員のメールボックスに同一の添付ファイルがコピーされていた。だがアイテムレベルの重複排除により、電子メールおよび添付ファイルの実体を1つだけ保存しておき、各ユーザーがこのファイルを参照する、という形でアーカイブすれば、大幅にストレージ容量を削減できる。こうした重複排除の手法は、対象となるデータ量が多い方が有効に働く。従来のEnterprise Vaultでは、アーカイブの種類ごとに重複排除を実行していたが、8.0ではOSISを活用してすべてのアーカイブを横断的に扱い、より大きなデータセットの中から重複データを見つけ出すようになった。
もちろん、実際の容量削減効果はデータの内容によっても異なるので一概にはいえないが、OSISで横断的に重複排除を実行することに伴うマイナス要素はほとんどないため、多くのユーザーで容量削減効果の向上が実感できるだろう。OSISパフォーマンスを表示するEVレポート機能では、本来のデータ容量に対して、重複排除機能によってどの程度の容量を削減できたかを視覚的に確認することも可能だ(画面1)。シマンテックの実験では、75GBのデータを重複排除を使ってアーカイブしたところ、約3分の1の25GB程度のストレージで済んだという例もある。
画面1 EVレポート機能では、OSISによってどの程度データ容量を節約できたか把握できる(クリックすると拡大します) |
かゆいところに手の届く エンドユーザー向けにもさまざまな改善 |
アーカイブに移動したデータは、従来の場所にリンクを残し、実体は別のストレージに移動される。メールボックスの場合、アーカイブされた後でユーザーがメールの整理を行い、フォルダを作ってメールを分類したりしても、ユーザーが実際に移動するのはリンクだけで、アーカイブ先のデータの実体は移動されなかった。8.0では「動的ショートカット」を実現し、アーカイブデータが常に手元のメールクライアント上の表示と同一の構造を維持するように改良されている。
また、アーカイブにはファイルシステムやSharePointといったメール以外のデータも含めることができるが、これらのデータの検索もメールクライアントであるOutlookから統合的に実行できるようになるなど、アーカイブデータのユーザーレベルでの情報活用もさらに進化している。
画面2 Outlookから統合的に検索を行えるAdvanced Search。ファイル(左)に加えメール(右)の検索が可能だ(クリックすると拡大します) |
同時に、管理者の負荷を軽減し、管理性を高める機能も追加された。その1つが「Getting Startedコンフィギュレーションウィザード」だ。インストール時に手動で指定する必要があったさまざまな設定作業を、ウィザードによって数ステップで完了できる。これによりインストール時間を短縮し、いっそう手軽にEnterprise Vaultを導入できるようになる。またパーティションやアーカイブの管理など、日々使うことになる機能を1つのダッシュボード上にまとめた「共通タスクダッシュボード」も、運用管理を支援してくれる。
管理者にとって、増大し続けるデータ容量への対応は頭の痛い問題だ。Enterprise Vaultのようなアーカイブソリューションの導入によって、データ保存のためのストレージ容量を削減し、同時にこれまで以上にデータ活用が容易になれば、その効果は極めて大きなものになる。
従来はやや高度な知識を要したインストール作業も簡略化されており、この点でも導入障壁が下がっている。社内に死蔵されたデータを有用な情報として有効活用するためにも、Enterprise Vaultのようなアーカイブソリューションの導入を検討してみるとよいのではないだろうか。
提供:株式会社シマンテック
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年2月15日
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