コネクティッドカー黎明期からテレマティクスサービスを支えるトヨタコネクティッドマンの誇り可能性が1%でも、やり遂げる

モビリティカンパニーへの変革を宣言したトヨタの中核を、“つながる技術”で支え続けるトヨタコネクティッド。異色の経歴を持つエンジニアたちは、なぜこの場所で新たなキャリアを選び、飛躍できたのか。

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» 2025年10月09日 10時00分 公開
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 トヨタ自動車は2019年に、“モビリティカンパニー”への変革を高らかに宣言した。中核となるのは、クルマの基本性能である「走る、曲がる、止まる」に「つながる」を追加したコネクティッドカーだ。21世紀初頭から、四半世紀にわたってテレマティクスサービスのプラットフォーマーとして、トヨタコネクティッドはコネクティッドカーの実現を一貫して支えてきた。

 同社のエンジニアたちに話を伺うインタビューシリーズ。今回は、テレマティクス事業をけん引する2人に、仕事の魅力や、激動の時代にコネクティッド分野に携わる意義を伺った。

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テレマティクスサービスに可能性を感じ、業務委託から正社員に

 コネクティッド分野の戦略事業会社として、コネクティッドカーに欠かせないテレマティクスサービスとその基盤を開発、提供するトヨタコネクティッド。同社の原点が、2002年にサービスを開始した「G-Book」だ。当時のサービス内容は、独自開発のDCM(車載通信モジュール)を搭載した国内のトヨタ車に、インターネットを介してカーナビ情報を更新するというシンプルなものだった。

 その後G-Bookはサービスと提供エリア(国)の拡充を続け、2005年には国内の「LEXUS」ブランド向けに上位サービス「G-Link」を追加するなど順調な立ち上がりを見せた。サービス黎明(れいめい)期の2007年からトヨタコネクティッドのテレマティクス開発に関わっていたのが、テレマティクス開発部で室長を務める榎本健志氏だ。

榎本氏 テレマティクス開発部 室長 榎本健志氏

 榎本氏は組み込み系SIer(システムインテグレーター)でエンジニア人生をスタート。20代後半に独立してからはフリーランスのエンジニアと会社経営の2トラックを約10年間続けた異色の経歴を持つ。2007年時点は業務委託スタッフとして初期のG-Bookの開発に携わる中、同氏はテレマティクスに大きな可能性や将来性を感じ、最終的にフリーランスからトヨタコネクティッドの正社員に転じた。

 その理由について、榎本氏はこう語る。「テレマティクスサービスに長らく携わる中で、こうしたらもっと良くなるのに……と思うことが出てきましたが、正社員と業務委託ではできることのレベルや範囲が違います。業務委託から脱却し、対等な立場で一緒にテレマティクスサービスを良くしていきたいという思いが募り、2016年2月に正社員になりました」

 現職のテレマティクス開発部は、「T-Connect」(旧G-Book)やG-Linkといったテレマティクスサービスをグローバルで提供するための基盤構築を担う部署だ。車両データや顧客情報、契約情報などのデータをクラウドで運用管理するシステムの開発に当たっており、これらのデータを基に「ヘルプネット」(緊急車両手配)をはじめとするさまざまなサービスを提供している。

 トヨタ自動車が「全ての新型車でテレマティクスサービスを標準提供する」と宣言した2018年、榎本氏は社内で「19世代」と呼ばれるT-Connect2019年版の立ち上げをGM(グループマネージャー)として担当。2025年4月から室長の役職に就く。

パートナーメンバーから正社員へ、突破力が認められアジャイル開発チームのリーダーへ

 2020年4月にトヨタコネクティッドに入社し、榎本氏と同じくテレマティクス開発部に在籍する管偉臣(かん いしん)氏の経歴も異色だ。

 中国湖南省の出身で、大学卒業後は上海で2年ほど働いたのち、日本でSIerに就職。電気系や金融系のシステム開発などさまざまな分野でSEとしてのキャリアを積む中、2018年にトヨタコネクティッドで19世代T-Connectの開発プロジェクトに携わることになる。

 T-Connectは、コネクティッドカー向けICT基盤「トヨタスマートセンター」と常時通信することで成り立つサービスだ。DCMのECU(電子制御ユニット)が発する信号を受け取って処理するトヨタスマートセンターについて、管氏は各国の法規制対応や、現地システム仕様の差異を吸収するためのモジュール開発などを担当。プロジェクトがきっかけとなり、2020年4月に正社員としてトヨタコネクティッドへ入社した。

 「プロジェクトを進めるうちに、このシステムは誰のために、どういう目的で作っているのだろう……と純粋な興味が湧いてきました。答えを求めていろいろな方からお話を聞く過程で、トヨタコネクティッドに正社員として所属するという話が持ち上がり、入社することになりました」(管氏)

管氏 テレマティクス開発部 GM 管偉臣氏

 入社後は、カーナビなどのマルチメディア機器を対象とするMM(マルチメディア)基盤グループ配属となり、海外のトヨタスマートセンターにおけるMM基盤の品質保証評価を担当。2021年10月からは、新たな試みとして立ち上がったトヨタスマートセンターMM基盤のアジャイル開発チームにリーダーとして参加することとなった。この時期にトヨタコネクティッドは、開発内製化の方針を打ち出していた。しかし当時の社内ではアジャイル開発の概念や進め方についてある程度の理解は進んでいたものの、実績はほぼなかった。

 「前職でトヨタ自動車主導のアジャイル開発プロジェクトで働いた経験がありました。新しいことに挑戦するのが好きな性格もあって、リーダーを引き受けてくれないかという相談を受けたときは二つ返事でお応えしました」(管氏)

 アジャイル開発に関しては先行経験のある海外のトヨタコネクティッドと連携しつつ、トヨタ自動車やシステム開発ベンダーのメンバーとの交流を重ね、“ワンチーム”を合言葉にアジャイル開発チームを成功に導いた管氏。その後は24世代のトヨタスマートセンターMM基盤の立ち上げを筆頭に重要な任務をこなし続け、2025年3月にGMとなった。

日本を代表するキーパーソンとダイレクトにコミュニケーションできる

 フリーランスから転身した榎本氏と、SEのパートナーメンバーから転じた管氏。外部パートナーから“中の人”へと立場を変えたのには、それぞれの理由があった。トヨタコネクティッドが人を引き付ける魅力は、一体どんなところにあるのだろうか。

 トヨタコネクティッドのテレマティクスに18年以上関わり、その歴史とともに歩んできた榎本氏は、変革期にある自動車業界のダイナミクスと、それに呼応するテレマティクス開発のやりがいを真っ先に挙げた。

 自動車業界は100年に1回と言われる変革期にあり、エンジン(内燃機関)を搭載しないBEV(電気自動車)が増えつつある。消費者の行動も、クルマの所有から利用へ移行し、特に都市部ではレンタカーやカーシェアの利用者が増えている。こうした変化に合わせ、テレマティクスサービスに対する期待と重要性は高まり続けている。

 スマートフォンやクラウドサービスといった新しいテクノロジーが普及したことで、エンジニアにとって「できること」は一気に広がった。かつて5年10年かけてハードウェアを開発しなければ実現できなかったようなアイデアが、ソフトウェアベースで1〜2年で実現できるようになった、と榎本氏は語る。「お客さまのニーズに即応できるという点で、いまはエンジニアにとって大変やりがいがある状況です」

 管氏は、最新技術を積極的に取り込んでいく先進性をトヨタコネクティッドの魅力として挙げる。「オンプレミスITが圧倒的主流でクラウドインフラはマイナーだった2018年ごろに、トヨタコネクティッドはパブリッククラウドを利用していました。ウオーターフォール開発が当たり前だった時期にアジャイル開発をいち早く取り入れていたのも印象に残っています。最近トレンドのAI(人工知能)技術も、トヨタコネクティッドは日本でいち早くOpenAIとエンタープライズ契約を交わしました。先進技術に興味のあるエンジニアにとって、理想的な環境だと思います」

 榎本氏はトヨタコネクティッドの魅力として、トヨタ自動車およびトヨタグループを支える企業とのダイレクトなコミュニケーションも挙げる。「より良いコネクティッドカーを世に送り出したい、という共通の目標があり、その活動の中心にトヨタコネクティッドがいて、各社のキーパーソンと真剣にやりとりできるのは本当に貴重な体験です。私自身より深く仕組みを理解して開発を進められました」

1%の可能性を信じるのがトヨタコネクティッド

 コネクティッド戦略で世界の自動車業界を大きく変えたトヨタグループ。戦略の肝であるテレマティクスサービスを支えるトヨタコネクティッドには、乗り越えなければならないハードルがある。2021年以降に急ピッチで進める開発の内製化だ。

 榎本氏が担当するバックオフィス系システムの場合、開発は長らく外部ベンダーに依存しており、トヨタコネクティッドはPM(プロジェクトマネージャー)的な役割にとどまっていた。各システムの要所をつかさどるキーパーソンの動向によっては開発が立ちゆかなくなる可能性があるため、まずはここをプロパーで固めていきたい、と同社は考えている。さらに、二塁手と三塁手の間を埋める遊撃手的な役割として、内製開発できるエンジニアを増強してチームとして育てる。この2軸で内製化の体制強化を進めているという。

 激動の時期だからこそ「大きな壁にぶつかっても決して諦めず、可能性が1%でもあれば臆せず声を上げてくれる人と一緒に働きたい」と榎本氏は語る。「その案が最適なのであれば、実現可能性が1%であっても、あらゆる手を尽くして実現を目指せる人たちがそろっているのが、トヨタコネクティッドです」

TOYOTA connectedの「T」と「C」

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提供:トヨタコネクティッド株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2025年12月8日