すべての基礎、マスター・ゾーンサーバの設定:実用 BIND 9で作るDNSサーバ(2)(1/3 ページ)
今回は、マスター・ゾーンサーバとキャッシュサーバの機能を1つのnamedで実現してみよう。シンプルな構成だが、BINDの基本をマスターするにはちょうどいいだろう。(編集局)
第1回では、BIND 9のインストールまでを解説しました。今回は、BINDを動かすための基本的な設定について解説します。複雑な構成や大規模な運用環境でも今回の内容がベースになります。基本をしっかり身に付けておきましょう。
BIND自体の基本設定
BINDのインストールが完了したら、次は設定ファイルの準備です。第1回で説明したように、DNSには3つの働きがあります。ここでは以下のような規模のネットワークを想定し、ローカルネットワーク内だけのマスター・ゾーンサーバとキャッシュサーバを1つのnamedで立ち上げるように設定します。
設定の準備
BIND 9専用ユーザー/グループとしてnamedを作成します。BINDに限らず、スタンドアロンサービスをrootユーザーで起動することの危険性はご承知のことと思います。専用ユーザーを使用することで操作が数ステップ増えますが、安全性には代えられません。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
このほか、BIND 9のために必要なファイルは次のようになります(注)。
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named.confファイル
named.confファイルは、「{};」でくくられたセンテンスが1つのブロックとなり、センテンスの前の修飾子に関する設定を記述します。「/* */」 で囲まれた部分と「#」や「//」から行末まではコメントとして扱われます。
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(1) アクセス制御用センテンス。宣言名「example-net」は適当に変更可能
(2) プライベートネットワーク内からのみアクセスを許可
(3) 自分自身からの問い合わせを許可
(4) 動作全般を制御するセンテンス
(5) 下のzoneセンテンス中に出てくる設定ファイルの位置やnamedデーモンのワークディレクトリを指定
(6) PIDファイルの指定。詳細は後述
(7) キャッシュサーバとしての設定
(8) BIND 8以降では「キャッシュ」ではなく「ヒント」と呼ばれる
(9) キャッシュサーバとして動作するためのルートサーバが記述されたファイルを指定
(10) ここからはマスター・ゾーンサーバとして動作させるためのzoneセンテンスになる。「zone "ゾーン名" {};」で記述する
(11) ループバックアドレス正引き用
(12) マスターサーバの場合に指定
(13) localhostに対する正引き設定ファイル名。optionsセンテンス中のdirectoryで指定したディレクトリからの相対パス
(14) ループバックアドレス逆引き用
(15) 127.0.0.1アドレスに対する逆引き用設定ファイル名の指定
(16) example.jpドメインのためのzoneセンテンス
(17) example.jpドメインに対する正引き設定ファイル名の指定
(18) 192.168.0.0/24アドレス逆引き用
(19) 逆引き用設定ファイルの指定
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