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AES(Advanced Encryption Standard)とは

AES(Advanced Encryption Standard)とは、共通鍵ブロック暗号の1つであり、米国標準技術局(NIST)が主導して仕様の公募を行い、選出した経緯を持つ。従って、これは実質的に世界標準の暗号ともいえる。

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 AES(Advanced Encryption Standard)とは、共通鍵ブロック暗号の1つであり、米国標準技術局(NIST)が主導して仕様の公募を行い、選出した経緯を持つ。従って、これは実質的に世界標準の暗号ともいえる。なお、選出当時の名前は「Rijndael(ラインダール)」だった。

 AESの暗号鍵は、128/192/256bitのいずれかの長さであり、ブロック長は128bitである。

 AESが策定されるより前は、米国の政府標準暗号としてDES(Data Encryption Standard)が採用されていた。しかし、コンピュータが持つ計算能力が向上したことや暗号解読技術が進歩したことなどからDESの安全性が低下したため、より高い安全性を持つ暗号に置き換える目的で公募、選考された。

 2017年時点で、パラメーター省略や特殊な条件などの制約がない一般的なAESを解読する方法は存在しない。

 AESは、米国政府のみならず金融機関などにおいても、TLS(Transport Layer Security)などHTTPの暗号化をはじめとした、さまざまな箇所で高い安全性を確保するために導入されており、今後も標準的な暗号としての利用が期待される。日本の暗号技術評価プロジェクトCRYPTRECの推奨暗号リストでは128bitのブロック、暗号鍵を持つ守秘用途の標準暗号として鍵長128bitのAESが記載されている。

関連用語

共通鍵暗号方式
DES(Data Encryption Standard)

■更新履歴

【2004/1/1】初版公開。

【2017/10/2】最新情報に合わせて内容を書き直しました(セキュリティ・キャンプ実施協議会 著)。


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