障害発生! 問題切り分けはスピード勝負:Oracleパフォーマンス障害の克服(1)(1/3 ページ)
Oracleデータベースの運用管理者は、突発的に直面するパフォーマンス障害にどうやって対処したらよいか。本連載は、非常に複雑なOracleのアーキテクチャに頭を悩ます管理者に向け、短時間で問題を切り分け、対処法を見つけるノウハウを紹介する。対象とするバージョンはOracle8から9iまでを基本とし、10gの情報は随時加えていく。(編集局)
はじめに
本連載では、Oracleデータベースのパフォーマンス障害を克服するための方法を解説します。データベース管理者は基本知識として、どのようなシステム構成でどのように処理が行われているかなど、Oracleデータベースのアーキテクチャを深く理解しておくことが求められます。しかし、実際にパフォーマンス障害が発生したときに、アプリケーション開発者や管理者が本当に知りたいことは、Oracleがどのように動いているかということよりも、問題の具体的な原因ではないでしょうか。
本来、Oracleのアーキテクチャを理解してデータベースの運用管理やアプリケーション開発をするべきなのですが、Oracleのすべてを理解するのは容易ではありません。それよりも、できるだけ問題発生以降の時間を最短(最適)することが、エンドユーザー、サービス提供者、開発者、管理者など関係者すべての希望でしょう。本連載ではOracleのアーキテクチャの詳細を解説することよりも、データベースにかかわるエンジニアが障害を乗り超えるために必要な作業に焦点を絞って解説していきます。
ここで取り上げる実行例は、開発者によるアプリケーションシステムの質の向上、データベース導入時のパフォーマンスチューニング、データベースシステムの保守・運用フェイズにおいての障害予防にも役に立つ内容です。筆者は本連載で紹介していく実行例で、開発時のアプリケーション検証や障害切り分けを何度も行ってきました。すべてのOracleユーザーに有効な情報ですので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
本連載の中では、OracleデータベースサーバはOracle9i(9.2.1)、OSはWindows 2000での検証環境を用意しました。Oracleの設定内容などはWindows版/Linux版/Solaris版などOSやバージョンで多少の違いはありますので、それらについては必要に応じて記載していきます。また実行例では、OracleEnterprise Managerやサードパーティのツールを使用せず、SQL*Plusを使用した単純なSQL文での作業を前提としています。SQL*Plusの詳細には触れませんので、基本操作は書籍などで勉強しておくことをお勧めします。また、ここで取り上げる障害の原因がOracleデータベースであるという切り分けは、事前に行われていることを想定しています。
では、次ページで具体的な問題切り分けの手順を紹介していきましょう。(次ページへ続く)
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