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日付データ演算の達人技を伝授する 【第2話】SQLクリニック(3)(1/3 ページ)

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 本連載はSQLの応用力を身に付けたいエンジニア向けに、さまざまなテクニックを紹介する。SQLの基本構文は平易なものだが、実務で活用するには教科書的な記述を理解するだけでは不十分だ。本連載は、著名なメールマガジン「おら!オラ! Oracle - どっぷり検証生活」を発行するインサイトテクノロジーのコンサルタントを執筆陣に迎え、SQLのセンス向上に役立つ大技小技を紹介していく。(編集局)

 花粉の攻撃をくぐり抜け、箱根へのツーリングも快適な今日このごろです。前回に引き続き今回も日付データについてのお話です。今回は特にデータ型を掘り下げていきましょう。

DATE型とTIMESTAMP型

 日付を格納するデータ型としては、従来のDATE型に加えて、Oracle9iからTIMESTAMP型が使用できるようになりました。TIMESTAMP型とDATE型の大きな違いは、その精度です。

DATE型 最小単位=1秒
TIMESTAMP型 最小単位=10億分の1秒(10の−9乗秒)
「10億分の1秒」単位で管理する必要があるのはどんなデータでしょうか。科学技術関連や、工業実験などのデータ? あるいは自動車レースのデータ? あまり具体的にイメージできないのですが、とにかく精度が上がっています。レスポンス統計を取るのに便利という記述を見掛けましたが、実際にはどんなデータが入るのか見てみたいです。

 データの型が異なるわけですから、そのサイズも異なります。物理設計の際には注意してください。

データ型 データサイズ
DATE 7bytes
TIMESTAMP([0-9]) 7〜11bytes
表1 TIMESTAMP型とDATE型のデータサイズ

 さらに、TIMESTAMP型のデータはタイムゾーンの情報を持つことができます。この型で定義した列もサイズが変わりますので注意してください。

データ型 データサイズ
TIMESTAMP([0-9]) WITH TIME ZONE 13bytes
TIMESTAMP([0-9]) WITH LOCAL TIME ZONE 7〜11bytes
表2 タイムゾーン付きTIMESTAMP型のデータサイズ

 日時データを取得する関数の中には、TIMESTAMP型のデータを取得するための関数もあります。それぞれ下記に示したデータ型の値を返します。

関数 データ型
SYSDATE DATE
SYSTIMESTAMP TIMESTAMP WITH TIME ZONE
CURRENT_DATE DATE
CURRENT_TIMESTAMP TIMESTAMP WITH TIME ZONE
LOCALTIMESTAMP TIMESTAMP
表3 日時データを取得する関数とデータ型

 つまりDATE型の関数で取得したデータはDATE型(注1)の列へ、TIMESTAMP型の関数で取得したデータはTIMESTAMP型(注2)の列へ格納するといった感じの使い方になります。

(注1)DATE型のデータをTIMESTAMP型の列に格納しても問題ありません。この場合は、1秒未満のデータはセットされません。反対にTIMESTAMP型のデータをDATE型の列に格納することもできます。もちろん、1秒未満の情報は削除されます。
(注2)タイムゾーン情報の有無によりTIMESTAMP WITH (LOCAL) TIME

ZONE型を使用する場合もあります。


 せっかくなので上記の関数について、簡単に解説しておきます。上記の関数は下記のように大きく2つに分けることができます。

  • システム日時

  SYSDATE
  SYSTIMESTAMP

  • セッション日時

  CURRENT_DATE
  CURRENT_TIMESTAMP
  LOCALTIMESTAMP

 システム日時に分類した関数では、OSの日時を取得することができます。つまり、普通はそのサーバが設置されている場所の時刻です。一方セッション日時に分類した関数では、そのセッションのタイムゾーンに変換された日時を取得することができます。このあたりのお話は次回を楽しみにしてください。(次ページへ続く)

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