本連載はSQLの応用力を身に付けたいエンジニア向けに、さまざまなテクニックを紹介する。SQLの基本構文は平易なものだが、実務で活用するには教科書的な記述を理解するだけでは不十分だ。本連載は、著名なメールマガジン「おら!オラ! Oracle - どっぷり検証生活」を発行するインサイトテクノロジーのコンサルタントを執筆陣に迎え、SQLのセンス向上に役立つ大技小技を紹介していく。(編集局)
花粉の攻撃をくぐり抜け、箱根へのツーリングも快適な今日このごろです。前回に引き続き今回も日付データについてのお話です。今回は特にデータ型を掘り下げていきましょう。
DATE型とTIMESTAMP型
日付を格納するデータ型としては、従来のDATE型に加えて、Oracle9iからTIMESTAMP型が使用できるようになりました。TIMESTAMP型とDATE型の大きな違いは、その精度です。
DATE型 | 最小単位=1秒 |
---|---|
TIMESTAMP型 | 最小単位=10億分の1秒(10の−9乗秒) |
データの型が異なるわけですから、そのサイズも異なります。物理設計の際には注意してください。
データ型 | データサイズ |
---|---|
DATE | 7bytes |
TIMESTAMP([0-9]) | 7〜11bytes |
表1 TIMESTAMP型とDATE型のデータサイズ |
さらに、TIMESTAMP型のデータはタイムゾーンの情報を持つことができます。この型で定義した列もサイズが変わりますので注意してください。
データ型 | データサイズ |
---|---|
TIMESTAMP([0-9]) WITH TIME ZONE | 13bytes |
TIMESTAMP([0-9]) WITH LOCAL TIME ZONE | 7〜11bytes |
表2 タイムゾーン付きTIMESTAMP型のデータサイズ |
日時データを取得する関数の中には、TIMESTAMP型のデータを取得するための関数もあります。それぞれ下記に示したデータ型の値を返します。
関数 | データ型 |
---|---|
SYSDATE | DATE |
SYSTIMESTAMP | TIMESTAMP WITH TIME ZONE |
CURRENT_DATE | DATE |
CURRENT_TIMESTAMP | TIMESTAMP WITH TIME ZONE |
LOCALTIMESTAMP | TIMESTAMP |
表3 日時データを取得する関数とデータ型 |
つまりDATE型の関数で取得したデータはDATE型(注1)の列へ、TIMESTAMP型の関数で取得したデータはTIMESTAMP型(注2)の列へ格納するといった感じの使い方になります。
(注2)タイムゾーン情報の有無によりTIMESTAMP WITH (LOCAL) TIME
ZONE型を使用する場合もあります。
せっかくなので上記の関数について、簡単に解説しておきます。上記の関数は下記のように大きく2つに分けることができます。
- システム日時
SYSDATE
SYSTIMESTAMP
- セッション日時
CURRENT_DATE
CURRENT_TIMESTAMP
LOCALTIMESTAMP
システム日時に分類した関数では、OSの日時を取得することができます。つまり、普通はそのサーバが設置されている場所の時刻です。一方セッション日時に分類した関数では、そのセッションのタイムゾーンに変換された日時を取得することができます。このあたりのお話は次回を楽しみにしてください。(次ページへ続く)
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