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では、Javaをどうやって覚える?いまからでも遅くないJava(3)(2/2 ページ)

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モデリングが重視される

 オブジェクト指向とJavaプログラミングの関係を見てきました。オブジェクト指向にのっとって開発対象のオブジェクトを分析する作業から始まる点で、Javaの開発は従来のプログラミング言語とは違うということがうかがえたのではないでしょうか。

 実際の開発工程においても、やはり分析(モデリング)が重視されます。

 開発対象を十分に分析して、全体の中からいくつもの細分化したオブジェクトを見いだす。そしてそれらのオブジェクトを抽象化してクラスを設計する。この作業に時間をかけることに意味があるのです。「オブジェクト指向のメリット」として説明してきたことを踏まえれば、きっとうなずけるはずです。

 オブジェクト指向開発では「開発対象のオブジェクトをモデリングする」分析フェイズが最も重要とされ、モデリング主導で実装への落とし込みからライフサイクル管理までを行うMDA(Model Driven Architecture:モデル駆動アーキテクチャ)などの概念も開発者の間では広く認知されています。UMLのような統一された表記法も、こういったトレンドを背景にして考え出されたアーキテクチャです。

 モデリングがしっかりしていればコーディングは単純化し、作業時間自体が短くなります。これが理想形です。

Javaは開発の手段

 こう考えると、プログラミング言語Javaの位置付けは「オブジェクト指向開発の実装手段」ということになります。

 英語が世界中でコミュニケーション手段として利用されるように、Java言語も、効率よくシステムを具現化するためのコンピュータとのコミュニケーション手段なのです。

Javaの学習方法

 Java言語は、コンピュータとのコミュニケーション手段です。

 「言語」というくらいですから文法もあります。最終目的は流ちょうに話せるようになることです。英語でも文法を学習した後は話す訓練を積み重ねる必要がありますが、Java言語もしかりです。

とにかく書いて覚える

 例えば、日本で3年間英文法をみっちり学習した人よりも、単身渡米をして1年間現地で生活をしてきた人の方が、当然会話能力が高いと思います。プログラミング言語の習得も同じで、実用性の高いコーディング演習をより多くこなした人の方が自在にプログラミングができるはずです。

JVMとのコミュニケーションに慣れる

 まずは書いて実行してみてください。学習中の人の中には、コンパイルエラーを恐れてなかなか実行できず、コードをじっと眺めているだけで演習が進まない人も多いようです。「エラー」という言葉にマイナスの印象を持たずに、「コンピュータが何か話し掛けてきている」というようにとらえてみてください。

 Javaであれば、相手にするのは実行環境のJVMです。エラーを恐れず、どんどんJVMに「話し掛ける」ように心掛けてみましょう。

Java学習の重要項目

 Javaはオブジェクト指向にマッチしたアーキテクチャだと説明しました。本稿では紹介できなかった文法事項の中にも、「ポリモーフィズム」「カプセル化」「継承」など、Javaを用いてオブジェクト指向を表現するための必須項目がたくさんあります。

 また、Javaにはすでに実装されたクラスライブラリがあります。J2SEの実行環境下では特別な設定も必要なく、UI(ユーザーインターフェイス)作成やデータベース接続などの比較的実用性のあるアプリケーション開発を手軽に行うことが可能です。

 これらのクラスライブラリに関しては、JDK 5.0 ドキュメントから参照することができます。

 クラスライブラリを使いこなすことも、Javaプログラマの必須スキルです。オブジェクト指向の基礎とともに、制御構文などの言語仕様上の約束事もしっかり押さえてJavaをマスターしてください。

Java言語の認定資格、SJC-P

 Javaプログラミングの能力を測る最適な方法として、Sun MicrosystemsのJavaプログラマ認定資格「Sun Certified Programmer for Java 2 Platform(SJC-P)」をお勧めします。Java開発における必須スキルを網羅した、Javaプログラマの登竜門的な資格です。

 自分のプログラミング能力を測定し、「認定プログラマ」となることによって確固たる自信を付けることができます。詳細はSun認定 Javaプログラマ 試験概要のページで確認できます。

 SJC-Pの取得を目指すことは、Javaが実装できるすべてのソフトウェアに共通のスキルを身に付けるという点で、非常に有意義です。

Javaエンジニアの目指すところ

 認定資格の取得後は、今後IT業界が向かう方向性を見定め、さらなるスキルアップを目指してください。Javaの将来性に関しては、連載第1回「Javaの世界、イメージできる?」の「Javaが利用される環境」の個所を参考にしていただければ糸口が見えるはずです。

 そして、身の周りの出来事をオブジェクト指向的な見方でとらえるよう、普段から心掛けてみてください。それがJavaプログラミング上達の極意です。

 「Javaでできないことはない」ということを前提に学習することは、Javaの広大な可能性を知ることになり、きっと楽しいものになると思います。

筆者紹介

佐藤賢一郎

Java/XML塾」講師。1974年東京都生まれ。一般企業に勤務後、2001年6月ケンソフトに入社。KEN IT Engineer School プログラムコースのインストラクターを担当。Webアプリケーション開発を経験した後に、同スクールにて企業向けの新人研修や個人向け研修の主任講師として従事。著書に『OMG認定 UML技術者資格試験対策問題集ファンダメンタル』(秀和システム刊)がある。


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