第8回 Functionプロシージャでユーザー独自の関数を定義する:基礎解説 演習方式で身につけるチェック式WSH超入門(1/3 ページ)
Functionプロシージャでユーザー独自の関数を定義してみよう。さまざまなループ・ステートメント構文や再帰呼び出しについても学ぶ。
前回は、ユーザー独自の処理を行うSubプロシージャについて解説した。これは一連の手続きをまとめて名前を付けたものであり、同じ処理を何度も繰り返す場合に簡単に呼び出すことができる。また引数を使うと、同じプロシージャでも、呼び出すたびに異なる処理を行わせることができる。今回はSubプロシージャと対をなす、Functionプロシージャについて解説する。
Functionプロシージャとは
■連載目次
第1回 WSHを始めよう
第2回 VBScript基本(1)文字列の入出力
第3回 VBScript基本(2)計算と分岐処理
第4回 関数を使いこなす:文字列、数値、日付
第5回 データ型について理解を深めよう
第6回 VBScriptの配列を極める
第7回 Subプロシージャで処理を定義
第8回 Functionプロシージャで関数を定義
第9回 VBScriptのオブジェクトを使いこなす
第10回 WScriptオブジェクト(1)
第11回 WScriptオブジェクト(2)
第12回 WshShellオブジェクト(1)
第13回 WshShellオブジェクト(2)
第14回 WshShellオブジェクト(3)
第15回 WshNetworkオブジェクト
第16回 FileSystemObjectオブジェクト(1)
第17回 FileSystemObjectオブジェクト(2)
第18回 FileSystemObjectオブジェクト(3)
第19回 TextStream/Dictionaryオブジェクト
Functionプロシージャとは、Functionステートメントを用いて定義されるユーザー独自の関数のことである(“Function”は「関数」を意味する英単語である)。Subプロシージャが呼び出し元に値を返さなかったのに対し、Functionプロシージャは呼び出し元に値を返すのが特徴である。つまり、VBScriptの関数と同様、戻り値を参照したり、式の「=」記号の右側に記述することで、変数に代入したりできるということである。概念図を示すと次のようになる。
Functionプロシージャの実際例を見てみよう。これは、Functionプロシージャでおみくじを引き、その結果を返すものである。
Option Explicit
Randomize
Dim strMessage
strMessage = "あなたの今日の運勢は:" & GetOmikuji() & vbCrLf & _
"明日の運勢は:" & GetOmikuji()
MsgBox strMessage
'*********************************************************
'用途: おみくじの入った文字列を返す
'受け取る値: なし
'戻り値: おみくじの文字列(String)
'*********************************************************
Function GetOmikuji()
Dim strOmikujis, strOmikuji
'おみくじの一覧を格納した配列
strOmikujis = Array("大吉", "中吉", "小吉", "吉", "末吉", "凶", "大凶")
'おみくじを引く(ランダムに1つ取り出す)
strOmikuji = strOmikujis(Int((UBound(strOmikujis) + 1) * Rnd))
'結果を戻り値として返す
GetOmikuji = strOmikuji
End Function
このスクリプトを実行すると、例えば次のようなメッセージ・ボックスが表示される。
この例ではGetOmikujiという名前のFunctionプロシージャを定義し、それを1つのステートメントの中で2回呼び出して、戻り値を参照している。
Functionプロシージャは、以下のように記述する。
Function <Functionプロシージャ名> ()
〜(Functionプロシージャの内容)〜
<Functionプロシージャ名"> = …
End Function
FunctionプロシージャGetOmikuji内では、おみくじの結果が含まれた配列を作成し、そこからランダムなインデックスを参照して、ランダムに1つのおみくじを取り出している。結果をFunctionプロシージャ名と同じGetOmikujiに代入することにより、この値が戻り値となって、呼び出し元に値を返す。その後はstrMessage変数にこれらの値を結合したものが代入され、MsgBox関数を使って表示している。
このように、Functionステートメントを用いて独自の関数を作成し、何度も呼び出すことができる。
なお、Functionプロシージャを呼ぶ場合は()を付けるのが基本だが、この例のように引数がない場合は省略することもできる。
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