新CCNA試験について知ろう:ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(1)(1/2 ページ)
本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。CCNAは、2007年12月に改訂されたばかりで、2008年1月現在、新試験の情報がまだ少ない状況です。よって本連載は、改訂前の試験(640-801J)で解説をしますが、新試験の解説が可能になり次第、新試験(640-802J)も含めて解説していきます。
連載第1回の今回は、2007年12月に改訂されたCCNA試験の試験科目、試験範囲、出題方式などを中心に説明します。
シスコ技術者認定とは
CCNAは、シスコが提供するシスコ技術者認定で、ネットワーク環境の技術者を認定します。シスコ技術者認定には、次の3つのレベルがあります。
アソシエイト | 初級レベルとして、基礎的な知識を有することを証明する資格 |
---|---|
プロフェッショナル | 上級レベルとして、高度な知識を有することを証明する資格 |
エキスパート | 最高レベルの知識を有することを証明する資格 |
表1 シスコ技術者認定の3つの認定レベル |
各レベルは、特定の技術や解決策、職務分担に対応する、次の6つの分野に分類されています(表2)。
ルーティング&スイッチング | シスコ技術を使用したLAN/WANのルータとスイッチの配置(インストール)やサポートを行う |
---|---|
デザイン | シスコ技術を使用したLAN/WANのルータとスイッチの設計を行う |
ネットワークセキュリティ | シスコのセキュアネットワークの設計や構築を行う |
サービスプロバイダ | シスコのエンドツーエンド環境(電気通信業界など)のインフラストラクチャやアクセスソリューションに携わる |
ストレージネットワーキング | 複数のトランスポートオプションを使用してストレージソリューションを実装する |
ボイス | 音声ソリューションの導入と保守を行う |
表2 シスコ技術者認定の6つの分野 |
レベルと分野の組み合わせで次のような資格が用意されています(表3)。
分野 | アソシエイト | プロフェッショナル | エキスパート |
---|---|---|---|
ルーティング&スイッチング | CCNA(CCENT) | CCNP | CCIE Routing & Switching |
デザイン | CCNA&CCDA | CCDP | − |
ネットワークセキュリティ | CCNA | CCSP | CCIE Security |
サービスプロバイダ | CCNA | CCIP | CCIE Service Provider |
ストレージネットワーキング | CCNA | − | CCIE Storage Networking |
ボイス | CCNA | CCVP | CCIE Voice |
表3 レベル・分野別資格 |
CCNAの試験科目
シスコによると、CCNAは次のように説明されています。
CCNA認定資格では、WANでのリモートサイト接続の実装と確認を含め、中規模ルーテッドネットワークおよびスイッチドネットワークの導入、設定、運用、およびトラブルシューティングを行う能力を備えていることが証明されます。
ちなみに、日本では昨年12月から、CCENTという試験が新たに導入されました。シスコによると、CCENTは次のように説明されています。
CCENT認定資格では、エントリレベルのネットワークサポート担当者に要求される技能を備えていることが証明されます。
CCNA、CCENTの試験では、シスコ製のルータやスイッチの使用方法を理解することも必要ですが、ネットワークの基礎知識、ネットワークに関するハードウェアの知識も問われます。従って、ネットワーク技術者の最初のステップとして最適であるということです。
CCENTに認定されるには、次の試験に合格する必要があります。
試験番号 | 640-822J |
---|---|
試験名 | ICND1(Interconnecting Cisco Networking Devices Part 1) |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 50〜60問 |
受験料 | 1万5000円 |
一方、CCNAに認定されるには、640-801Jまたは640-802Jのうちどちらか1つの試験に合格するか、640-811Jと640-821J、または640-816Jと640-822Jのどちらかの組み合わせで、2つの試験に合格するか、の2種類の方法があります(受験料は変更される可能性があります。詳しくは、シスコのWebページをご覧ください)。
試験番号 | 640-801J(2008年3月31日まで) |
---|---|
試験名 | CCNA(Cisco Certified Network Associate) |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 55〜65問 |
受験料 | 1万8000円 |
または
試験番号 | 640-802J |
---|---|
試験名 | CCNA(Cisco Certified Network Associate) |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 50〜60問 |
受験料 | 1万8000円 |
試験番号 | 640-811J(2008年3月31日まで) |
---|---|
試験名 | ICND(Interconnecting Cisco Networking Devices) |
試験時間 | 60分 |
問題数 | 40〜50問 |
受験料 | 1万2000円 |
試験番号 | 640-821J(2008年3月31日まで) |
---|---|
試験名 | INTRO(Introduction to Cisco Networking Technologies) |
試験時間 | 75分 |
問題数 | 45〜55問 |
受験料 | 1万2000円 |
または
試験番号 | 640-816J |
---|---|
試験名 | ICND2(Interconnecting Cisco Networking Devices Part 2) |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 50〜60問 |
受験料 | 1万5000円 |
試験番号 | 640-822J |
---|---|
試験名 | ICND1(Interconnecting Cisco Networking Devices Part 1) |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 50〜60問 |
受験料 | 1万5000円 |
時間と問題数に差はありませんが、1つの試験で試験を完了できる640-801J(CCNA)または640-802J(CCNA)は魅力的かもしれません。ただしその分、試験の中で高度な知識の占める比率が高くなります。一方、640-821J(INTRO)と640-811J(ICND)、または640-822J(ICND1)と640-816J(ICND2)では、試験が2つに分割されることで、1試験当たりのレベルも低くなります。どちらを選択するかは自由です。
シスコ技術者認定の有効期間は3年となっており、3年ごとに新しい試験での再受験が必要です。今回の改訂は、IPv6やセキュリティなどが追加され、時代に合った資格となっています。
試験は、ピアソンVUEで受験を申し込み、会場を選択して受験します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.