「忙し過ぎてIT課題を先送り」 情シスが本当はやりたい業務、1位は?:夏休み期間こそ好機、SmartHRが調査(1/2 ページ)
情報システム部門にとって夏季休暇のような通常業務が落ち着く時期はIT改善を進めるチャンスだが、いざプロジェクトを進めようとしても思うように進んでいない実態が調査で浮き彫りになった。
クラウド人事労務ソフトウェアを手掛けるSmartHRは2026年8月10日、情報システム部門(以下、情シス)の担当者219人を対象に実施した「情シスの夏季休暇と業務負荷についての実態調査」の結果を発表した。
調査によると、情シス担当者の9割以上が、夏季休暇のように通常業務が比較的落ち着く時期を「大型案件やIT改善を進める好機」と認識しているが、該当する案件を抱えたことのある多くの情シス担当者が、その期間に計画通り業務を進められなかった経験を持っている。
その他この調査では、夏季休暇のように通常業務が比較的落ち着く期間でもIT改善が進まない原因や、情シス担当者が本来時間を割きたいと望んでいる改善領域などが明らかになった。
「夏休み期間こそIT課題を片付けたい」 なぜ進まない?
今回の調査では、従業員100人以上の企業で、夏季休暇期間中に情報システム関連の業務対応をした経験のある情シス担当者219人から回答を得ている。調査期間は2026年7月14〜7月15日で、インターネットで調査を実施した。
「夏季休暇期間のように通常業務が比較的落ち着く時期は、大型案件やIT改善(システム刷新・セキュリティ強化・IT基盤整備など)を進める機会になると思うか」と尋ねたところ、「非常にそう思う」が29.7%、「ややそう思う」が62.1%となり、合わせて91.8%の情シス担当者がIT改善の機会と捉えていることが分かった。「あまりそう思わない」は5.9%、「全くそう思わない」は1.8%、「わからない/答えられない」は0.5%にとどまった。
一方で、「直近の夏季休暇期間中に、本来進めたかった大型案件やIT改善は、計画通りに進められたか」という設問では、「ほとんど進められなかった」が7.3%、「あまり進められなかった」が43.8%と、過半数で思うように進んでいない実態が明らかになった。
大型案件やIT改善を計画通りに進められなかった回答者に、その具体的な理由(複数回答)を聞いたところ、最も高かったのは「予期せぬ障害・トラブルへの突発対応が発生したから」で67.9%だった。
「休暇中の対応などで、まとまった作業時間を確保できなかったから」が35.7%、「経営判断や他部署都合による計画変更があったから」が31.2%で続いた。通常業務が落ち着くはずの期間であっても、企業のシステム環境や事業活動を停止させないための緊急対応に追われ、本来目的としていた改善業務を後回しにせざるを得ない状況に陥っていることがうかがえる。
定型業務が多いほどIT改善が進んでいない
調査では、アカウント発行、問い合わせ対応、PCキッティング(初期設定)といった定型的な運用業務が業務全体に占める割合についても調べている。
全回答者に「現在の業務時間において定型業務が占める割合」を質問したところ、「80%以上」が8.7%、「60〜80%程度」が42.5%となり、合わせて51.2%と半数以上の担当者が業務時間の6割以上を定型業務に費やしている実態が判明した。
この定型業務の比率とIT改善の進捗(しんちょく)状況を掛け合わせたクロス集計を行うと、明確な相関関係が表れた。定型業務が業務時間の60%以上を占める層では、66.1%が大型案件やIT改善を計画通り進められなかったと回答した。
これに、定型業務の割合が60%未満の層で計画通り進められなかった割合は40.2%にとどまり、両者の間には25.9ポイントの開きが生じている。この結果は、IT改善を進めるためには「長期休暇などの繁忙期を避けたタイミングを選ぶ」ことだけでは不十分であり、日々の定型業務そのものの構造改革が不可欠であることを示している。
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