履歴書の正しい書き方、効果的な書き方とは?:2014年編:用紙選びから志望動機の書き方まで徹底指南(1/2 ページ)
誰もが一度は書いたことがある書類「履歴書」。だからこそ見逃されがちなその重要性、正しい書き方を、元IT系企業の採用担当者 現@IT編集部の編集記者が解説する。効果的な履歴書を書いて、転職を成功させよう!
履歴書とは何でしょう
そもそも履歴書とは、「あなたのことをまだ知らない人に」「あなたがどんな人なのか」を伝える資料です。転職活動では最初に、履歴書と職務経歴書による書類選考が行われますね。職務経歴書はあなたの「知識と経験」を、履歴書はあなたの「人となり」を伝えるものです。書類選考での履歴書の役割は「あなたの情報をより多く伝え」「この人に会ってみたいと興味を持ってもらう」ことです。
ポイントは3つ、
- あなたの人となりと
- この会社で働きたい、という熱意が
- 読み手(採用側)に分かりやすく伝わっているか
です。
ここに1枚の履歴書があります。これを添削しながら、履歴書の正しい書き方、効果的な書き方を詳しく説明しましょう。
用紙――最適なフォームを選択する
履歴書は、一般的には市販の用紙に直筆で書かれたものが好まれます。筆者の周りの人事採用担当者やキャリアコンサルタント複数人に確認したところ、国内では2014年3月現在でも「職務経歴書はオリジナルの形式で良いが、履歴書は市販のものに手書きであることが望ましい」と考える企業が多いそうです。応募要項に用紙が指定されていなくても、特に理由が無い場合は、市販の履歴書を使用する方が無難でしょう。
履歴書には「新卒用」「転職者用」「アルバイト・パート用」などがあります。悪い例として挙げたものは「新卒用」。「好きな学科」「保護者欄」など、社会経験がある転職者には不向きな項目がありますね。限られたスペースで最大限に自分をアピールするために、種類は間違えないように気を付けましょう。
「転職者用」の履歴書にもいろいろな種類があり、項目やその配分が用紙によって異なります。用紙を選ぶポイントは、あなたがアピールしたい項目が入っているものを選ぶこと。なるべく文房具屋さんに行って、複数のものを見比べてください。用紙サイズは特に指定がなければ、B5サイズ、A4サイズどちらでも構いません。
市販の履歴書限定ではない場合は、オリジナルの履歴書をWordなどで作成してみるのもよいでしょう。ただし名前と日付だけは直筆にしてください。用紙サイズは職務経歴書と同じ大きさにするとスマートです。記入項目は、市販の履歴書の項目に加え、自分を特徴づける項目を付け足すと、よりパワフルにあなたをアピールできます。
近年では、歴書的ソーシャルサービスも数多く登場しています。企業に提出する履歴書というよりは、求人企業に見つけてもらったり、正式な履歴書を提出する前段階(もしくは同時に)で、自分をアピールしたりする時に有効です。
他社から返却された履歴書の使い回しは厳禁です。日付欄を修正液で消して書き直している、職歴の最後の1社だけ違う色のインクで書かれている、志望動機の内容がおかしい……など、履歴書を使い回した形跡は、採用担当者にはすぐ分かってしまいます。必要な経費と手間暇を惜しむことは入社への意欲を疑われマイナスの印象を与えてしまいますし、不採用になった履歴書は縁起も悪いので、使い回さない方がよいでしょう。
写真――明るく健康的に
写真は、採用担当者にとって本人を知るための大切な手掛かりです。履歴書の中で唯一のビジュアル情報ですので、この中から社会人としてきちんとしたマナーを携えている人かどうかということを読み取るのです。「この人に会ってみたい」と採用担当者に思わせるためにも、少し手間とお金がかかっても、写真館で証明用の写真を撮影する方がよいでしょう。
写真は、原則3カ月以内に撮影したものを使います。カラーかモノクロかは指定がなければどちらでもよいのですが、採用側がコピーする可能性を考えると、モノクロの方がよいと私は思います。
古い写真、スナップ写真を切り抜いたもの、カラーコピーやカラープリンタで出力したものは好ましくありません。その理由は用紙と同じく、費用と手間暇を省略していると取られ、入社への意欲を疑われてしまう可能性があるからです。
写真撮影のポイントは「明るく健康的に」。服装はスーツが基本です。シャツは白、スーツは濃いめの色がよいでしょう(表情がしまって見えます)。髪型は清潔感を忘れずに、顔がはっきりと見えるように整えてください。女性の場合、アクセサリーは控えめに。メイクは健康かつ理知的に見えるように。眉のライン・口紅の色など、日ごろから自分の顔に合うメイクを研究しておくとよいでしょう。撮影の瞬間は自信を持って。カメラのファインダーに目線を合わせ、軽くあごを引き肩を少しそり気味にすると、背筋が伸びます。
せっかくすてきに撮れた写真です。履歴書に張るときは所定の枠内にまっすぐに、また万が一のりがはがれた場合のことを考え、裏に氏名を書いておくとよいでしょう。
文字――字には性格が表れる
字は多少下手でも構いません。それよりも、1文字ずつ丁寧に書くことが大切です。筆記用具は黒か青の万年筆やボールペンで、文字の大きさをそろえると全体的に読みやすくなります。誤字脱字はもってのほか、修正液や二重線での訂正も好ましくありません。オッチョコチョイな人、雑な仕事をする人、と思われてしまう可能性があります。書き損じたときは、多少手間でも、新しい用紙に書き直すようにしましょう。失敗を防ぐためにも、別用紙に下書きをして確認してから提出用に書くことをお勧めします。
氏名、生年月日、住所、連絡先――省略するべからず
氏名、生年月日、住所は基本中の基本情報、省略せずに正式なものを書きましょう。氏名は戸籍に記載されているものを。住所は都道府県から、ふりがなも都道府県からすべて記入します。アパート・マンション名も正式な名称を書きましょう。番地は3-1-1のように省略せずに、3丁目1番1号と書きます。氏名の横には、印鑑を押します。このとき、曲がったりかすれたりしないように気を付けましょう。1番上の日付は、郵送、または履歴書を持参する日の日付を書きます。
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