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仮想マシン化することのメリットVMware Infrastructure 3 徹底入門(4)(3/3 ページ)

仮想化では、本来は物理サーバにインストールされるソフトウェアを、仮想マシンとして扱う。この「仮想マシン化」自体が、カプセル化やハードウェア非依存といった、システムの展開と運用における大きなメリットをもたらす。今回は、このメリットを、具体的なシステム展開例とともに紹介する

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テンプレートを活用したシステムの展開例

 テンプレートとゲストOSのカスタマイズ機能を組み合わせると、極めて効果的なシステム展開を行うことができる。例としてWebサーバ、アプリケーション・サーバ、データベース・サーバをそれぞれ複数個ずつ配備するようなシステムを構築する状況を考えてみたい。最初に基準となる仮想マシンを作成しOSのインストールを行う。ここでOSへのパッチ適用や基本設定など、そのシステムにおいて共通する要素について初期設定を行う。

 共通設定が完了したらこの仮想マシンからテンプレートを取得する。そしてこのテンプレートから必要種類数分(今回の例では3個)の仮想マシンを展開する。

図5 テンプレートを用いた展開(1) 共通設定を終えた仮想マシンよりテンプレートを作成し、そこから必要種類数の仮想マシンを展開
図5 テンプレートを用いた展開(1) 共通設定を終えた仮想マシンよりテンプレートを作成し、そこから必要種類数の仮想マシンを展開

 次に各サーバに個別の設定を行う。それぞれ必要とされるアプリケーションをインストールしたり、個別のパッチを適用したりといったことを行う。

 サーバごとの個別設定が完了したら、ここでもう1度それぞれの仮想マシンからテンプレートを取得する。今回の例ではWebサーバ、アプリケーション・サーバ、データベース・サーバそれぞれのテンプレートを作成することになる。

 そして最後に実際に必要となる数だけの仮想マシンを展開する。これにより、共通化できるインストール作業や設定作業などは1回だけ実施すればいいことになるため、大幅に時間を短縮できるほか、人為的なミスも減らすことが可能になる。

図6 テンプレートを用いた展開(2) アプリケーションごとの共通設定を行ったテンプレートを作成し、そこから最終的に必要となる数の仮想マシンを再度展開
図6 テンプレートを用いた展開(2) アプリケーションごとの共通設定を行ったテンプレートを作成し、そこから最終的に必要となる数の仮想マシンを再度展開

 今回は仮想マシンの持つ特長である「カプセル化」と「ハードウェア非依存」について解説した。VMotionやDRSなどと比べると派手さはないが極めて重要な特性であり、ぜひとも把握しておいてほしい部分である。またこれらの機能をうまく活用した「クローン」、「テンプレート」と呼ばれる機能について紹介した。仮想マシンの複製・展開時は、VMware VirtualCenterが提供するゲストOSのカスタマイズ機能が利用できるということも紹介した。

 次回は、VMware Infrastructure 3がもたらすさまざまなソリューションを紹介する。


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