検索
連載

Linuxカーネルのコンフィグレーション手順実践でも役立つLPICドリル(5)(3/4 ページ)

本連載は、Linux 認定試験 LPICに対応しています。一般的なLinuxユーザーレベルのトピックは省略し、システム管理とサーバ管理の内容を取り上げています。また、LPIC対策だけでなく、関連するトピックについて系統的な理解を問う問題も出題しています。連載の特徴は、対象となるプログラムのバージョンを可能な限り明記していること、比較的新しくまとまった解説がまだ少ないトピック、重要だが理解しにくいトピックを優先して取り上げていることです。問題を解き、その解説を読むことにより実践でLinuxを活用できる力を身に付けます。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

演習問題

 ポイントを押さえたら、演習問題に挑戦してみましょう。問題ごとに、LPIC試験での重要度を記載しています。試験を受ける際の参考にしてください。

問題1

 現在カーネルソースを展開したディレクトリにいます。X Window Systemが使えない端末のみの環境ですが、メニュー形式で選択しながらコンフィグレーションファイル.configを生成します。実行する手順はどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)** (level2)**]


a.make config

b.make menuconfig

c.make xconfig

d.make gconfig

正解

 b

解説

 選択肢aのmake configは単純なテキストベースのインターフェイスであり、X Window Systemがなくても使えますが、順番に質問に答える形式であり、メニュー形式ではないので、間違いです。選択肢cと選択肢dはX Window SystemのGUIツールなので、間違いです。

問題2

 現在カーネルソースを展開したディレクトリにいます。コンフィグレーションファイル.configの生成が終わり、これからmakeコマンドでカーネルを生成するところですが、カスタマイズしたことが分かるようにカーネルバージョンを変更します。編集するファイルはどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)** (level2)*]


a.README

b.Makefile

c../include/linux/version.h

d../arch/i386/defconfig

正解

 b

解説

a.READMEは人が読むためのドキュメントであって、makeコマンドがその内容を参照するファイルではないので、間違いです。

c../include/linux/version.hは直接編集するファイルではなく、makeコマンドの実行時にMakefileの内容を基にバージョンコードなどを含むファイルとして生成されるので、間違いです。

d../arch/i386/defconfigはデフォルトのコンフィグレーションファイルであって、カーネルバージョンは書き込まないので、間違いです。

問題3

 以前生成したことのあるカーネルを同じ仕様でまた使います。当時生成したカーネルは削除してしまっていたが、そのときに使用したコンフィグレーションファイル.configはホームディレクトリにconfig.oldという名前で残っています。実行すべき適切な手順はどれですか?(2つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)** (level2)*]


a.make xconfig; make bzImage

b.cp ~/config.old .config: make bzImage

c.cp ~/config.old .config: make oldconfig; make bzImage

d.cp ~/config.old .config: make defconfig; make bzImage

正解

 a、c

解説

a.make xconfigを起動し、既存のコンフィグレーション(この問題ではconfig.old)をloadし、そのままsaveすることで、題意を満たすことができるので、正解です。make gconfigでも同様です。

b.単にコピーして.configを用意するだけでなく、関連ファイルを正しく設定する手順を含む必要があるので、間違いです。

c.oldconfigは既存の.configを利用するためのターゲットなので、正解です。

d.コピーした.configはarch/$ARCH/defconfigによって上書きされてしまうので間違いです(元の.configは.config.oldという名前でバックアップされます)。

問題4

 カーネルコンフィグレーション手順の中で、カーネル2.6では必要なく(使えない)、カーネル2.4では必要な手順はどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)* (level2)*]


a.make dep

b.make clean

c.make zImage

d.make bzImage

正解

 a

解説

 選択肢b選択肢c選択肢dは、2.6でも実行するターゲットなので、間違いです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る