VMware Infrastructure 3環境の設計:VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編(1)(2/3 ページ)
連載「VMware Infrastructure 3徹底入門」では、VMware Infrastructure 3のコンセプトやアーキテクチャといった、いわば理論的な部分を紹介した。今回より、新たに「VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編」として、実際の設計から導入、運用までを紹介する。今回はVMwareの導入構成の設計時の留意点やサーバの機種選定について説明する
VMware Infrastructure 3環境の設計例
それではまずはシンプルな例として、以下のような構成を考えてみることにする。
図のとおり、VirtualCenter x 1、ESX x 2という極めてシンプルな構成である。もちろんESXは3台以上であってもまったく構わない。管理ネットワーク 192.168.10.0/24 上に VirtualCenterとESXのサービスコンソールが接続されていることとする。
DNSはVMware Infrastructure 3を構成する上でほぼ必須と考えてほしい。一部の機能を正常に動作させるためにはホスト名の名前解決が必須となるためだ。hostsファイルへの記述のみでも構成できないことはないが、現実的な運用を考慮した場合、 DNSを利用することになる。
通常、ESXのサービスコンソールのIPアドレスは静的に構成する。DHCPによる構成も可能ではあるが、運用性を考えた場合、静的に割り当てることを強く推奨する。なお VirtualCenterに関しては最新版では静的なアドレス割り当てが必須となっており、DHCPで運用することは不可となっている。このため、必ずしもDHCPサーバは必須ではない。ただ、例えば VI Clientを動かすPCなど、一時的にこのネットワークに接続するコンピュータがある場合はDHCPサーバがあった方が運用は容易になる。
管理ネットワーク上にはゲートウェイ (ルータ) となる装置があることを想定している。他のネットワークに到達する際の経路となるアドレスだが、実はこのアドレスはVMware HAを構成する上で重要な意味を持つ。従って、ゲートウェイアドレスには実在するIPアドレスを設定する必要がある。他のネットワークとは一切接続しないような環境である場合は注意が必要だ。この部分の詳細についてはVMware HAを構成するときに解説する。
この図では仮想マシン用のネットワークが記述されていないが、この部分の考え方についてはネットワークの項で詳細を解説する。最初は管理ネットワークと仮想マシンネットワークを同一のネットワーク上で利用する方式で構成を行う。その後両者を分離させるための設定方法や、その際に必要となってくるVMware Infrastructure 3環境におけるネットワーク管理の概念などを詳しく説明する。
ストレージ装置に関しては、最初はまずVMware ESXを動作させる物理マシンの内蔵ディスクを用いて構成する手順を紹介する。その後VMware Infrastructure 3における共有ストレージ装置に関して詳細を解説し、実際の構成手順などを説明する。
上記の構成図を表にすると以下のようになる。
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