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「採用で勤続年数・学歴・資格は参考にしない」、ウノウ尾藤氏重要なのは「技術が好きかどうか」

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 「プライベートな時間を使ってまで技術に関する活動をするくらいに、技術が好きかどうかが重要」――ウノウ CTO 尾藤正人氏は10月10日、「パソナテックカンファレンス2008」において、「エンジニア主体のチーム作り」と題した講演を行った。

ウノウ CTO 尾藤正人氏
ウノウ CTO 尾藤正人氏

 講演の前半では、「ソースコード管理」「案件管理」「情報共有」という3点において、自身の手法を紹介。管理をExcelで行ったり、共有ファイルサーバで管理したりするのは「管理コストが高くなり、変更の衝突が起きる。また、元に戻せなくなるので、よくない」と語った。

 ウノウでは、ソースコード管理には専用ツールとしてSubversionを、案件管理にはBTS(バグトラッキングシステム)としてTracを、情報共有にはWiki(主にPukiWiki)を使用しているという。Subversionに関しては、常に最新のソースコードで開発できること、衝突が検出できること、履歴をシステム側で管理しているため、過去の状態に戻すことができること、特定のバージョンにタグをつけられることなどが利点だという。Tracに関しては、案件ベースで管理しているため検索が容易であり、やり取りの記録が残ったり、優先順位が付けられたりすることが利点だという。また、Subversionとの連携機能を有するため、相乗効果が得られるという。尾藤氏は「BTSでは他にもRuby on Railsで作られたredMineなどが注目されているが、やはりTracがデファクトスタンダードだと思う」と語った。また、Wikiによる情報共有も、履歴が残ったり、更新された情報の衝突検知が行えたりするのが利点であるとした。

 後半では、エンジニア中心のチームや組織について持論を語った。ウノウでのエンジニア採用では、尾藤氏が面接を行う際に、「勤続年数、学歴、資格の3つはあまり参考にしない」という。尾藤氏は「エンジニアには、技術を理解せず、慣れているだけの人がいる。ある会社に長くいて、その会社の技術に『単に慣れているだけ』の人は、実は技術的な実力がないことがある」と語り、勤続年数の長さはエンジニアの評価に関係ないと主張した。また、「エンジニアにはセンスが必要」であるとし、「学歴があって地頭が良くても、技術的なセンスがない人はいる」と指摘。資格に関しても、「何か1つのことについて勉強することは素晴らしいことだが、実践に生かせるかは別問題」と断言した。

 逆に、参考にするのは「過去の実績」と尾藤氏は語った。特にプライベートの活動において、「OSSに関わっているか」「勉強会に積極的に参加しているか」「技術系媒体で執筆活動をしているか」「IPAの未踏プロジェクトに参加しているか」などを参考にするという。これは、「プライベートな時間を使ってまで技術に関する活動をしている人というのは、本当に技術が好きな人。最終的に重要なのは、技術が好きかどうか」だとする尾藤氏の考えに基づいているという。「技術が好きかどうかが、エンジニアとしてレベルが高いかどうかに大きな影響を与える」(尾藤氏)

 さらに尾藤氏は、エンジニアがマネージャに求めることとして「技術力を身につけてほしい」というメッセージを打ち出した。お互いの歩み寄りが必要で、エンジニアもマネジメントを理解する必要があるが、同時にマネージャも技術を理解する必要があるという。尾藤氏は「システムエンジニアの下にプログラマがいる、という既成概念から脱却したい」と自身の夢を語り、「プログラマがプログラマとして働けるキャリアパスが存在する業界になってほしい。そのためには、エンジニアの技術力を評価できるマネージャが必要」と主張。「その手段の1つとして、エンジニアが自ら起業をするという選択肢があるが、アメリカのシリコンバレーに比べて、日本はまだまだ起業しやすいとはいえない」と語り、「将来は、インキュベーションをやりたい。技術の分かる人が起業をして、エンジニアが評価されるような土壌を作りたい」と自身の展望を述べた。

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