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新 情報処理技術者試験、全試験科目をまとめて解説新・情報処理技術者試験はこう変わる(2)(4/4 ページ)

1969年に開始して以来、40年ぶりの大改訂を迎える情報処理技術者試験。本連載では2回にわたり、制度改定の背景、情報処理技術者試験の目指す方向、新試験制度の出題分野などについて解説する

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(5)高度午後試験(午後I、午後II試験)

 午後試験の出題内容については、一部の区分を除いて大きな変化はないようです。形式上では、午後I試験の解答数が3問から2問になったことが挙げられます。以下に、午後試験の出題分野(テーマ)と想定レベルを試験区分ごとにまとめておくことにします。

●ITストラテジスト試験(ST)

 現行のシステムアナリスト試験と上級システムアドミニストレータ試験から移行。システムアナリスト、上級シスアドの範囲は包含されています(表11)。

表11
表11

[レベル] 旧システムアナリスト試験から若干難易度低下

 ITSSレベル5を想定していたシステムアナリスト試験に対して、問題の対象システム・題材などの複雑性や規模を小さくすることで相対的な難易度を若干下げ、レベル4相当になります。

●システムアーキテクト試験(SA)

 旧アプリケーションエンジニア試験からの移行(表12)。

表12
表12

 システム構造の全体最適設計、対象システムのシステム方式設計分野の明確化を重視。また、組込みシステムのアーキテクチャ設計が午後選択問題に追加されます。

[レベル] 旧アプリケーションエンジニアと同レベル

●プロジェクトマネージャ試験(PM)

 現行のプロジェクトマネージャ試験から移行。出題内容については、旧試験から変更はありません(表13)。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

表13

[レベル] 旧プロジェクトマネージャ試験から若干難易度低下

 問題の題材の複雑性や規模を小さくすることで、旧試験(レベル5相当)から相対的な難易度が若干下がります(レベル4)。

●ネットワークスペシャリスト試験(NW)

 出題内容、レベルともに旧テクニカルエンジニア(ネットワーク)から変更はありません(表14)。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

表14

[レベル] 旧テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験と同レベル

●データベーススペシャリスト試験(DB)

 出題内容、レベルともに旧テクニカルエンジニア(データベース)から変更はありません(表15)。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

表15

[レベル] 旧テクニカルエンジニア(データベース)試験と同レベル

●エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)

 出題内容、レベルともに旧テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)から変更はありません(表16)。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

表16

[レベル] 旧テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験と同レベル

●情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)

 旧試験のテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験と情報セキュリティアドミニストレータ試験を統合。両試験の出題範囲を包含しています(表17)。

表17
表17

 範囲としては、セキュリティ技術、セキュリティ運用とも対象としますが、技術面をより重視しています。

[レベル] 旧試験と同レベル

●ITサービスマネージャ試験(SM)

  現行のテクニカルエンジニア(システム管理)試験から移行(表18)。

表18
表18

 内容は旧試験と同様となりますが、JIS Q 20000およびITILの情報技術−サービスマネジメント規格に準拠するように、出題分野を再編しています。マネジメントを重視した出題になります。

[レベル] 旧テクニカルエンジニア(システム管理)と同レベル

●システム監査技術者試験(AU)

 現行のシステム監査技術者試験から移行。出題内容、レベルともに旧試験から大きな変更はありません(表19)。

表19
表19

 高度な情報技術に対応するシステム監査人を育成する観点から、情報技術の深い理解を求めるよう、技術面が出題強化されました。また、対象システムに組み込みシステムが追加されます。

[レベル] 旧システム監査技術者試験と同レベル

最後に

 以上、新試験の実施形式や出題内容について見てきました。詳細内容に興味がある方は、IPA情報処理技術者試験センターのWebサイトで公開されている試験要綱など各種資料に目を通してください。また新分野のサンプル問題、出題範囲の主要な知識項目例などをご覧いただけば、新試験の出題内容をある程度想像できることと思います。

筆者プロフィール

加藤浩

TAC IT講座企画部所属。大学教員、TAC 情報処理講座専任講師を経て、現在は情報処理試験対策を中心とした研修・教材の企画開発に従事


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