第3回 IMAP/POP/SMTPの設定:Exchange Server 2007システム管理入門(2/3 ページ)
メールサーバ・アクセスに欠かせないPOPやIMAP、SMTP。Exchangeで使うには、明示的な有効化が必要だ。
まずPOP3とIMAP4プロトコルによるExchange Server 2007へのアクセスについて解説する。
Exchange Server 2007に「クライアント アクセスの役割」をインストールしておくと(デフォルトでインストールされているはずだ)、一般のメール・クライアントでよく利用されているPOP3やIMAP4プロトコルによるアクセスが可能になる。ただしこれらのプロトコル・サポートはインストールされるものの、デフォルトでは無効になっている。Exchange Server 2007の能力を最大限に引き出し、その機能を活用するためには、Office OutlookやOutlook Web Access、ActiveSyncなどが必要と考えているからのようである。
とはいえ、まだまだPOP3やIMAP4といったプロトコルでのサポートが必要な環境も少なくないだろう。そのような場合は、POP3やIMAP4サポートを手動で有効にするとよい。
これらのプロトコル・サポートを有効にするのは簡単である。単にPOP3やIMAP4のサービスが起動していないだけなので、手動でサービスを開始してやればよい。このためには、[マイ コンピュータ]アイコンを右クリックして、ポップアップ・メニューから[管理]を開き、[サービスとアプリケーション]−[サービス]を開く([スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[管理ツール]−[サービス]でもよい)。
![](https://image.itmedia.co.jp/ait/articles/0812/25/wi-pop04.gif)
POP3とIMAP4の開始
POP3とIMAP4プロトコルのサポートはあらかじめExchange Server 2007に含まれているが、停止状態になっている。これらを手動で開始しておく。
(1)[コンピュータの管理]ツールで[サービス]を開く。
(2)IMAP4プロトコルのサポート。このサービスはデフォルトでは停止している。
(3)POP3プロトコルのサポート。このサービスもデフォルトでは停止している。
(4)これらのサービスのはデフォルトでは[手動]に設定され、実行されていない。
「Microsoft Exchange IMAP4」と「Microsoft Exchange POP3」のサービスのプロパティを開き、[スタートアップの種類]を[自動]にして、さらに[サービスの状態]を[開始]にする。これでPOP3やIMAP4によるアクセスが可能になる。
![](https://image.itmedia.co.jp/ait/articles/0812/25/wi-pop05.gif)
IMAP4サービスのプロパティ
IMAP4やPOP3のサービスはデフォルトでは無効になっているので、スタートアップを自動にし、手動でサービスを開始しておく。
(1)自動開始に設定する。
(2)手動で開始させる。
なお、有効になったPOP3やIMAP4サービスに関するセキュリティや使用ポートなどの設定は、Exchange管理コンソールの[サーバーの構成]−[クライアント アクセス]で行う。
![](https://image.itmedia.co.jp/ait/articles/0812/25/wi-pop01.gif)
クライアント・アクセス・プロトコルの設定
POP3やIMAP4に関する設定は、Exchange管理コンソールの[サーバーの構成]−[クライアント アクセス]にある[POP3 と IMAP4]タブで行う。
(1)これを選択する。
(2)このタブを選択する。
(3)サービスの設定を変更するにはこれをクリックする。
プロパティ画面では、サービスの認証方法やサービスで利用するポート番号、セキュリティ設定、タイムアウト設定などを設定できる。
![](https://image.itmedia.co.jp/ait/articles/0812/25/wi-pop02.gif)
POP3サービスのプロパティ画面の例(認証設定)
この画面では、POP3サービスに関する各種の設定を行う。
(1)リッスンするTCPのポート番号(認証なし接続用とTLS接続用)とIPアドレス範囲の設定。
(2)認証方法の設定。
(3)デフォルトではセキュリティを確保するためにTLS接続が要求される。
(4)タイムアウト時間の設定。
(5)受信メッセージの形式などの設定。
![](https://image.itmedia.co.jp/ait/articles/0812/25/wi-pop06.gif)
POP3サービスのバインド設定
不正なアクセスを防ぐためには、この機能を使って、接続可能なクライアントのIPアドレス範囲を限定するなどのセキュリティ対策を行うとよい。
(1)接続可能なIPアドレスなどを設定する。デフォルトでは全IPアドレスからの接続が許可される。
(2)通常の(セキュリティなしの)IPアドレスとポート番号。
(3)SSL接続時の(セキュリティなしの)IPアドレスとポート番号。
デフォルトではTLS接続(いわゆるPOP3sやIMAP4s接続)が要求されるようになっているが、これらの設定を変更することができる。なおPOP3やIMAP、SMTP接続で使用するポート番号については後述する。
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