連載
データベース障害復旧の基礎 「バックアップファイル」「変更履歴」の仕組みを理解する:ゼロからのリレーショナルデータベース入門(9)(2/3 ページ)
本連載は、企業の成長に不可欠な「データ活用」を推進していくために必要なデータ基盤の基礎を“あらためて”解説していきます。今回は、「データベース障害対策」の基礎を解説します。【更新版】
障害発生から復旧までの流れと対処方法
前述したバックアップファイルとバックアップファイル取得後の変更履歴があれば、障害が発生してもリカバリーできます。図3のようにファイルが破損してしまった障害を例に、「リカバリー作業の流れ」を確認しましょう。
図3では、2時に「100」という表データが格納されているファイルのバックアップを行いました。その後、8時と9時にデータが更新されて、表データは「200」となります。そして、10時に障害が発生して、「200」となった表データが壊れてしまいました。バックアップを取った時点の表データは「100」、障害直前の表データは「200」です。
この時、リカバリー作業は以下の流れで行います(図4)。
まずバックアップファイルを、破損したファイルと「置き換え」ます。
これで、バックアップを取った2時時点の状態(「100」)までリカバリーできました。しかし、8時と9時に行った変更内容まではリカバリーできていません。そこで、バックアップ取得以降の変更履歴を基にして、8時と9時に行われた操作を順番に「再実行」します。この作業によって、障害発生直前のデータ「200」に復旧できます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- SQLの基礎 「SELECT」文を覚えよう
- SQLとはどういう言語か
「SQLは何となく苦手」という人は意外と多いものです。すでに何らかのプログラミング言語を習得している人を見ても、SQLを苦手としている人は少なくありません。そこで、実際にSQLを入力して結果を見ながら学習する連載を始めます。用意するのはインターネットにつながったWebブラウザだけ。気軽に始めてみてください。(編集部) - RDBMS製品のビッグ3、それぞれの“癖”をつかもう
本連載はOracleを使ったデータベースシステムの開発・運用管理にある程度の知識を持つ読者を対象に、Oracle以外の商用RDBMSであるMicrosoft SQL ServerとIBM DB2とのアーキテクチャの違いを明らかにし、マルチベンダに対応できるデータベースシステムの設計・開発・運用ノウハウを紹介していく。(編集局) - NoSQLはRDBMSに取って代わるものなのか?
「memcached」や「Apache Cassandra」、「Apache CouchDB」など、RDBMSとは異なる考えで設計してあるデータベース管理システムが普及しつつあります。この連載では、これら新しいデータベース管理システムの特徴と、RDBMSとの使い分け方について解説します。(編集部)