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Androidのホーム画面に常駐するアプリを作るにはAndroidで動く携帯Javaアプリ作成入門(10)(2/3 ページ)

本連載で、SDKとEclipseを使ってAndroidの携帯端末で動くJavaアプリを作成し、Android Marketでの配布を目指しましょう

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AppWidgetにもライフサイクルがある

 ActivityやServiceと同じように、AppWidgetにもやはりライフサイクルが存在します。まずはライフサイクルを確認しましょう。

 ダウンロードした「AppWidgetExample.zip」を展開してAppWidgetExample.apkをインストールし、「LifeCycle」というアプリを起動してみてください。LifeCycleにはライフサイクルの関連するコールバックメソッドにトーストを表示させるように作ってあります。

図3 AppWidgetのライフサイクル
図3 AppWidgetのライフサイクル

 AppWidgetのライフサイクルは右のようになっています。

 AppWidgetを最初に1つ起動すると、onEnabled()メソッドが呼び出されます。その後すぐにonUpdate()メソッドが呼び出されます。この状態で同じAppWidgetをもう1つ起動すると、onEnabled()メソッドは呼び出されずにonUpdate()メソッドが呼び出されます。

 起動したAppWidgetを終了させると、onDeleted()メソッドが呼び出されます。すべてのAppWidgetを終了させると、onDeleted()メソッドの後にonDisabled()メソッドが呼び出されます。

 もし更新期間を指定している場合、「実行中」という状態で指定更新期間ごとにonUpdate()メソッドが呼び出されます。

コラム 「Android 1.5でonDeleted()メソッドが呼び出されない不具合」

Android 1.5ではonDeleted()メソッドが呼び出されない既知の不具合があります。

図4 公式ページの注意書き
図4 公式ページの注意書き,図4 公式ページの注意書き

onDeleted()メソッドのタイミングで処理を行いたい場合は、以下のようにonReceive()メソッド内で回避可能です。

@Override
public void onReceive(Context context, Intent intent) {
    super.onReceive(context, intent);
    if (intent.getAction().equals(AppWidgetManager.ACTION_APPWIDGET_DELETED)) {
        onDeleted(context, intent.getIntArrayExtra("appWidgetId"));
    }
}

Androidウィジェット作成の基礎知識

 ウィジェットを作成するためには、知っておかなければならないことがいくつかあります。分かりやすいものから説明していきます。

ウィジェットのサイズ

 ウィジェットのサイズは実は自由に決めることはできません。ホームスクリーンは「セル」という単位で縦横4分割にされ、ウィジェットはこのサイズで表示されることになります。

図5 ホームスクリーンの分割例
図5 ホームスクリーンの分割例

 縦4列、横1行を使用するGoogle検索は、サイズが320×100になります。ただし、設定ファイルにサイズを記載する場合は、最小サイズを指定します。最小サイズはセル当たり、74 density-independent pixels(dip)になります。dipは、実際のピクセルではないことに注意してください。

 さらに、最終的なサイズで丸め誤差により問題が発生しないように、2dipを引いたものを最小サイズとして記載しなければなりません。

 つまり、縦4列、横1行を使用する場合、サイズは以下のような計算式で導かれます。

minWidth: 74 x 4 - 2 = 294
minHeight: 74 - 2 = 72

AndroidManifest.xml

 ActivityやServiceと同様、AppWidgetもAndroidManifest.xmlに登録しなければなりません。

図6 Application Nodesの状態
図6 Application Nodesの状態

 XMLだと、以下のようなエントリが必要になります。

<receiver android:name="LifeCycle" android:label="LifeCycle">
  <intent-filter>
    <action android:name="android.appwidget.action.APPWIDGET_UPDATE" />
  </intent-filter>
  <meta-data android:name="android.appwidget.provider" android:resource="@xml/life_cycle" />
</receiver>

appwidget-provider設定ファイル

 AppWidgetの各種定義を行う設定ファイルを用意します。XMLで記述します。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<appwidget-provider
  xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
  android:minWidth="292dip"
  android:minHeight="72dip"
  android:updatePeriodMillis="60000"
  android:initialLayout="@layout/life_cycle"
/>

 設定項目を説明します。

属性 説明
android:minWidth ウィジェットの幅
android:minHeight ウィジェットの高さ
android:updatePeriodMillis 更新間隔
android:initialLayout 起動直後のレイアウト
android:configure ウィジェット設定画面を指定
表2 AppWidgetの各種設定項目

 ウィジェットのサイズに関しては前述しているので、確認しておいてください。

 更新間隔は、ミリ秒で0以外を指定すると、繰り返しonUpdate()メソッドが呼び出されます。0を指定したり、この属性を省略したりすると、onUpdate()メソッドは起動直後に一度だけ呼び出され、以降は呼び出されません。

 起動直後のレイアウトは、Activityと同様、あらかじめレイアウトをXMLで定義しておき、それを指定します。

 設定画面はあらかじめActivityを用意しておき、設定することで、最初のonUpdate()メソッドのタイミングで自動的にActivityが起動します。以下はLifeCycleウィジェットで自動起動されたActivityです。

図7 自動的に設定用Activityが起動される
図7 自動的に設定用Activityが起動される

 同一ウィジェットを複数起動すると、この設定用Activityも毎回起動します。ウィジェットに設定画面はあってもよいと思いますが、android:configureには設定しない方がよさそうです。

 なお、ウィジェットの設定用Activityは所定の手続きを踏む必要があります。所定の手続きについては、ソースコードを参照してください。

 次ページでは、冒頭の表1で紹介した3つの処理方法を用いたAppWidgetの実行の仕方を解説します。

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