第4回 要素の操作&ユーティリティ編:連載:jQuery逆引きリファレンス(10/19 ページ)
要素セットに対して要素の追加/置換/削除などを行うためのメソッドと便利なユーティリティ機能をまとめた、すぐに役立つ18本を一挙公開。
「$.support」プロパティは、ブラウザの互換性にかかわる情報をハッシュ形式(キー名:値の形式)で返します。ブラウザの対応状況によって処理を分けたいケースで利用するとよいでしょう。
$.supportプロパティは、具体的に以下のような情報を返します。
キー名 | 概要 |
---|---|
boxModel | W3CのCSS Box Modelをサポートするか |
cssFloat | style.cssFloatプロパティを利用できるか |
hrefNormalized | hrefプロパティがそのままの値を返すか(正規化処理される場合にはfalse) |
htmlSerialize | innerHTMLプロパティがシリアライズされた文字列を返すか |
leadingWhitespace | innerHTMLプロパティが先頭の空白をそのまま返すか |
noCloneEvent | 要素の複製時に、複製元要素が持つイベントリスナをコピーしないか |
objectAll | getElementsByTagName('*')メソッドがすべての要素を返すか |
opacity | opacityプロパティを利用できるか |
scriptEval | appendChild/createTextNodeメソッドによる要素の追加時に、含まれるスクリプトを実行するか |
style | getAttribute('style')でstyle属性の値を取得できるか |
tbody | <table>要素配下の<tbody>要素の省略を許可するか |
$.supportプロパティの戻り値 |
具体的な例も見てみましょう。以下は、$.supportプロパティの戻り値をテーブル形式に整形して表示する例です。
<script type="text/javascript">
$(function() {
// supportプロパティで返す情報を順に処理
$.each($.support,
function(key, value) {
// キー|値の形式でテーブル行(<tr>)を生成し、テーブルに追加
$('<tr></tr>').
append('<td>' + key + '</td>').
append('<td>' + value + '</td>').
appendTo('table#target');
});
});
……中略……
<table border="1" id="target">
<tr><th>キー名</th><th>値</th></tr>
</table>
このHTMLを実際にブラウザで開く
$.supportプロパティはjQuery 1.3で追加されたプロパティです。1.2以前では、ブラウザの状態を示すためのプロパティとしては、以下のようなプロパティが用意されていました。
プロパティ | 概要 |
---|---|
$.browser | ブラウザを識別するための情報(ハッシュ形式)。ハッシュには、ブラウザを表すsafari、opera、msie、mozillaといったキーが含まれ、値としてブール値がセットされている |
$.browser.version | ブラウザのバージョン番号 |
$.boxModel | W3CのCSS Box Modelをサポートするか |
jQuery 1.2以前で利用できるブラウザ情報関連のプロパティ |
これらのプロパティは、jQuery 1.3以降では非推奨となっていますので、今後は$.supportプロパティを優先して利用するべきです。
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