検索
連載

もう1つのハイパーバイザ実装「VMware ESXi」VMware vSphere 4徹底解剖(7)(3/4 ページ)

VMware vSphere 4では、従来型アーキテクチャを踏襲するVMware ESXと、新型アーキテクチャを採用するVMware ESXiの両方が提供されている。今回はESXiの位置付けと利用方法、従来型ESXとの違いなどについて紹介する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

ESXi Installableの利用

 それでは実際にESXi Installableを利用してみよう。ここでは単純にESXi Installableをサーバの内蔵ディスクにインストールして利用する例を紹介する。本稿執筆時点ではVMware ESXi 4.0 Update 1が最新であるためこれを利用する。以下の ISOイメージファイルがダウンロードできるはずだ。

VMware-VMvisor-Installer-4.0.0.Update01-208167.x86_64.iso

 ダウンロードが完了したらこれをCD-Rなどに焼いてESXi Installableのインストール用メディアを作成する。ブート可能イメージとして提供されているため、直接このCDから起動できる。

 サーバの電源を投入したら、まずBIOS画面で時刻の設定を行う。ESX 4.0 / ESXi 4.0ではハードウェアの時刻はUTC(協定世界時)に設定することとされている。日本標準時はUTC+9であるため、日本時間マイナス9時間の時刻が協定世界時である。

 時刻の設定が完了したらESXi Installableのインストール用メディアからシステムを起動させる。以下のGRUBメニューが表示されるので、ESXi Installerを選択する。

VMware ESXi Installableインストーラ
図5 ESXi Installerを選択してVMware ESXi Installableのインストーラを起動する

 インストーラの起動が完了すると以下の画面が表示される。インストール作業自体は極めて簡単で、単純に先に進めるだけでインストールを完了できる。インストールが完了したら、CD-Rメディアを取り出しENTERキーを押す。

VMware ESXi 4.0 Installableのインストーラ起動直後の画面
図6 VMware ESXi 4.0 Installableのインストーラ起動直後の画面
VMware ESXi Installableインストーラ
図7 インストール中の画面
インストール完了時の画面
図8 インストール完了時の画面。CD-Rを取り出した後、ENTERを押す。システムが再起動する

 無事にインストールが成功していれば、内蔵ディスクからESXiが起動するはずだ。

ESXiが起動する
図9 内蔵ディスクからESXiが起動する

 起動が完了すると以下のような画面が表示される。この画面のことをDCUI(Direct Console User Interface)と呼ぶ。DCUIでは必要最低限の初期設定を行うことができる。

ESXiの起動完了
図10 ESXiの起動が完了した

 DCUIでは以下の設定を行うことができる。

  1. rootパスワード
  2. 管理用ネットワークインターフェイスの構成
  3. キーボードレイヤウト

 F2キーを押下して構成画面を表示させる。

DCUIでF2を押すと構成画面が表示される
図11 DCUIでF2を押すと構成画面が表示される

 rootパスワードはデフォルトではブランクとなっているため、ここで適切なパスワードを構成しておく。

DCUIでF2を押すと構成画面が表示される
図12 rootパスワードはDCUIからも変更できる

 ネットワークは初期状態ではDHCPクライアントとして構成されているため、静的に構成する場合はここで設定する。また、物理NICが複数搭載されている環境では、管理用インターフェイスとして利用する物理NICを指定することもできる。

IPアドレス、ネットマスク、デフォルトゲートウェイの設定
図13 IPアドレス、ネットマスク、デフォルトゲートウェイの設定
DNSサーバとESXi自身のホスト名の設定(FQDNで指定する)
図14 DNSサーバとESXi自身のホスト名の設定(FQDNで指定する)
DNSサフィックスの設定
図15 DNSサフィックスの設定
物理NICを選択
図16 管理用インターフェイスで利用する物理NICを選択

 キー配列は、デフォルトの英語配列のほかに、フランス語、ドイツ語、日本語、ロシア語のキー配列から選択できる。

物理NICを選択
図17 キーボード配列の設定

 基本的には以上でESXiの初期設定は完了である。インストール直後の状態はまだライセンスが入力されていないため、「評価用モード」で動作している。評価用モードはインストール後60日間動作し、この間はvSphere 4で提供されているすべての機能が利用可能となっている。

 初期設定が完了したら、以降はGUIから利用できる。vCenter Serverの管理下に登録して本格的に利用することもできるし、vSphere Clientから直接接続して利用することもできる。無償版の「ESXiシングルサーバ」で利用する場合は、vSphere Clientから直接接続後、該当のライセンスキーをインストールする。

ESXiにvSphere Clientから直接接続したところ
図18 初期設定が完了したESXiにvSphere Clientから直接接続してみた
ライセンスキーを入力する
図19 [構成タブ]→[ライセンス機能]より、ライセンスキーを入力する

 上記のとおり、インストールとDCUIによる初期設定が完了してしまえば、ESXiはClassic ESXと基本的に同一の操作で利用することができる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る