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第12回 使い勝手が大幅に向上したWindows 7のワイヤレス機能Windows 7新時代(3/3 ページ)

Windows 7のワイヤレス機能は、従来より使い勝手が向上しただけではなく、SoftAP/Virtual Wi-Fiといった新機能もサポートしている。その特長や使い方、注意点を解説する。

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無線LANからコンピュータの電源オンを可能にする「WoWLAN」

 Windows 7では、無線LANアダプタを利用する「WoL(Wake On LAN)」、いわゆるWoWLAN(Wake on Wireless LAN)を利用できるようになった。ただし、すべてのコンピュータ、無線LANアダプタで、この機能を利用できるわけではないようだ。

 筆者手持ちの無線LANアダプタで調べたところ、Intel製の3945ABGアダプタでは、デバイス・マネージャのプロパティ画面に[電源の管理]タブが現れる。そこで[このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする]のチェックをオンにできる。さらに、その下にある[Magic Packetでのみ、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする]のチェックをオンにすると、WoWLANでのみスリープ状態からの復帰が可能になる。

 なお、同じインテル製品でも2915ABGではデバイス・マネージャのプロパティ画面に[電源の管理]タブが現れないため、こうした設定は行えない。

 実際にWoWLANを機能させるには、さらにBIOSセットアップ画面で電力管理やブート・デバイス関連の設定を行わなければならない場合がある。この辺の事情はPCの機種によっても異なるようだ。そのため、無線LANアダプタだけでなく、PC本体も併せてWoWLANに対応させる必要があるだろう。


WoWLANを利用可能な無線LANアダプタのプロパティ画面
デバイス・マネージャのプロパティ画面で、[電源の管理]タブが現れる無線LANアダプタであれば、WoWLANを利用できると考えられる。ただし、PC本体のBIOSセットアップ画面でも、省電力設定やブート・デバイスの設定を行わなければならない可能性がある。
  (1)ここのチェックをオンにすると、WoWLANも含めて、無線LANアダプタによるスリープ状態からの復帰が可能になる。この部分がグレーアウトしている場合、デバイス・ドライバがWoWLANに対応していないか、BIOS設定でWoLANが無効になっている可能性が考えられる。
  (2)ここのチェックをオンにすると、WoWLAN以外の方法では復帰しなくなる。

 なお、Wake-on-LANについては、以下の記事も参照されたい。

【コラム】BluetoothとWirelessUSBへの対応強化

 無線LAN以外のワイヤレス機能についても触れておこう。Windows 7では、Bluetoothについても対応が強化されている。

 Bluetoothの設定機能はWindows Vistaでも標準装備していたが、対応するバージョンはBluetooth 2.0までとなっていたほか、利用可能なプロファイルが限られていた。Windows 7はBluetooth 2.1に対応することでペアリングの手間を減らしているほか、以下の表にあるように対応するプロファイルが増えている。

プロファイル Windows Vista Windows 7 用途
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile) × ステレオ音声データの配信
HFP(Hands Free Profile) × ヘッドセットを用いる電話の発着信/通話
HSP(HeadSet Profile) × ヘッドセットとの音声入出力
AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile) × オーディオ/ビデオ機器の遠隔操作
HID(Human Interface Device) マウス/キーボードの接続
SPP(Serial Port Profile) 仮想シリアルポートの構築
OPP(Object Push Profile) 携帯電話相互間のオブジェクト送信
PAN(Personal Area Networking Profile) PAN構築
DUN(Dial-Up Network Profile) Bluetoothデバイス経由のダイヤルアップ接続
HCRP(Hard Copy Cable Replacement Profile) ファイルの印刷/スキャン
Windows VistaとWindows 7のBluetooth機能における、対応プロファイルの違い

 また、Wireless USBについてもWHCI(Wireless Host Controller Interface)を標準サポートするため、Wireless USB経由で接続した機器を有線の同様にUSB機器として認識できる。現時点ではWireless USB機器がほとんど出回っていないが、Windows 7がWireless USBを標準サポートしていることで、Wireless USB機器の普及が期待できるかもしれない。



 OSのバージョンアップは、操作性や機能面の向上だけでなく、新しい種類のデバイス、新しい種類の規格に対応する、という意味もある。そうした観点から見ると、無線LAN関連の操作性向上に加えて、対応仕様の拡大・対応規格の追加を図っているWindows 7の存在と、そのWindows 7の販売が好調に推移していることの影響は無視できないだろう。Windows 7の普及が、BluetoothデバイスやWireless USB、あるいはWireless Wake-on-LANの普及・利用拡大を後押しする結果につながるよう期待したい。

 また、新機能のWireless Hostes Networkは、コマンドによる操作が必要になるなど、まだ十分なサポートが行われているといはいえない状態だが、スマートフォンをはじめとする小型Wi-Fiデバイスの増加と、そうしたデバイスをノートPCとともに持ち歩いて併用するユーザーにとっての福音になるだろう。サービスパックなどで、さらに使い勝手が向上することに期待したい機能だ。


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