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正しい公衆無線LANサービスの使い方運用(1/3 ページ)

ハンバーガー・ショップなどで利用できる公衆無線LANサービスの利用方法を解説。サービスの概要と利用手順、注意点についてまとめる。

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 ノートPCを持って外出するようになると、電子メールのチェックやWebブラウズなど、出先でもインターネットに接続したいことも多いのではないだろうか。しかし、決して安価とはいえない3G携帯電話やWiMAXといった移動体通信サービスの利用はハードルが高い。

 そうした場面で重宝するのが、飲食店や駅などに設置されたIEEE 802.11無線LANのアクセスポイント、いわゆる公衆無線LANサービスの利用だ。ところが、サービスによっては操作手順が異なるなどの問題があり、意外と一筋縄ではいかないところがある。また、不特定多数のユーザーが同じアクセスポイントを共用することから、セキュリティ面での注意も必要になる。

 そこで本稿では、公衆無線LANサービスの概要と利用手順、利用に際しての注意点についてまとめてみた。

外出先でのインターネット接続に公衆無線LANサービスを活用する

 ブロードバンド回線を導入して高速なインターネット接続を利用していても、自宅やオフィスから外に出た途端に「通信途絶」状態になってしまう。それを補うために、携帯電話やPHS、WiMAXを用いる移動体通信サービスがある。カードスロットやUSBコネクタに取り付けるデータ通信アダプタをPCに取り付ける方法に加えて、無線LANのアクセスポイント機能とルータを内蔵して複数のPCから共用できるようにした機器もあるが、いずれにしても利用に際しては月ごとに相応の費用がかかる。

 そのため、定額制で通信料金が青天井になる心配が要らないといっても、出先での利用頻度が低いユーザーにとっては、少なくとも数千円はかかる月額費用の元を取れないというのが正直なところだろう。

 その点、飲食店などに設置されている無線LANのアクセスポイントを利用する公衆無線LANサービスは費用対効果が高い。3G携帯電話を利用した移動体通信サービスと比べると、「いつでも、どこでも」というわけにはいかないが、公衆無線LANサービスは都市部ではどこにでもあるハンバーガー・チェーンやコーヒーショップ・チェーンに設置されている無線LANアクセスポイントが利用できるので、少し探せばインターネットへの接続が可能だ。月額にして数百円から千円台ぐらいの費用で利用できることが多く、ブロードバンド・サービスの付加サービスとして安価に提供している場合もある(1日だけ利用できるサービスを提供しているところもある)。また、移動体通信サービスと比較すると、速度の面では公衆無線LANサービスの方が高速なことが多い。

 ただし、サービスによってはアクセスポイントの設置エリアが限られていたり、特定の地域に集中していたりする場合もある。費用、あるいは後述するOS/端末機器の対応だけでなく、サービスエリアが自分の行動範囲と合致しているかどうかも、サービス選択時の重要なポイントとなる。いくら安価・高速なサービスでも、自分が行った先で利用できないのでは意味がないからだ。

公衆無線LANサービスの種類

 公衆無線LANサービスには、無料で提供しているものに加えて、単体の有料サービス、ほかの通信サービスとセットにした有料サービス、といった形態がある。公衆無線LANサービスそのものはIEEE 802.11b無線LANが登場したころから存在するが、サービスを打ち切った事業者や新規参入した事業者があるため、普及が始まった当初と現在とでは、状況が大きく異なっている。

 以下に、2011年1月の時点でサービスを提供している主要サービスについてまとめておこう(アクセスポイントの数については2010年12月25日時点)。一覧のうち、「FREESPOT」以外はすべて有料サービスである。サービスによっては別途、対応ISPとの契約が必要になるケースもあるので、Webサイトで確認していただきたい。

 なお、無線LANの規格については、最大伝送速度が54Mbit/sならIEEE 802.11b/gに、300Mbit/sならIEEE 802.11b/g/nに対応している、と考えればよいだろう。

サービス名称 事業者 月額料金 AP数 最大伝送速度 認証方式
mzone NTTドコモ 1575円(525円の日額プランあり) 約6800 54Mbit/s IEEE 802.1X(PEAP)
フレッツ・スポット NTT東日本 フレッツ・シリーズのサービスを利用している場合に210円、それ以外は945円 約9100 54Mbit/s 「フレッツ接続ツール」を利用。MACアドレスの登録が必要。高セキュリティ・プランではデジタル証明書のインストールも必要
フレッツ・スポット NTT西日本 フレッツ・シリーズのサービスを利用している場合に800円、それ以外は900円 約9100 54Mbit/s PPPoE接続。MACアドレスの登録が必要。高セキュリティプランではデジタル証明書のインストールも必要
HOTSPOT NTTコミュニケーションズ 399円/819円/1680円(それぞれ利用可能なエリアが異なる) 約4000(スタンダードエリア) 54Mbit/s 専用接続ツールを利用(IEEE 802.1X)
Wi2 300 ワイヤ・アンド・ワイヤレス 380円(6時間/24時間/3日間/1週間の一時利用、月額従量制プランもあり) 約1万3000 300Mbit/s 専用接続ツールを利用、あるいは接続時にWebブラウザでユーザー名とパスワードを入力
livedoor Wireless ライブドア 525円 約2200 54Mbit/s 接続時にWebブラウザでユーザー名とパスワードを入力(MACアドレス認証もあり)
Yahoo! 無線LANスポット ヤフー 525円(プレミアム会員は210円)     接続時にWebブラウザでユーザー名とパスワードを入力
BBモバイルポイント ソフトバンクテレコム 約4300 54Mbit/s 接続時にWebブラウザでユーザー名とパスワードを入力
ワイヤレスゲート トリプレットゲート 380円/480円/780円(それぞれ利用可能なサービスが異なる) 約1万500 54Mbit/s 専用接続ツールを利用、あるいは接続時にWebブラウザでユーザー名とパスワードを入力
FREESPOT FREESPOT協議会 無料 約7800 54Mbit/s  
主な公衆無線LANサービス

 これらのサービスの中には、自前でアクセスポイントを展開する代わりに、他社が提供するサービスへの窓口となっていたり、複数のサービスをまとめて利用できるサービスを提供していたりするケースがある。Yahoo! 無線LANスポットはBBモバイルポイントの、ワイヤレスゲートはBBモバイルポイント/livedoor Wireless/成田空港エアポートネット(モバイルポイント+プラス・プランの場合)あるいはHOTSPOT/livedoor Wireless/成田空港エアポートネット(ホットスポット+プラス・プランの場合)のアクセスポイントを利用可能、といった具合だ。

 なお、これらのサービスのうち、「HOTSPOT」「mzone」「BBモバイルポイント」「フレッツ・スポット(NTT東日本)」、あるいはこれらと提携したサービスの契約を行っていると、東海道新幹線の車内で無線LANを介したネット接続が可能になる。ただし、このサービスを利用できるのはN700系を使用する列車の東京−新大阪間に限られる。時刻表には使用する車種(700系やN700系など)が明記されているので、N700系を使用している列車の識別は容易だ。

 このほか、携帯電話やWiMAXによる移動体通信サービスを補完する目的で、同じ事業者が公衆無線LANサービスを提供している事例もある(ソフトバンクWi-FiやUQ WiFi、b-mobileなど)。こうしたサービスについては、各事業者のWebサイトを参照していただきたい。

【更新履歴】

【2011/02/16】公開当初、表「主な公衆無線LANサービス」の「Wi2 300」におきまして、「認証方式」を「専用接続ツールを利用」としていましたが、正しくは「専用接続ツールを利用、あるいは接続時にWebブラウザでユーザー名とパスワードを入力」です。お詫びして訂正させていただきます。


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