震災で気持ちが揺らぐ就活生のためのメンタルヘルス:理系学生のための「就活」お悩み相談室(11)(1/2 ページ)
いよいよ就職活動が本格化する。面接や自己分析などがうまくいかなくて、悩む場面も多くなるだろう。学生相談を担当するカウンセラーが、就活生の悩みに答える。
このたびの震災により、就職活動中の学生にもさまざまな影響が出ています。説明会の中止や採用計画の見直し、面接の延期など、就職活動自体も滞る中、目に見えない放射能や余震の不安が加わって、「気持ちが落ち着かない」「就職活動に集中できない」「原因は分からないけれど不安で仕方ない」という相談が増えています。
今回は、このような環境において就職活動生がメンタルヘルスを良い状態に保つ方法を紹介します。同時に、「このような時だからこそ、自分は何をするために生まれてきたか」について、考えてみましょう。
学生はもちろん、企業側も全力で対応中
すべての企業にとって、このような厳しい災害は初体験であり、それぞれの立場で支援や企業努力を続けている最中です。皆さん学生の安全も考慮しなければなりません。落ち着いて企業からの連絡を待ち、今までと変わらず冷静に対応していきましょう。もし内定の取り消しなどがあった場合は、必ずキャリアセンターなどに連絡し援助をもらってください。1人で抱えないで、誰かと会話をすることが最も大切です。
まずは落ち着きましょう。「普通の毎日」を取り戻すことが先決
大きな変動のあった時に心の安定を取り戻すには、何か大きな挑戦をするより、「普通の生活」を少しずつ取り戻していくことが大切です。同じことがきちんと繰り返されると、心が安定してきます。まずは、これまでどおりのことに取り組んでください。
家に閉じこもりがちになった人は体が固くなっており、そのことでメンタル面も固く、抑うつ的になる場合があります。肩こりやイライラは、「ストレスを感じている」というサインです。
- お風呂に入る
- 体操やストレッチを行い、適度に体を動かす
- 身近な友達や家族などと、どんなことでもよいので話をする
上記を実践し、まずは体と心をほぐしましょう。
不安とは「根拠のない恐れ」
テレビやインターネットでは、連日さまざまな情報が流れています。震災の映像やTwitterなどで流れる情報に1日中くぎ付けになっているうち、不安が増してくることがあります。皆さんの不安は、就職活動そのものより情報洪水が引き起こす動揺が原因である可能性があります。
不安とは、「根拠のない怖れ」と言われます。こうした不安感を落ち着かせるには、「根拠が持てる」正確な情報をよく吟味する力が求められます。また、情報の洪水から適度に離れる時間を設けましょう。自然や人、娯楽や文化との接触も保つように心掛けてください。
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