自分の強みを見つける問い「プログラムの何が好き?」:仕事を楽しめ! エンジニアの不死身力(20)(1/2 ページ)
あなたはエンジニアの仕事を楽しんでいますか? この連載では、仕事を「つらいもの」から「楽しいもの」に変えるためのヒントを考えていきます。
2012年が始まってまもなく1カ月が過ぎようとしています。「一年の計は元旦にあり」という言葉どおり、今年1年もエンジニアとして活躍するために、新しいチャレンジを計画されていることと思います。
新しいチャレンジを始める際には、「自分の強み」を知っておくことが大切です。なぜなら、苦手なことを克服するよりも、自分の強みや特性をきちんと自覚して生かせば、学習の成果が大きくなることが期待できるからです。
ところで、もし「あなたの強みは何ですか?」と聞かれたら、答えがぱっと思いつきますか?
そこで今回は、今年も充実した1年を送るために、自分の強みとなる“軸”の見つけ方を紹介します。
強みとなる「自分の軸」とは何か
そもそも「強み」とは何か、ということを考えてみましょう。
強みは、一般的には「得意なこと」「他の人より秀でていること」と理解されています。エンジニアであれば、「プログラミングスキル」「コミュニケーションスキル」といった答えがぱっと思いつくでしょう。
私は、強みには2種類あると思っています。
- 学習・経験によって身に付けられる、後天的な強み=スキル
- もともと備わっている強み=自分の軸
前者の強みは意識して身に付けるものですが、後者の強みはそうそう変わらず、努力して身に付けるタイプのものではありません。“軸”とは、自分の原点のようなものです。自分の軸を自覚することは、エンジニアとしての生き方や今後のキャリアアップ、キャリアチェンジの時に役立ちます。
好きなことの「要素」の中から、自分の強みを探す
それでは、自分の軸となる強みは、どうすれば見つかるのでしょうか。私がおすすめする方法は「好きな仕事や事柄の “要素”を考え、その共通点を探すこと」です。
「要素」とは、「ある事柄を構成する1つ1つ」のこと。まずは、エンジニアとしての仕事について、好きな要素を見つけてみましょう。
例えば、あなたはエンジニアという仕事の中でも特に「プログラムを作ることが好き」だとします。さて、普通はここで止まってしまうのですが、さらに「プログラムを作る」ことを分解してみましょう。「顧客との関係」「ロジックを考える」「組み立てる」「動かす」「情報収集」など、いくつかの要素に分解できます。
さらに、「組み立てる」を分解します。「美しく書く」「すべて自分で作る」といった方面にも分解できます。他の要素についても、できるものはどんどん細かく分解します。
このように、「プログラムを作る」ことを分解して“要素”化していくと、その中でも「特に好きなこと」が見えてきませんか。ちなみに私は「組み立てること」「すべて自分で作ること」「動かないものが動くこと」「自分で考えた分かりやすいロジック」に喜びを感じるタイプです。人によって、好きな要素は異なるはずです。
仕事の中で好きな要素を見つけたら、続けて、趣味やエンジニア以外の仕事経験などからも、好きな「要素」を洗い出します。
私はITエンジニアとして働く前は、自動車メーカーに勤めていました。今でも「車が好き」です。さて、この「車が好き」を分解すると、「ドライブ」「メカニック」「自動車を持つ喜び」などの要素が出てきます。ドライブは「1人で出かける」「家族で出かける」などに分解できます。
車関連で特に好きな要素は、車をメンテナンス・カスタマイズする際に自動車を「分解・組み立てる」「自分でできることは自分でやる」「動かないものが修理して動くようになる」「オリジナリティ」などでした。
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