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面接に通る「職務経歴書」の書き方【ネットワークエンジニア編】IT業界職種別・職務経歴書の書き方(4)(1/2 ページ)

職種別に、職務経歴書・自己PRのサンプルを紹介。それぞれのポイントを、キャリアコンサルタントが解説します。

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ネットワークエンジニアの採用傾向と対策

●幅広くなっていくネットワークエンジニアの定義

 近年、ネットワークの転送速度、転送量が爆発的に拡大していく中、従来のデータリンク層、ネットワーク層だけではなく、トランスポート層、アプリケーション層を用いたルーティング技術の革新が続いています。その流れの中で、ネットワークエンジニアは従来の「L2/L3領域に携わる技術者」というくくりには留まらなくなってきています。

●今、求められるネットワークエンジニア像

 スマートデバイスの普及・無線ネットワークの拡充・IPv6への移行など、新技術に関するトピックスが非常に多い昨今、多種多様な業界で新技術に対応できるエンジニアの採用ニーズが高まっています。これらの技術を導入していくために、他の領域のエンジニアと協業し、サーバ・インフラやネットワーク上で動くアプリケーションを意識したネットワーク構築作業を進めていけるエンジニアが必要とされています。

 ただ、新技術といっても数年後にはさらに新しい技術にとって替わられていくことも、企業側は認識しています。その中で求められているエンジニアとは、新旧技術が複雑に絡み合うシステムに対応する方法を理解しており、新しい技術や変化に柔軟に対応し成長を続けていけるエンジニアです。

キャリアコンサルタントからのアドバイス

 「ネットワークの設計・構築・運用・保守の経験があります」「CCNP資格を保有しています」「Ciscoの上位機種を扱った経験があります」

 これらのアピールは、ネットワークエンジニアとして働いている人なら、ほとんどの方ができてしまいます。アピールすべきことは、その経験や資格取得のプロセスの中で手に入れた専門性と知識(=スキル)を踏まえて、「何ができるか」です。下記に留意してアピールを心掛けましょう。

1. 自身の専門領域・得意領域がどこかを明確に記す

 ネットワークエンジニアという職種の定義が極めて幅広く、企業が求める人材も施工管理技術者、無線技術者、従来のL2/L3のネットワークエンジニア、サーバ周りも理解しているネットワークエンジニアなど、千差万別です。だからこそ、どのレイヤの技術に専門性を有し、どのレイヤに関する知識を持っているかを、最初に明確にすることが大事です。どのレイヤに強みを持っていて、どんなプロダクトやプロトコルをどのくらい使いこなすことが可能か。そして、その専門性や知識をどのようなプロセスで得たか。それを詳細に記していけば、職務経歴でプロジェクトについて記載するポイントに繋がります。

2. システムの全体像を意識してプロジェクト内容を書く

 システムの目的によって、ネットワークに要求されるものは異なります。LAN/WAN、可用性、信頼性、レスポンスなど、ネットワークに求めるものが異なれば、使うプロダクトの型番や台数が一緒でもネットワークの構成は異なります。設計・構築業務がただ与えられた作業をこなすものであったか、ネットワークに対する要求水準を意識して自ら考えて進めていく作業であったか。後者の方が断然、採用担当者にとっては魅力的です。

【運用技術者の場合】

  ネットワークの運用業務の場合は、プロジェクトという形ではなく「通年業務」という形で分けて記載し、その通年業務の中で発生したネットワークリプレイスや大きなトラブル対応の内容等を分けて記載すると、アピールしやすくなります。また、運用業務の中で業務改善・運用改善・システム改善などの改善経験は強いアピールポイントになるため、必ず盛り込みましょう。

【監視技術者の場合】

  監視業務の経験が中心の場合は、一言で「ネットワークのトラフィック監視/死活監視」と書いてしまうと、どんな業務も同じものになってしまいます。

  • そもそもどんなネットワークか(トラフィック規模やセッション数はどのくらいか)
  • 監視技術者には何が求められたか(早急な障害切り分け? エスカレーションマネジメント?)
  • 現場はどんな状況か(環境は整えられたもの? 周りの技術者は経験者だけ?)
  • 何を考えて行動していたか

  を記載することで、「自分だけの経験」に変わります。

3.自身が仕事を進めていく上で意識していたこと(ポリシー)を書く

 ネットワーク設計・構築・運用におけるエンジニアとしてのポリシーは何か、またポリシーに基づいてどんなことを意識して業務に携わっていたのか??これは技術者にとって異なります。芸術的に分かりやすいケーブリング、通信断を決して起こさない冗長化、とにかくセキュアな環境を作ることにこだわる人もいれば、ユーザビリティの高さを意識して、素人でも分かるレベルでドキュメントを作る人もいるでしょう。ポリシーに基づいて行ったアクションの結果、何ができるようになったか。それをしっかりと棚卸しすることで、アピールできることの幅はぐっと広がっていきます。

4.複雑な問題に対処できるビジネスパーソンとしての能力をアピール

 技術の高度化に伴い、「いかにネットワークを作るか」ということだけではなく、「ネットワークを作ることによって何を実現するか」を考えることがネットワークエンジニアには求められています。マルチベンダ、マルチプロダクトを扱えること、複雑なシステム構成に対応できる技術は、もちろんアピールになります。

 しかし、それだけではありません。「顧客のシステムに対して課題解決提案を行い、案件受注につなげた」「複数の関係者間の調整を行った」「若いメンバーの育成を行った」「複数の調達ルートを1つに統合して調達コストを削減した」など、ビジネス側の苦労やそれを解決するための工夫も十分なアピールになります。

【運用技術者の場合】

  現在、プライム・システム・インテグレータがシステム・アウトソーシングビジネスの立ち上げを進めているなど、運用ビジネスの拡大に積極的な中、運用の案件を拡大することや、運用から課題を抽出し追加受注につなげられる運用技術者が求められています。

 「システムを作る」ではなく「システムを使う」ことにより価値を発揮しける運用技術者は、時として設計技術者より、高い評価を受ける場合があります。運用設計などの経験は是非アピールに盛り込みましょう。

まとめ

 最も重視すべきことは「何を考えて仕事をしていたか」という仕事に対する意図を盛り込むことです。それによって職務経歴書は、ただの経験の羅列ではなく、「キャリアの歴史」になります。

ネットワークエンジニアの職務経歴書:ワンポイント・アドバイスまとめ

● 提出日

 提出日は、西暦で入力しましょう。

● 職務経歴

 技術職以外の経歴に関しても、部署名まで必ず記載しましょう。

● 生かせる経験・知識・技術

 応募する企業に合わせて強みを記載しましょう。○○をやってきたから〜〜ができる。というように、過去のエピソードを根拠に書くと具体的なイメージを持たせやすいです。

● 取得資格

 応募する業界・職種と親和性の高い資格を記載しましょう。現在、取得に向けて勉強中の資格があれば、「○○資格を×月取得に向けて勉強中」など、補足説明するとよいでしょう。

● テクニカルスキル・保有知識

 どんな要素技術・プロダクトをどのように使えるかを書きましょう。

● 開発経歴

<業務内容>

 短期のプロジェクトや同時並行のプロジェクト等、すべてを記載すると分量が多くなりすぎると感じられる場合は、

最初にサマリーとして業務内容をまとめ、代表的なプロジェクトを別枠で記載するのも可です。

<環境>

 【OS】【DB】【ミドル・SW】【NW機器】の順に記載しましょう。

<役割/規模>

 プロジェクトマネジメント/リーダー経験がある場合は要員数、予算、規模を記載しましょう。

 途中から役割が変わった場合は、その時期を明記するようにしましょう。

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