「サービステンプレート」でクラウド環境にSharePointサーバを一気に展開してみよう:System Center 2012を試そう(5)(1/5 ページ)
「サービステンプレート」では何ができる? どう便利になる? 活用例を基に便利な機能、注意点を紹介する。
本記事の流れ
1.「サービス」の概念
2.サービスで展開可能な機能の紹介
3.本記事で紹介するサービスの展開シナリオ
4.SQL Serverの構成
5.サービスの展開
6.まとめ
前回の記事「System Center 2012における『クラウド』の概念と運用」ではSystem Center 2012 Virtual Machine Manager(以下SCVMM)での「クラウド」の概念とその活用方法の一例について述べた。最終回の今回は、SCVMMの新機能の1つである「サービス」の概念と「サービステンプレート」で展開可能な機能の紹介、およびその展開方法の一例について述べていく。
「サービス」の概念とは?
「サービス」とはSCVMMの新機能で、複数サーバ上の多階層のアプリケーションを1つの単位として管理する機能のことである。このサービスの機能を用いることで、単にOSやセキュリティパッチをインストールした仮想マシンだけでなく、アプリケーションやリソースを組み合わせた1まとまりを単位として展開・管理できるようになる。
役割や機能、データベース、アプリケーションを実装した仮想マシンを、ネットワーク、ロードバランサーといったファブリックのリソースを組み合わせて多階層で複数同時に展開し、1つのサービスという単位で展開、管理を行えるようになる。
またこれらのサービスは、スケールアウトやスケールイン、アップグレードなども可能であり、展開先としてホストグループだけでなく、クラウドも選択可能なことからも今後、活用の幅に大きな可能性を秘めた機能である。
このような環境を展開していく上で必要なのが「サービステンプレート」と呼ばれる型である。サービステンプレートを活用することでさまざまなアプリケーションを展開できる。
なお、サービスの展開はおおよそ以下のような手順で行っていく。
- サービス機能事前準備(仮想マシンのイメージ準備、アプリケーションパッケージの抽出など)
- サービスで使用するVMテンプレート作成および機能の設定
- サービステンプレートの作成
- サービスの展開
本記事の後半では、一例に沿った形でサービス展開の手順を紹介していく。サービスの展開には、サービステンプレートを作成する必要があるが、その事前準備として、サービス展開に使用するアプリケーションパッケージのライブラリサーバへの保存やVMテンプレートの設定が必要である。次項で実際にどのような機能がサービスで構成可能であるか、それらの機能について紹介する。
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