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5分で分かる「知財」〜複雑な部分を分かりやすく5分で絶対に分かる(5/5 ページ)

知的財産(知財)は難しい・ややこしいとお考えの方は多いのではないでしょうか? 複雑な部分を分かりやすく説明します

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5分−知的財産権の種類(2)

 次に、営業標識について見ていきます。企業がビジネスを行う際の看板として機能する情報財です。

 商標権は、商品やサービスの提供の際に使用されるマークや名称である商標を保護するための機能です。iPhone、コカコーラ、トヨタなどの強力なブランド・イメージを持つ商標は多大な価値を持ちます。勝手に類似名称を使ったビジネスをされて、消費者に不利益を与えたり、企業の信用を行ったりしないように保護するのが、商標権の役割です。

 商号は企業名のことです。商法や会社法により保護されますが、それほど強い保護ではないので、企業名のブランドとしての使用を独占したい(他社の模倣を防ぎたい)のであれば、通常は商標権を取得しておく必要があります。

 不正競争防止法は、公正な競争を実現するための法律であり、結果的に知財も保護します。例えば、商標権を取得していなくても、著名商標であると判断されれば、不正競争防止法により他人の模倣を禁止できることがあります。

 製造ノウハウや顧客リストなどのビジネス上の有用な機密情報(営業秘密やノウハウとも呼ばれます)も不正競争防止法が保護します。産業スパイ的な行為を行うと不正競争防止法違反になります。

 上記のうち、商標権については、別の回であらためてもう少し詳しく解説することにしましょう。

著者プロフィール

栗原 潔

テックバイザージェイピー(TVJP)代表取締役 弁理士。技術士(情報工学)。 IT、知財、翻訳サービスを中心とした新しいタイプのリサーチ会社。 東京大学工学部卒業、米MIT計算機科学科修士課程修了。

日本アイビーエム、ガートナージャパンを経て2005年6月より独立。独自の視点で「IT弁理士日記」を執筆中。


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