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ランサーズ、フリーランスのスキルや実績を格付けする機能を発表自分を相対的に評価しアピールを

2月20日、ランサーズはフリーランスのスキルや実績を格付けするサービス「ユーザーランク」を開始すると発表した。

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 ランサーズは2月20日、フリーランスのスキルや実績を格付けするサービスを開始することを発表した。クラウドソーシングサービス「Lancers」の中でフリーランスの経験を相対的に評価される指標を作り、より働きやすい社会を作っていくことを目指すという。

 Lancersは、2008年12月にローンチされたクラウドソーシングサービス。「個人のチカラをエンパワーメント」をコンセプトに、仕事をしたい人(以下、ランサー)と仕事を依頼したい人(以下、クライアント)をマッチングし、時間と場所にとらわれずにインターネット上で直接仕事の取引ができる仕組みを提供している。

 今回追加された「スキル・実績の格付け機能(以下、「ユーザーランク」)」を導入することで、Lancersはランサーのスキルを相対的に評価する指標を確立。ランサーは自身のスキル・実績説明を省けるようになり、クライアントはランサーのスキルや実績が一目で分かるようになるという。

 ユーザーランクは、以下の70の仕事カテゴリそれぞれについて設定され、ランサーそれぞれの仕事のスキル・実績評価に基づいてランクが与えられる。ランクは、上から「トップ」「エキスパート」「シニア」「ランサー」「ビギナー」の5段階。例えば、1人のランサーでも「アイコン制作はトップだが、Webシステムはビギナー」などといったランク付けがされる。

70の仕事カテゴリ
70の仕事カテゴリ

 細かい評価基準は非公開だが、仕事の件数やクライアントからの評価などといった定量的な判断に加え、「トップ」「エキスパート」には個別に電話審査が実施される。電話審査では、エンジニアにはランサーズのエンジニアが、デザイナーにはランサーズのデザイナーが10分ほど電話で質問し、認定を行う。内容は、ランサーズ以外での活動内容やGitHub上のソースコードに関するものという。上位ランクについては毎月手動で更新しているため、「最新のデータに基づいて、信頼性を保っていくことが可能」としている。

ランサーズ ビジネス開発部 山口豪志氏
ランサーズ ビジネス開発部 山口豪志氏

 現在、このようなスキル評価サービスは新卒や中途の採用プラットフォームとして用いられるケースが多いが、ランサーズはあくまでもフリーランスにこだわり、今後も採用活動にサービスをフォーカスしていく予定はないという。ランサーズ ビジネス開発部 山口豪志氏は、「Lancersは、あくまでも“フリーランス”という働き方の中での『場所』でありたい」と語る。一方、転職しようとしている人が自分のスキル指標として「『Lancersでこれだけ評価されています』という形で使ってもらえたらうれしい」とも話した。

 山口氏がこのように語るのには、わけがあった。もともとLancersは、ランサーズ代表取締役社長 秋好陽介氏が大手IT企業に勤めていたころにひらめいたサービスである。同氏が携わったある案件は、フリーランスに発注すれば、付き合いのある企業の半額以下で収まることが明らかだった。しかし、「フリーランスではスキルや実績が数値として見えない」というあいまいな理由で取引は見送られた。秋好氏はこのときに、Lancersの仕組みを思い付いたのだそうだ。したがって、Lancersは「個人のスキル評価」に重点を置き、それを用いた他の分野への進出は考えにくいという。

 「時間と場所にとらわれず、自由に働ける感動を多くの人に味わってほしい」とビジョンを掲げるランサーズは、今後も「こういう働き方もある」という選択肢を提示していきたいという。現在、Lancersだけで暮らせる人(約年収300万円)は100名前後であるが、「2016年までには年収500万円を稼げる人を1万人まで増やしたい」と秋好氏は語る。

 3.11以降、日本でも「働き方」について深く考えられるようになった。これまで「働く企業」を選んできたように、「働き方」を選ぶ時代が訪れているのかもしれない。

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