IBM、オープンクラウドアーキテクチャの全面採用を宣言:クラウドインフラの標準化
米IBMがオープンなクラウドアーキテクチャを採用すると発表。第一弾はOpenStackベースのプライベートクラウド製品になるようだ。
米IBMは2013年3月4日、同社のクラウドサービスとソフトウェアを全てオープンクラウドアーキテクチャベースにすると表明した。
まず第1弾として、オープンソースのOpenStackソフトウェアをベースとしたプライベートクラウドの新製品「IBM SmartCloud Orchestrator」を発表した。顧客が特定のベンダに囲い込まれる状況の打破を目指す。
IBM SmartCloud Orchestratorでは、クラウドインフラ上にさまざまなサービスを組み合わせて導入できるようにする。個々のクラウドサービスごとに特定のインターフェイスを開発する必要性をなくし、柔軟性を高める狙い。同製品は年内に提供開始予定。
さらに、オープン標準を採用してエンタープライズクラウドのモニタと管理を支援するソフトウェアの新バージョンを発表。このうち「IBM SmartCloud Monitoring Application Insight」は、クラウドでホスティングされているアプリケーションなどのパフォーマンスと可用性をリアルタイムでモニタできる製品で、2013年4〜6月期に提供を開始する。
また、オープン標準のOSLCを通じて「IBM SmartCloud ControlDesk」「IBM Endpoint Manager」の2製品を統合し、クラウドサービス管理機能の自動化と拡充を図る。
クラウドコンピューティングの成長と成熟のためには、ベンダ各社が相互運用性を欠く新しいクラウドサービスの開発をやめる必要があるとIBMは主張する。
発表資料では「IBMは常に標準化とオープンソースを主導する最先端の存在であり、クラウドコンピューティングでもそれを実践する。顧客は特定のベンダに閉じ込められることなく、ニーズに応じて最適なプラットフォームを自由に選べるようになる」と説明している。
プレスリリースでは、IBM Software Groupのマーケティング部門のVPであるScott Hemner氏による同様の趣旨の発言が動画として公開されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ユカイ、ツーカイ、カイハツ環境!(30):DevOps時代の開発者のためのOSSクラウド運用管理ツール5選まとめ
DevOpsという観点で、クラウドに使えるオープンソースの運用管理ツールとして、Zabbix、Hinemos、Hyperic HQ、Scalr、Aeolusの特徴をまとめて紹介します。 - CloudStackによるプライベートクラウド構築術(9):技術を深めるには開発が一番? Apache CloudStack開発のいまを知ろう
今回はオープンソース版「Apache CloudStack」の開発動向や情報源を紹介していきます。自身で開発にコミットできるOSS版を理解して、より技術的知識を深めよう。 - オープンソースのCloud Foundryを採用:NTTコミュニケーションズ、PaaS型クラウドサービス「Cloudn PaaS」を提供開始
NTTコミュニケーションズは12月3日、Java、Ruby、PHPに対応したPaaS型クラウドサービスの「Bizホスティング Cloudn PaaS」(Cloudnの読みは“クラウド・エヌ”)の提供開始を発表しました。 - S3の「エコシステム」をフル活用:日本発、S3互換クラウドストレージ構築パッケージ「Cloudian」
S3 API互換で、サービス開発向けの独自機能を多数用意したクラウドストレージ構築パッケージ「Cloudian」。大手での採用事例をフックにグローバル展開を目指す - CloudStackによるプライベートクラウド構築術(8):ChefのKnifeでCloudStackを操作する方法
knife-cloudstackを用意してコマンドラインでCloudStackを操作してみよう。基本コマンドのリファレンスも紹介する