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32bit版Windows OS → 64bit版Windows 8移行ガイド運用(1/4 ページ)

住み慣れたXP環境をWindows 8に移行するための完全マニュアル。サポート期限切れとなるWindows XPからそろそろWindows 8に移行しよう。

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連載目次

 Windows 8への移行に際して、多くの場合、旧バージョンのWindows OSコンピュータからデータなど移す必要がある。そこで課題になるのは、使用していたアプリケーション・ソフトウェア、Windows OSなどの各種設定、そしてデータの引き継ぎである。

 そこで本稿では、Windows XP/Vista/7からWindows 8に移行するケースを想定して、どの程度まで引き継ぎが可能なのか、引き継ぎに際して注意すべき点は何か、といった点について解説する。特に本稿では、プレインストールで多い64bit版Windows 8の利用を前提とする。最近ではPCのメモリ搭載量も多くなり、4Gbytes以上備えている(もしくは最大搭載可能量が4Gbytes以上となっている)システムも珍しくない。4Gbytes以上のメモリを使う(予定がある)なら、64bit版Windows OSの使用が必須だ。従来は32bit版Windows OSを使っていた場合でも、今後は64bit版Windows OSが一般的になるだろう。だが32bit版から64bit版への移行では、32bit版同士での移行にはなかった注意点がある。本稿ではその点についても解説する。なお、今回紹介する方法で、Windows XP/Vistaから64bit版Windows 7に移行することも可能だ。Windows 8ではなく、Windows 7への移行を検討している場合も参考にしていただきたい。

Windows 8への移行シナリオ

 Windows 8に上書きアップグレード(インプレイス・アップグレード)できるのは、Windows 7に限られる。また、32bit版同士、あるいは64bit版同士でなければ上書きできないため、32bit版Windows 7から64bit版Windows 8に移行する際には、64bit版Windows 8を新規にセットアップしてから、アプリケーション・ソフトウェアのセットアップと、設定/データの移行が必要になる。さらに各Windows OSからWindows 8へのアップグレード・パスは下表のとおりとなっている。

アップグレード元 Windows 8 Windows 8 Pro Windows 8 Enterprise 引き継ぎが可能な内容
Windows XP SP3 個人ファイル
Windows Vista 個人ファイル/SP1:個人ファイルとシステム設定
Windows 7 Starter/Home Premium システム設定、ファイル、アプリケーション
Windows 7 Professional システム設定、ファイル、アプリケーション
Windows 7 Ultimate システム設定、ファイル、アプリケーション
Windows 7 Enterprise システム設定、ファイル、アプリケーション
各Windows OSからWindows 8へのアップグレード・パス
引き継ぎが可能な、Windows 8へのアップグレード・パス。後述のアップグレード・アシスタントを実行した際に、各Windows OSからWindows 8の上記のバージョンへのアップグレードが勧められる。32bit版から64bit版への移行には制約があるが、それについては後述する。

 Windows XPやWindows Vistaが動作するコンピュータでは、上書きでのアップグレードは行えず、Windows 8を新規にセットアップすることになる。既存のファイル群は、「Windows.old」フォルダ以下に残されるが、アプリケーション・ソフトウェアのセットアップと、設定・データの移行が必要になる。

 そもそもWindows XPやWindows Vistaを使用していたコンピュータでは、ハードウェアの仕様がWindows 8のシステム要件を満たしていない、あるいは要件を満たしていても不十分という可能性が高いだろう。その場合、設定やデータの移行は異なるコンピュータの間で行うことになる。

 マイクロソフトでは、こうした移行作業の負担を軽減する手段をいくつか提供している。具体的には以下の2種類がある。

  • アップグレード・アシスタント:システム要件や互換性のチェック、Windows 8のダウンロード購入、セットアップまで行える。ただし、32bit版から64bit版への移行には制約がある(後述)。
  • Windows転送ツール:設定とデータを抽出して転送するが、Windows OSの購入やセットアップは別個に行う必要がある。

 同じコンピュータでWindows OSだけを新しくするのであれば、一連の作業をまとめてカバーするアップグレード・アシスタントは有用である。しかし、コンピュータの代替を伴う場合には、同一PC上での移行を前提にしているアップグレード・アシスタントは具合がよくない。そのため、以下のように移行手段を使い分けるのが最善と考えられる。

現用中のOS Windows 8 セットアップ方法 設定・データの移行
Windows 7(32bit) 購入済み 新規 転送ツール
Windows 7(64bit) 購入済み 上書き (不要)
Windows 7(32bit) 未購入 新規(ダウンロード購入) アップグレード・アシスタント
Windows 7(64bit) 未購入 上書き(ダウンロード購入) アップグレード・アシスタント
Windows XP/Vista(32bit) 購入済み 新規 転送ツール
Windows XP/Vista(64bit) 購入済み 新規 転送ツール
Windows XP/Vista(32bit) 未購入 新規 転送ツール
Windows XP/Vista(64bit) 未購入 新規 転送ツール

 実際には、Windows XP/Vistaでアップグレード・アシスタントを実行して、データの引き継ぎを指示することもできる。しかし、PC本体の入れ替えを伴う可能性が高いことと、設定情報を一緒に移行できるWindows転送ツールの方が便利ではないかと考えられることから、上表では転送ツールの利用を推奨している。

 次ページ以降、実際の移行手順を紹介していく。

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