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iOS SDK開発でOSSライブラリを使う際の基礎知識生産性ガチアゲなオープンソースiOSライブラリ(1)(2/2 ページ)

ゼロからiOS SDK開発を始める新規開発者でも超高速・高品質な開発を可能にするオープンソースのライブラリを目的別に紹介していく連載です。実際にライブラリを組み込みながら技術的な側面も合わせて詳細に説明していきます。初回は、OSSライブラリ活用の基本とUI系を中心にライブラリを16個紹介します。

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ライブラリを利用によるデメリットとリスク

 これだけのメリットがあるライブラリですが、当然リスクやデメリットもあります。

更新されなくなった場合の対応

 デメリットの1つとしては、作成されたライブラリが更新されなくなったときに、対応できるOSが昔のままとなってしまうことがあります。

 例えば古いOSバージョンのときに作られたライブラリを組み込んでアプリを作成し、その後にiOSのバージョンが変わると、ライブラリの機能が正常に動作しなくなる場合もあります。ライブラリの作者が必ずOSバージョンアップに対する対応を行う保証はありませんので、そうなると自分でライブラリを改編するか、ライブラリの利用をあきらめるしかありません。

ライセンス

 また、OSSライブラリには必ずライセンスが付与されており、ライセンスの内容を理解しないで導入するのはリスクとなります。次はライセンスついても簡単に説明します。

 ライセンスはコードごとに異なった内容のものが付与されます。制約が厳しいものでは、作成したアプリ内でライセンスを利用している旨の表示を求めたり、ソースコードの開示を求められたりすることがあります。

 ライセンス内容は作成者が自由に定めることができ、数千種類のライセンスが存在しますが、土台となるライセンスの種別はあまり多くないので、大枠さえ覚えておけば大きな問題は避けることができます。


主なOSSライセンス

 ライセンスを確認せずにライブラリを利用したり、選定時に判断を誤ると実業務では大きな問題になりかねないため、ライブラリを導入する際にはライセンスの種別は十分に確認しましょう。

いま人気のあるiOSライブラリ12選

 先に書いた通り、iOSライブラリは世界中で無数に公開されていますが、現時点で人気のあるものを以下にいくつか挙げてみました。

 例えば、メインメニューがあって音楽の再生、画像の加工、加工画像をSNS連携、カレンダーの閲覧を行うだけのアプリを作る場合、これらのライブラリを組み合わせるだけで十分リッチなアプリが作れます。

【1】Facebookライクな左右から出し入れできるViewが作れる「ViewDeck


ViewDeck

【2】処理実行中のインジケーター表示「SVProgressHUD


SVProgressHUD

【3】未読などの表示に使えるバッジ表示「LKbadgeView


LKbadgeView

【4】カレンダーUIと制御が同梱された「CKCalendar


CKCalendar

【5】タブView作成「JMTabView


JMTabView

【6】パフォーマンスの高い画像処理「NYXImagesKit

【7】ネットワーク関連処理「AFNetworking


AFNetworking

【8】Webサービスへの情報シェア「ShareKit

【9】Core Dataライブラリ「MagicalRecord

【10】SQLiteのObjective-Cラッパーライブラリ「fmdb

【11】柔軟性の高いログフレームワーク「CocoaLumberjack

【12】アプリ内課金処理を簡単に実装できる「EBPurchase

次回からは目的別にライブラリをまとめて紹介

 今回は連載第1回ということでライブラリに関する基本的な説明をメインにしました。第1回の要点をざっくりまとめると、以下の4点です。

  • 最新のライブラリ情報を常に把握する
  • ライブラリ選定は開発初期段階で行う
  • ライセンスを確認した上で適切に利用する
  • 改編、再配布を視野に入れて利用する

 すでにiOSアプリを開発していて、これからライブラリ利用を検討される方は、前述した内容を意識していただければ必ず今よりも高速な開発ができると思います。まだiOS開発をしていない方はライブラリを利用することで初期習得コストをかなり削減できるので、お試しください。

 次回からは、目的別にライブラリいくつかを紹介していきます。実際にライブラリを組み込みながら技術的な側面も合わせて詳細に説明していくので、お楽しみに。

著者プロフィール

川崎 順平(かわさき じゅんぺい)

株式会社ソニックス スマートデバイスソリューション事業部 コンサルティンググループ

コンサルティング業務として、モバイルファースト開発ガイドラインテストガイドラインの作成を行いながら、日々各スマートデバイス向けアプリケーションの開発に従事。Windowsストアアプリ開発コミュニティ「Windows 8 Developers」もやってます。

平川 裕多(ひらかわ ゆうた)

株式会社ソニックス スマートデバイスソリューション事業部

板前から転身したエンジニア。iOS開発歴3年。今は自社クラウドサービス「Scirocco Cloud」の開発を日々行っています。趣味は醤油工場めぐり。


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