Tableau、BIツールの最新版「Tableau 8.0」を国内提供:日本市場に本格参入
Tableau 8.0は、「Excelユーザーなら誰でも使えるツール」をコンセプトとし、マウス操作だけでデータ分析に関するほとんどの操作を直感的に行うことのできるBIツールだ。
Tableau Japanは2013年5月28日、BIツールの最新版「Tableau 8.0」を国内提供すると発表した。今回の発表に合わせて、同社は日本市場に本格参入する。
米国Tableau Softwareの創業は2003年。現在、同社製品は世界114カ国の1万2000を超える政府機関、大学などの教育機関、最先端企業、大企業、SOHO企業に至るまで、産業、業種、規模を問わず幅広く導入されている。2012年の売上高は1億2773万3000ドル、純利益は142万7000ドルと好調で、5月17日には新規株式公開(IPO)を実施し、ニューヨーク証券取引所に上場を果たしている。2012年11月にTableau Japanを設立、本格的な日本展開に向けての事業基盤を構築してきた。
記者会見に参加したTableau Software アジア太平洋地域営業担当副社長 J・Y・プーク氏は、従来のBI製品はシステムが複雑で導入に時間がかかり、費用の掛かるものとして、現場の一般ユーザーの間で使われていなかったとし、これではビジネスの本当の答えを導き出せないと指摘した。
そのうえで、同社のミッションは「データを可視化し、意味を理解できるようにすること。そして、データ分析を簡単に早く、美しくすること」(同氏)と説明し、誰にでも使えるBIツールを提供していると強調した。
日本市場への参入についてプーク氏は、日本がアジア太平洋地域で最大のBI市場であることを挙げた。また、企業が新たな市場機会をつかむには使いやすいBIツールが必要で、日本はそのニーズが高いと判断し、投資を決めたという。安倍首相の掲げる新成長戦略におけるビッグデータ活用にも期待感を示した。
Tableau Japanでは、技術支援やトレーニングを含めたユーザーサポート、販売支援とマーケティングを含むパートナーサポート、そしてユーザー企業やパートナー企業から収集した情報の米国へのフィードバックの3つが主な役割となる。当面、販売についてはパートナー戦略をとり、直販は行わない。
コンセプトは「Excelユーザーなら誰でも使えるツール」
Tableauは、ドラッグ&ドロップなどのマウス操作だけでデータ分析に関するほとんどの操作を直感的に行うことのできるBIツールだ。Excelが使えるスキルがあれば簡単に使い方をマスターできるという。
Tableau 8.0の製品構成は、デスクトップ製品の「Tableau Desktop」、サーバ製品の「Tableau Server」、分析データを一般配信・共有する「Tableau Public」の各製品からなっている。
このうち、Tableau Desktopは、個人・一般ユーザー向けの「Desktop Personal Editon」(999ドル)と企業データベースを活用して分析を行う専門職向けの「Desktop Professional Editon」(1999ドル)の2種類が用意されている。Personal Editonで分析可能なデータはMicrosoft Excel、Microsoft Access、テキストデータのみ。Professional Editonではさらに、Cloudera Hadoop、EMC Greenplum、IBM Netezza、Microsoft SQL Server、MySQL、Oracle Database、PostgreSQLなどのさまざまなデータベースと接続し、分析が可能となる。
Tableau Desktopで作成したレポートやダッシュボードは、Tableau Serverで共有することで、Webブラウザからアクセスし、閲覧することができる。
Tableau 8.0には、Webブラウザ上でのビジュアル分析を可能にするウェブオーサリング機能、iPadやAndroidなどのタブレットでのデータ分析を可能にするモバイルオーサリング機能、ツリーマップなどの新しいビューを加えたビジュアル分析など90以上の機能が追加/強化された。ビジュアライゼーションエンジンも刷新したという。
加えて、Google Analytics、Salesforce.com、Google BigQuery、Amazon Redshiftなどとのデータ接続も標準で提供する。新たなJavascript API、Data Extract APIによって、既存システムへのTableauの統合も可能になったとしている。
Tableau Publicは無償のクラウドベース製品で、Tableau製品で作成したレポートやダッシュボードをTableau Publicにアップロードすることで、YouTubeビデオを組み込むのと同様の方法で、Webサイトにデータ分析機能を実装することができる。
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