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Oracle Database 12cはITリソース集約・効率化時代の運用改善に注力したDB製品動向

プラガブルデータベース、コンテナ、クラウド。リリース前に伝わってきたOracle Database 12cのコンセプトは新しい概念が多く、想像しにくかったが、どうやら相当程度、運用の効率化・自動化に注力した内容になっているようだ。

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 日本オラクルは2013年7月17日、「Oracle Database 12c」(以降、12c)を日本国内で提供開始すると発表した。米国ではこれに先行してリリースしている(関連記事)。Oracle Database 11g(11.2.0.3)以降は、12cにバージョンアップできる。米国でのリリース段階では、Solaris版、Linux版のみであったが、現在はWindows版も提供されている。「特に日本ではWindows環境を利用するユーザーが多いことを考慮し、今回のリリースでは他OS版と同時提供とした」(日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者である遠藤隆雄氏)。

 遠藤氏は、先にオラクルが掲げた2014年度の事業戦略におけるクラウド事業強化と絡め、「オラクルが掲げているクラウド戦略のうち、Oracle Database 12cはクラウドプラットフォーム製品として位置付けられる」(遠藤氏)としている。

 クラウドには多様な定義があてはめられるが、ここでは恐らくクラウド環境の活用によるリソースや作業プロセスの効率化といったクラウドの1つの側面に対して、従来、パフォーマンスの問題などで物理環境に留まってきた(仮想化によるサーバ集約といった意味でのクラウド環境に乗り切れていなかった)ミッションクリティカルなデータベース運用におけるクラウドの在り方についての1つの解答と言えるだろう。

 12cは、データ集約に際してスキーマ統合によるデータベース集約ではなく、独立性を保ったまま集約させるマルチテナンシを実現していることが最大のポイントである。仮想化によるサーバ集約のように仮想レイヤを経由することによるパフォーマンス低下を避けつつ、課題を持つものが多いスキーマ統合という難題を回避しながら、効率化を図るアプローチだ。


三澤氏のプレゼンテーション資料 マルチテナンシを実現する構成を3つに分類している

 「クラウド環境での集約・リソース効率化が当たり前の状況となった。システムの効率化が実現したことから、今後は運用プロセスの複雑さや工数に対する効率化アプローチが重要になってくる」(日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤智光氏)

 2012年のOracle OpenWorld以降、12cはプラガブルデータベースである、という発言が注目されていたが、12cの特徴を象徴するのはプラガブルデータベースよりもむしろ「コンテナ」概念かもしれない。

 12cでは新たにコンテナという概念が加えられている。コンテナは物理的なデータベースの実データの位置とは独立して、複数のデータベースを一括して管理するための単位である。複数のデータベースの独立性を維持したまま(スキーマ情報などを変更せずに)、単一のコンテナと紐付けて管理することで、専用の運用管理ツールであるEnterprise Managerを介して、コンテナ単位でメンテナンス操作を一括自動実行できるようになる。

 運用者は12cに移行することで、バックアップやパッチ適用といった操作を、個々のDBごとでなく、共通の運用ポリシーで集約できるコンテナ単位で実行すれば済むというものだ。

 このほか、プロビジョニングやデータベースの移動などの操作も簡素化されており、事前に必要なプロセスはバックグラウンドで自動実行されるようになっている。併せてオプション機能の1つである「Advanced Compression」では、アクセス頻度に応じてあらかじめ設定された内容を基に自動データ圧縮を行うこともできるようになった。また、同じくオプション機能の1つである「Advanced Security」では、データベース側でアクセス権限を設定できる。従来ユーザー別にデータを出し分けるにはアプリケーション側で制御する必要があったが、アプリケーション側に依存せず、クエリの応答元であるデータベース側で制御し、必要に応じて結果をマスキングして返す。「この機能は金融や国防系システムでの要望から実装した機能。よりセキュアなアプリケーション開発が可能になる」(三澤氏)

 さらにオプション機能「Active Data Guard」では、新たに「Far Sync」を使った非同期スタンバイを持つ構成が可能になっている。長距離でフェイルオーバー環境を検討する場合、通信遅延の問題があるが、本番環境から地理的に近い場所に、ログデータのみを同期しておくFar Syncインスタンスを持つ仕組みだ。ログのみは遅延なく健全に保てる。スタンバイ環境が遠隔地にある場合、非同期でログを送信しておき、万一問題が発生した場合はFar Syncの情報を参照して復旧することができる。


Far Syncの構成例 なお、ログを同期しておくFar Syncインスタンスはライセンス不要である

 Oracle Database 12cにはその他にも文字列型変更など、細かな点でアプリケーション開発者の利便性を向上させる内容も含まれている。技術詳細については、追って解説記事で紹介していく予定だ。

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