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モバイル対応、データ活用のためのシステム統合、日本企業は「これから」の段階?調査レポート

モバイル活用、データ活用基盤整備で、日本は世界平均の半周遅れ? 背景にはIT戦略策定チームの有無があるのかもしれない。PwCの調査資料から日本企業のIT戦略を読む。

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 プライスウォーターハウスクーパースは、米国法人が2013年2月に発表した「PwC’s 2013 Digital IQ Survey」における日本企業の回答結果(57社)を抽出し「Digital IQ 調査日本分析版」として2013年7月24日に発表した。「PwC’s 2013 Digital IQ Survey」は米プライスウォーターハウスクーパースが実施したもの(調査期間:2012年9〜11月)。回答のうち、日本企業のビジネス部門およびIT部門の経営幹部によるものを改めて集計している*。

生産性の向上=モバイル対応、コスト削減=プライベートクラウド導入が基本トレンド

 Digital IQ 調査日本分析版のダイジェスト資料によると、直近で注目を集めている情報システムのトレンドに対して、生産性向上、イノベーション増加、コスト削減という3つの異なる課題への対策を問う設問では、従業員のモバイル活用、プライベートクラウドがいずれも上位となっている。


(出典:プライスウォーターハウスクーパース)

 「現在投資している先進情報技術」では「従業員向けモバイルテクノロジー」への投資が63%と最も多い(全世界では53%)。


(出典:プライスウォーターハウスクーパース)

 現段階での日本企業における、従業員向けモバイルテクノロジーの導入は進捗しているものの、「必要なもの全てを具備している」状況である、と認識している企業は、世界全体で19%であるのに対して、日本企業では2%に留まっており、従業員向けモバイルテクノロジーの導入がまだ途中段階であると認識している企業の比率が高い結果となっている。


(出典:プライスウォーターハウスクーパース)

 また、社内システムの従業員向けモバイル対応とは別に、顧客とのやりとりにおけるモバイルテクノロジーの活用状況については、全体の51%が「非常によく活用している」「活用している」と回答しているのに対して、日本は「活用していない」「まったく活用していない」との回答が50%を超えている。この結果について、同社では、日本企業における顧客向けモバイル活用は、これから導入が進む段階であると推測している。


(出典:プライスウォーターハウスクーパース)

ビッグデータ対応のための投資、日本は「収集、保管、検索」、世界平均は「システム統合」

 ビッグデータに100万ドル以上を投資していると回答した企業の割合は、全体の35%が「効果的な意思決定をサポートするために、内部データをシステム全体で統合」、32%が「内部データの収集、保管、検索」であったのに対して、日本では35%が「内部データの収集・保管・検索」、22%が「内部データ分析」という結果だった。


(出典:プライスウォーターハウスクーパース)

 なお、これら情報システムのトレンドに対する情報収集手段については、全世界では39%の企業が社内でIT戦略を策定している一方、日本企業の65%が「ITベンダからのインプット」による情報収集を行っていると回答した。

* 調査方法、内訳は次の通り。
・回答者:日本企業のビジネス部門およびIT 部門の経営幹部
・調査方法:郵送によるアンケート調査および専用Webサイトによるアンケート調査
・回答企業の売上高内訳:250億米ドル以上:8%、100 億米ドル以上250 億米ドル未満:11%、50億米ドル以上100億米ドル未満:15%、20億米ドル以上50億米ドル未満:34%、10億米ドル以上20億米ドル未満:19%、5億米ドル以上10 億米ドル未満:9%、2億米ドル以上5 億米ドル未満:2%
・回答企業の業種内訳:自動車:7%、エネルギー・鉱業:7%、エンターテインメント・メディア:9%、金融サービス:5%、ヘルスケア:4%、観光・レジャー:2%、製造:37%、小売・消費:11%、情報通信:4%、輸送・物流:14%、公共事業:2%



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