ピーエムシー、12Gbps対応RAIDアダプタ「Adaptec8シリーズ」を発売:SSD接続時70万IOPSを発揮
ピーエムシー・シエラ・ジャパンは、SAS対応のRAIDアダプタ「Adaptec8シリーズ」を発売すると発表した。伝送速度が12GbpsのSAS 3.0に準拠したポートを8個または16個備える全5モデルを用意した。
ピーエムシー・シエラ・ジャパンは2013年9月5日、SAS(Serial Attached SCSI)に対応したRAIDアダプタ「Adaptec8シリーズ」を同年第4四半期に出荷開始すると発表した。伝送速度が12GbpsのSAS 3.0に準拠したポートを8個または16個備える全5モデルを用意した。同社が実施したベンチマークテストによると、シーケンシャル読み出し時の速度は最大6.6GB/秒で、4KBのデータのランダム読み出し性能は、SAS 2.0(伝送速度は6Gbps)に対応した既存の「Adaptec7シリーズ」に比べて60%高い70万IOPSに達するという(いずれもSSDを接続した場合)。
最上位モデルの「81605ZQ」は、ロープロファイルのPCI Expressカードを採用しながら、内蔵ドライブ接続用ポートを16個と、ディスクキャッシュ用に1024MBのDRAMを備える。さらに、不意に電源が遮断されても、キャッシュ内のデータをフラッシュメモリにコピーしてデータを保全するためにフラッシュメモリと電源供給用の大容量コンデンサも標準装備する。これは従来、「Adaptec Flash Module」としてオプションだったものである。
「8885Q」と「8885」は、内蔵ドライブ接続用ポート8個と外部接続用ポート8個の合計16ポート、1024MBのディスクキャッシュ用DRAMを備える。「Adaptec Flash Module」はオプションである。
「8805」は、内蔵ドライブ接続用ポート8個と、1024MBのディスクキャッシュ用DRAMを備える。「Adaptec Flash Module」はオプションである。
「8885E」は、内蔵ドライブ接続用ポート8個と外部接続用ポート8個の合計16ポートを装備しながら価格を抑えたモデルである。ディスクキャッシュ用DRAMは512MBで、「Adaptec Flash Module」は接続できない。
構成可能なRAIDレベルは0/1/5/6/10/50/60で、8885EのみRAID 0/1/10である。SSDとHDDを混在した場合は、SSDをキャッシュとして利用することもできる。キャッシュのヒット率などを調べるGUIツールも付属する。さらに、モデル名の末尾に「Q」が付く機種では、いわゆるストレージの階層化にも対応する。
価格は未定だが、Adaptec7シリーズと同価格帯になる見込み。なお、RAID構成時のメタデータは、既存のシリーズと共通であり、アダプタをAdaptec8シリーズに変えてもそのままデータにアクセスできるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 1Uサイズで実効容量最大20TB:IBMのフラッシュストレージ、ハードウェア機能駆使して高速化
日本IBMが4月12日に発表したオールフラッシュストレージ「IBM FlashSystem」は、専用フラッシュメモリモジュールを使い、独自設計のFPGAフラッシュコントローラを搭載するなど、ハードウェアによる制御・転送によって高速化を推し進めた製品群だ。高い密度も特徴となっている。 - 独自のインライン重複排除機能を実装:「100%フラッシュ」ストレージ、サーバ仮想化環境、VDI市場を狙う
独自実装のRAID技術や遅延の少ないインライン重複排除などの機能を持つ米Pure StorageのSSDストレージ製品が日本国内で展開へ。販売は東京エレクトロンデバイスが行う。