リーダーは、目的ではなく目標を示せ:ITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座(4)(1/2 ページ)
業務で目的を達成するためには、活力あるチームを作り、運営していくことが重要だ。本連載では、ITエンジニアのリーダーシップスキルの向上に役立つツールや考え方を詳しく紹介する。
※この連載は、『ITエンジニアのためのチームリーダーシップ実践講座』(上村有子著)の第1章〜第3章を、著者と出版社の許可の下、一部修正して転載するものです。
チームには何らかの目的があり、目的は目標へと昇華させチーム全体で共有しなければならない。目標はチームが具体的に進むべき方向であり、それを常に指し示すのがリーダーの役割だ。今回は、実際にチームの目標を明らかにする作業を行ってみよう。
目標とは何か?
普段何げなく使っている「目標」という言葉ですが、あなたは「仕事の目標は何か?」と問われて、すぐに答えられるでしょうか? 個人の目標であれば、「本年度中に○○資格試験に合格する」「来年、昇格する」などを挙げられるかもしれません。しかし、リーダーの立場として「チームの目標は何か?」と問われると、すぐに答えられる人は意外と少ないと思います。
●目的と目標の違い
そもそも、チームとは同じ「目的」を持った人の集まりで、そのチームが機能するためには、メンバー全員がその目的に向かっていなければなりません。ところで、目的と目標はどう違うのでしょうか?
目的とは、そもそも何のためにやるのか、何のためにあるのかといった「意義」を表します。例えば「利益を得ること」や、「中国市場で認知度を上げるため」などです。
一方、目標とは目的に対して具体性を持たせたものです。先述の目的を例にすると、「利益を得る」が会社の目的であれば、目標は「上半期に3億円の利益を上げる」です。「中国市場で認知度を上げる」という目的ならば、「シェアを30%に上げる」と表現するのが目標です。
目標は具体的に数値で表されることが多いので、標的がはっきりします。チーム活動の結果、最終的に目的を達成できたか否か、正確に判断できます。
●なぜ目標が大切なのか?
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