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Windows Azure WebサイトとWebMatrix 3で楽チン構築・管理無料で始めるクラウドCMS構築超入門(1/4 ページ)

無料試用版のあるクラウド環境「Windows Azure」と無償で使えるWeb開発環境「WebMatrix 3」の概要や、すぐに使えるCMSサイトをWebに公開する簡単な手順を説明する。

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 読者の皆さまは、普段どのような環境でWebアプリやWebサイトを開発し、公開しているだろうか?

 本稿では、無料試用版のあるクラウド環境「Windows Azure」と無償で使えるWeb開発環境「WebMatrix 3」を使い、すぐに使えるCMSサイトをインターネットに公開する手順を説明する。

PHPやNode.jsなども使えるPaaS「Windows Azure Webサイト」とは

 まずは、簡単にWindows Azure Webサイト(以下、AzureWebサイト)について説明しておこう。AzureWebサイトは、マイクロソフトが提供するWindows Azureのサービスの1つで、無償で利用を開始できるWebサイト・Webアプリ用のPaaSだ。AzureWebサイトではIIS(=Windows上のアプリ・サーバ)上でPHPやNode.js、ASP.NETが動作する環境を提供しており、利用者はサーバの管理を気にすることなくWebアプリを稼働できる。

 AzureWebサイトは無料で始めることができるが、利用できるCPU時間やスケールアウト機能、マルチテナントかどうかなど、提供される機能に制限が加えられている。

 ただ動作モードは、いつでも切り替えることが可能で、動作モードを切り替えることで、規模や用途に応じた使い方ができるようになっている。

 AzureWebサイトの動作モードに関する制限事項などは以下の表の通りだ。

表 モード比較
項目\モード 無料 共有(プレビュー)*1 標準
CPU 共有(60分/日のCPU時間) 共有(240分/日のCPU時間) 占有
カスタムドメイン 不可
カスタムドメインSSL *2 不可 不可 可 *3(SNI SSLまたはIP SSL)
最大サイト数 *4 10 100 500
スケールアウト 不可 最大6インスタンス 最大10インスタンス
SLA なし なし あり
ストレージ *4、*5 1GB 1GB 10GB
データベース(オプション) MySQL:20MBまたはSQL Database:20MB
データ転送 *4 送信 : 165MB/日まで無償、受信:無償 送信:有償、受信:無償 送信:有償、受信:無償

*1 2013年11月現在、プレビュー期間中のため提供される機能および価格は今後変更される可能性がある。また価格についての詳細は、こちらを参照。

*2 「*.azurewebsites.net」ドメインに対するHTTPS接続は標準で提供される。

*3 別途SSLの料金が発生する。

*4 これらの制限および料金は設定した地域ごとでの算出となる。

*5 ストレージは契約者のアカウントが保持するWebサイトで同じ領域が割り当てられる。無料モードで東アジアにWebサイトを構築した場合、そのWebサイト全てで1GBの容量を共有して利用する。

Windows Azureの無料試用版サインアップ

 Windows Azureは、こちらのリンクから無料試用版でサインアップできるので、まだサブスクリプションを持っていない方はこの機会に、ぜひ試してほしい。

 なお、サインアップにはMicrosoftアカウントでサインインする必要がある。まだ取得していない場合は、記事「Windows 8で必要となるMicrosoftアカウントを作成する」「ISPや会社のメール・アドレスでMicrosoftアカウントを作成する」などを参照してほしい。

 Microsoftアカウントでサインインが完了すると、以下の画面が表示される。


図1 サインアップ画面

 画面にある通り、Windows Azure無料試用版のサインアップには携帯電話番号とクレジットカード情報が必要だ。2013年11月現在、無料試用版のサインアップであっても身元確認のためクレジットカード情報が必要となる。

 携帯電話番号は国際電話の表記(日本国内であれば+81を選択し、頭のゼロを省略)に従って入力する。SMSによるテキストメッセージか音声を選択後、「テキストメッセージを受信」(または「電話で確認コードを受け取る」)ボタンをクリックし、コードの確認欄に受け取ったコードを入力して「コードの確認」ボタンをクリックすることで支払情報の入力とサインアップが可能になる。

WebMatrixとは

 次にWebMatrixについても説明しておこう。WebMatrixはマイクロソフトが開発・提供している無償のWeb向けの開発環境だ。初版は2011年1月にリリースされ、現在はWeb Matrix 3として2013年5月にリリースされたバージョンが最新となっている。

 WebMatrixはリリース当初からマイクロソフトの技術だけではなく、Webに広く使われているオープンな技術も含めて簡単に扱えるよう、実装されている。

例えば、対応できる言語は以下の通りだ。

  • ASP.NET
  • Classic ASP
  • PHP
  • Node.js
  • JavaScript (CoffeeScript/TypeScript)
  • HTML5
  • CSS(LESS/SASS/SCSS)

補足

ASP.NETなどのWebアプリだけではなく、静的なHTMLファイルなどで構成されたWebページを作成することももちろん可能だ。また、どの程度対応しているかは言語によるが、コード補完、ソース・コードのテキストハイライト(キーワードの色分けなど)、OrangeBit Compilerを使用したコンパイルなどが行える。


 その他の機能についても簡単に記載しておこう。

ソース・コード管理

 WebMatrix 3では標準で「Team Foundation Service」(現在は「Visual Studio Online」)とGitにアクセスできる。また、拡張機能によりGitHubやCodePlexといった外部サイトとの連携も容易に行える。

WebMatrix 3とGitについて

リモートGitブランチとの連携やシェルを利用するためには「Git for Windows」のインストールが必要になる。必要となる場面でWebMatrix 3上からインストールを行うことも可能だ。


発行

 ローカルPCでの開発と実行だけではなく、リモートサーバへの発行ももちろん可能だ。その際使用するプロトコルもマイクロソフトが提供する「Web Deploy」だけではなくFTPを使うこともできる。

DB連携

 MySQLやSQL Server/SQL Server Compact Editionの作成やテーブルの管理、レコードの閲覧や編集がGUIで行える。

レポート機能

 アクセスログ解析やサイト分析などの簡易レポートが行える。

拡張

 .NET開発向けのライブラリパッケージマネージャである「NuGet」を使用してアプリのライブラリ管理が行える。

 またiPhoneやiPadシミュレータとの連携などもWebMatrix向け拡張機能をギャラリーから選択し、インストールすることで利用可能だ。

Windows Azure Webサイトとの統合

 WebMatrix 3で一番強化された点としてはAzureWebサイトとの連携強化が挙げられる。WebMatrix 3上でAzureWebサイトの新規作成やアプリの発行だけではなく、Webアプリのギャラリーから直接配置や、すでに配置済みのWebサイトの取得、リモート編集も可能となっている。簡単な開発であれば、WebMatrix 3だけを使って全てを行えるのが特徴だ。

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