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企業向けIaaSに求められる6つの要件と環境構築無料で始める企業向けIaaSクラウド入門(3/3 ページ)

IaaSの概要や企業向けIaaSに求められる6つの要件、無料試用版のある「Windows Azure仮想マシン」の環境を構築する手順、PowerShellを使った日本語化、RDBについて解説する。

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仮想マシンの日本語化を行う

 作成したサーバーは英語のイメージを基に作られたため、各種言語設定が英語となっている。もちろんGUIから日本語に設定することも可能だが、本企画は多大なサーバーを抱えるエンタープライズ視点で解説するということなので、日本語化はスクリプトを使って自動で行うことにしよう。

Powershellの起動


Server ManagerのDashborad

 Dashborad画面の左下、「Server Manager」の右隣にある「Powershell」を起動する。


Powershellのコマンドプロンプト

セキュリティポリシーを変更

 以下のコマンドを使い、セキュリティポリシーを変更する。途中で入力を求められたら、「y」と入力して、ポリシー変更を完了する。

Set-ExecutionPolicy RemoteSigned

セキュリティポリシー変更のコマンド実行画面

言語パックの適用

 続いて以下のスクリプトを実行する。

$lpurl = "http://fg.v4.download.windowsupdate.com/msdownload/update/software/updt/2012/10"
$lpfile = "windowsserver2012-kb2607607-x64-jpn_d079f61ac6b2bab923f14cd47c68c4af0835537f.cab"
$wintemp = "C:\Windows\Temp"
Set-WinUserLanguageList ja-jp,en-US -Force
Start-BitsTransfer -Source $lpurl/$lpfile -Destination $wintemp
Add-WindowsPackage -Online -PackagePath $wintemp\$lpfile
restart-computer

 スクリプトの概要は、言語パックを「BITS(Background Intelligent Transfer Service)」からダウンロードして、適用後再起動するものだ。適用に20分程度かかるので待つ必要がある。


言語パック適用のコマンド実行画面

各ロケールへの日本語設定

 続いて、以下のスクリプトを実行する。各ロケールへの日本語設定を完了する。

Set-WinUILanguageOverride ja-JP
Set-WinSystemLocale 1041
Set-WinHomeLocation 0x7A
restart-computer

 再起動後、日本語化が無事完了している。


日本語化された「ダッシュボード」画面

 上記のスクリプトは、1つにまとめて実行することも可能だが、作業を分かりやすく解説するために分割して掲載した。

 なお、スクリプトはブログ「SEの雑記」のエントリ「Azure VMの日本語UIを PowerShellで設定」を参考にさせていただいた。

 このように、Powershellは環境構築の自動化に非常に便利で、環境構築以外でも利用可能だ。

 また、マイクロソフトが提供する「WebPI(Web Platform Installer)」というツールを使えば、開発環境の構築からWordPressのインストールまでをスクリプトで行うこともできる。

RDB(SQL Server 2012 Standard Edition)を使う

 Windows Azureには「SQLデータベース」というWebサービス型の「SQL Server」もあるが、特定バージョンのSQL Serverや同一のサーバー内でSQL Serverを使いたい場合は、IaaS環境にインストールされているSQL Serverを使うこともできる。

 今回構築した仮想マシンイメージはSQL Server 2012 Standard Editionがインストールされたものを選択してあるので、実際に起動して利用してみよう。

 既に仮想マシンにインストール済みの「SQL Server Management Studio」(以下、Management Studio)を起動してみよう。Windows認証でログイン可能だ(※なお、既にインストール済みのManagement Studioを日本語化したい場合は別途対応が必要となる)。


「SQL Server Management Studio」のログイン画面

 ログインが完了すると、Management Studioから各種データベースの操作が可能だ。ポートを解放すれば、外部からも接続可能で、特定のIPアドレス以外許可しないような使い方もできる。


Windows Azure仮想マシン上の「SQL Server Management Studio」の操作画面

 SQLや、.bakファイルを使って環境を復元して、もろもろ試すことが可能だ。

後編では、IaaS運用の仕方を紹介

 以上で、特集前編は終了だ。次回後編では、サーバーのバックアップ、リカバリ、VPN接続など運用の仕方を中心に紹介する予定なので、期待してほしい。

著者プロフィール

橋本圭一

シグマコンサルティング株式会社代表取締役


3度の飯よりWebサービスが大好きで、2006年会社設立。Windows Azureを活用してECやポータルサイト、大規模トラフィックなソーシャルサービスなどを多く手掛ける。

新規事業でWebサービスを立ち上げることが多く、時にはデータセンターでラック借りするお金もなく、すぐ立ち上げられる環境を何より探していたところ、2008年にWindows Azureと運命の出会い。黎明期から、かれこれ5年。現在もぞっこんで惚れ込んで取り組んでいる。

自分にチャンスをくれたWindows Azureの生みの親、レイ・オジー氏とWindows Azure Teamに感謝。


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